兄妹たちの始まり
俺の名前はカイム。今年で20歳になる。
今は親元を離れ、妹のミネアと辺境の地で2人依頼を日々受けながら過ごしている。
・・・そんな俺には悩みがある。
何故か分からないが、自分自身の体が16歳位で成長が止まり、精神のみが成熟していくのである。
他にも自分自身の体がどんな事になろうが、少し経てば元に戻る事くらいだ。
家族に同じ症状の者はおらず、俺だけが特異体質で生まれた。
魔法使いの両親から生まれた不老不死の俺と純血の魔力を持つ妹ミネア。俺たち兄妹は両親から愛情を受けつつ育ち自分では、それなりにまともに育ったとは思う。
周りの魔法使い達はミネアの事を大切に扱い、異端児である俺を忌み嫌っていた様・・・全くの赤の他人なので然程気にはならなかった。
全く気にしていないといえば嘘にはなるが・・・。
「どうしたの?兄さん?」本を片手に物思いに耽る僕の顔を覗くかのようにミネア話しかけてきた。
「いや、特に何もないよ。今日もそろそろお仕事にいこうか。」僕はそう答えながら本を机に置き立ち上がり支度を始める。
銀のナイフ 止血帯 魔力の小瓶 ロープ・・・・その他色々な物を身に着け家の扉を開ける。
「今日は少数だけどゴブリンか・・・、気をつけていこう」「うん、わかった!」
そんな事を話しながらゴブリンの巣へと向かう事にした。