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幕あい Part I 全て抹消いたします

【500.4】


 マルテルがジャックを呼び止めた。

「フラーレン、すまん。

 ちょっとよいかの?」


 他の3人が社長室から退室する。

 その場にはマルテルとジャックの2人のみが残った。


「……何だよ? 手短に済ませろよな」

「すぐ終わる。黙って聞け。

 大事な話じゃ」


 マルテルは、声のトーンを一段落とし、小さな声で話し始めた。


「今回お前さんが連れてきたドロシーという娘、ビンゴじゃ。

 ワシが探しておったのはあやつよ」

「……!!」

「フラーレン、連中について行け」

「一緒に帝都ディエバへ行けば良いんだな?」

「そのずっと先までじゃ。

 最終的なドロシーの目的地は、ラザード島になる」


「……は!?

 オイ、どういう意味だ……!!」

「黙って聞けと言うたじゃろ。

 まずは寄り道せずにディエバへ行け。

 その後も旅は続くことになる。

 最終的にラザード島の『受肉の間』、そこが彼女たちの旅のゴールじゃ。

 お前さんは旅に同行し、道を誤ることのないよう、それとなく見てやれ」


「ちょっと待てよ!

 ジジイお前、何を知ってる!?」

「お前はワシの言うことを聞いておればよい。

 お前はワシに逆らえん。そうじゃろ?

 ……話は終わりじゃ。さっさと行け。

 あまり長くいると怪しまれるぞ」

「……俺もあいつらと一緒に行くつもりだった。

 同行すれば、良いんだな?」


「うむ。

 ……そうじゃ、これを持ってゆけ。

 何を話していたかと聞かれたら、金を貰ってたとでも答えるんじゃ」


 マルテルがジャックに金の入った袋を渡す。

 ジャックは、疑問の晴れない表情のまま、出て行った。






「見つけましたぞ。アルマート様」


「そうです。

 ドロシーと名乗っております」


「はい。最終的にはラザード島へ向かうでしょう。

 案内役も付けました」


「1つ、気がかりが。

 アルマート様、ブルータウンの周辺で以前活動されていたと、昔おっしゃいましたな。

 その跡地は、まだ今も?」


「ええ。

 アーサー・エルシアという国王の子息が、どこで聞きつけたか、あなたの活動拠点を探しているのです」


「はい」


「分かりました。

 全て抹消いたします」


「はい。すぐに。

 では……」




「ふう……レーリア地下道か。

 急いで処置せねば……」




 マルテルは、社長室を後にした。


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