報告とティータイム
袋に親玉ゴブリンの王冠と首を入れ、引きずりながら洞窟を抜ける。
久しぶりに浴びる太陽の光と眩しさに少し目をやられながらもあたりを見回す。
入る前とは違って周りは焼け野原のようになっており所々に何かが燃え尽きて焦げたようなものが複数落ちていることに気がつく。
もしかしてこれは・・・・。
「おかえり兄さん!・・・って血まみれだけど!?大丈夫!?」
「あぁ、これは・・・まぁ色々あってね。直ぐ治ったけど」
僕の白いローブが真っ赤になっていることに気がついたミネアは驚き俺の事を心配する。
不死身だから全く問題無いのに。
強いて言うなら痛いくらいだ。
「でも見た目がすごいことになってるから・・・心配しちゃったよ」
ホッと一息をつきながらミネアは俺の頭を撫でる。
子供扱いをされてるみたいであまり好きではないが、この行為自体は嫌いじゃない。
「そんなに心配することかな?別に致命傷とか無いんだし」
「それでも普通の人間だったらこれ心配するどころじゃないから」
そう言われると突然ふわり、と体が浮く。
ミネアが魔法で俺の体を浮かせ、そのままふわふわと首の入った袋ごと持ち上げ、そのまま村の方向へと移動を始める。
「このまま連れて行く気か!」
「そうだよー、大人しくしててね」
並の魔法なら無理やり脱出出来るのだが、ミネアの魔法はまず脱出不可能、おとなしくこのまま行くか・・・。
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結局途中でミネアの体力に現界が来て俺は降ろされていた。
そしてついに依頼主がいる村が見え始めた。
「後少しだぞ。もうちょっとだ」
「兄さん・・・私疲れたよ・・」
・・・・しょうがないな、少しおぶってやるか。
「ありがとう」
「村の前までな」
村の前でミネアを下ろし、今回の農民の元へ訪れる。
「これが依頼の奴だよ、恐らく全部倒したと思うから、また何かあったら連絡を」
「あぁ・・・ありがとう。これであの鉱山を再び使うことが出来るよ。生活が出来る」
「これはお礼だ。受け取ってくれ」
「ありがとう。また暇になったら遊びに来るよ」
そう言って村人から少し小さめの木箱と袋に入った金貨を受け取る。
「さぁ帰ろうミネア」
「そうだね兄さん」
「帰ったら、ティータイムと行こうじゃないか」
「え・・・もしかしてその箱の中身って紅茶!?」
そんな他愛のない話をミネアとしながら家の扉を開け、二人でソファに腰掛ける。
「結構、有名な葉なんだ」
「へぇ、兄さん意外とそういうの詳しいんだね」
頷きながら先ほど入れた紅茶を一口。
明日は少し依頼を休んでゆっくりするとしよう。
そう考えながら一人魔法の研究をするミネアに一声かけベッドに入るのであった。






