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幕あい Part F 体が言うことを聞かない

【494.3】


 わたしはレオンヒルの魔法に冒されている。

 そう簡単に消えるつもりはないが、わたしの意識を維持できなくなるのも時間の問題だろう。




 北限の物見櫓で初めてレオンヒルを見たとき、危険な人間だと直感した。

 だから敢えて彼女と組み、何を考えているのかを知ろうとした。

 その甲斐もあり、彼女がラザード島でソフィア回収を実施しており、それが魔物発生の直接の原因だということまでは突き止めた。


 だが、こうも直接的な手段を使ってくるとは……。




 思えばエディ・キュリスとして自分の理想を貫いていた頃は、世界を知ろうとしていた筈なのに、すぐ近くの他人に興味を持たなかった。

 結果、わたしの言動がきっかけとなり、多くの命を散らせてしまった。


 一度死んでからは、あの時の轍を踏むまいと、今度こそ道を誤らないと誓ったが。




 分からないのは、レオンヒルがわたしに一体どんな魔法をかけているのか、だ。


 帝都ディエバで共同作業をしている頃は、一時的に無意識な状態になることがあった。

 当初はそのことにさえ全く気付いていなかった。

 だが、わたしの体に覚えのない創魂術の発動形跡があったことで、何かさせられていることは認識した。

 端末の試作品が完成し、物見櫓に移ってからは、あからさまになった。


 体が言うことを聞かない。

 今はペンを持って字を書くことすら難しい。


 レオンヒルの専門は操作魔法であったはず。

 だが、操作魔法で人は操れない。

 私の精神に介入されているのか?


 ならば何故、今もまだ自我を保っていられる?




 頼む、ベルカよ。


 この事態に気付いてくれ。


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