兄は甘いものが必要不可欠
困った、あれから仕事の依頼が来ない。
やはり近くの城下町に張り紙を適当に貼り付けてきただけじゃ依頼は来ないのか・・・。
「基本的に何でもやります!簡単な作業から魔物討伐、ダンジョン護衛まで!」
と、書いておいたから怖いもの見たさや冷やかしの1人でも来ると思ってたのだが・・・・。
決めた。今日何も来なかったら明日城下町のギルドで依頼を受けよう。
「兄さん?今日も誰もこないね~」
「そうだな。もし今日来なかったら、明日ギルドで依頼でも受けに行こう」
「おっけー!ギルド行こう!楽しみ!」
ぴょんぴょんと跳ねながら明日来ていく服を考えている。
確かにあんまり行ったことがないからな、楽しみなのも無理はないだろう。
「そういえば城下町に人気のカフェがあるらしい、行こうか」
「いいの!楽しみにしてるね!」
よし、決めたぞ、明日はいちごの乗ったショートケーキにするぞ。
「そういえば、兄さんからそういう話をしてくるの珍しいね」
「お前が甘いの好きだと思ってね」
そう言いながら身長が自分よりも高い相手の頭を撫でようとするが、届かない。
そうしていると向こうが気がついたのか屈んでくれる、こういうときに身長があればな・・・・。
まぁ、本人が嬉しそうなので良いか。
それと同時にアイツにでも会っていこう、ミネアにはいつか会わせたかったしな。
ミネアは保有している魔力は圧倒的だが、独学だから上手く使い方を知らない。
あいつなら良い師匠にもなってくれると思うし。
少しお茶でも飲んで・・・・、あれいつものクッキーがない。
もしかして・・・ミネアがこっそり食べたんだろう。
不死身の都合上、食事は取らなくても別に問題はないが糖分は別だ、頭によく染み渡るし無いとやっていけない。
手が少し震える。
「兄さん?大丈夫?」
ミネアが心配そうに声をかけてくるが大丈夫、と頷く。
今日はとりあえず我慢して明日、大量に取るとしよう。
「ごめん、今日は早いけど寝るよ、明日朝一でいくから寝坊しないようにな」
「わかった!おやすみなさい~」
そう言いながらミネアは再び研究を再開する。
・・・これは明日は昼からの出発になりそうだな。
兄上は一日中糖分を取らないと禁断症状が出るようです。
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