一億回レバーを倒した僕、気がついたら最強になっていた?! ~落第賢士の学園無双?!~
僕の名前はアルファ・ブラボー。クラスは賢士だ。
エルフのお母さんとゴブリンの間に産まれたハーフだ。
自分でいうのも悔しいが何の取り得もない凡人で頭もさして良いわけではなく顔も十人並みだ。
魔法も当然、使えない。
おまけにちょっとコミュ症気味のシャイボーイであるからして女の子にはまったくモテない。童貞である。
て、オイオイ。その告白はいらないって? まあそうだよな。ぼくが童貞かどうかなんて誰も興味ないよな。
でも、そんなぼくでも、ひとつだけ自慢できる事がある。
それは野球の才能。
おっと。ファンタジー世界に野球はあるのかって? この世界にはあるんだ。
これでも、けっこう肩には自信があって指も長いから小学生の頃からボール挟んでストンと落ちるフォークボールをバンバン投げまくっていた。
すると、リトルリーグのエースになっていて、いつの間にかファルガバナント王国立野球学院に野球推薦を決めていた。やれやれ……僕は静かに暮らしたいのに。
このときは、すげー調子こいてたんだけど、そんな勘違いの果てに産まれた栄華は一瞬だった。
こういうところの野球部って全国からすげー天才が集まって来るから、その中で僕なんか全然たいしたことなかったと知るのに時間はかからなかった。
ぼくは絶望した。だけど野球推薦が決まったときのお父さんの喜んだ顔が忘れられなくて部活を頑張っていた。だいたい球拾いだったけど……。
でも、そんな僕に何かと絡んで来る奴がいた。
そいつの名前はチャーリー・デルタ。
野球部のエースで180キロ越えのナックルボールを投げるガチムチの天才だ。
そのチャーリーが、ある日の部活の終わりにこう言った。
「てめー来週の日曜にフリーバッティングで勝負すんぞ? 負けたらお前、俺の夜の専属マネージャーになれや」
もちろん僕にそっちの趣味はない。どっちの趣味だと言われても困るけど、とにかく困った事になった。
ぼくは途方にくれながら寮に帰ると、いきなり部屋の中に謎の老婆がいた。
ぼくは幽霊的なものは信じない人なので最初は不法侵入者だと思ってガチでビビった訳だけど、老婆が慇懃なあいさつをして来たので、ほっと胸をなでおろした。
そして、話を聞いてみると壁にいつの間にかはえていたレバーを指差して、こんな事を言い出す。
「その壁のレバーを一回、倒すと腕立て伏せを一億回行ったのと同じ効果を得ることができる」
最初はやっぱこのババア頭イカれてんのかと思って、ためしにいくつか脳トレクイズを出してみたら、即答で全問正解してきた。
このババアの頭はまとも……つまり言っている事は嘘ではないという結論に達した。
そこで、ぼくはちょっと考えてみる。
まずチャーリーに勝つにはトレーニングをしていかんともしがたい実力差を埋めなければいけない。
しかし、どう考えてもやつとの勝負までの一週間では時間が足りない。最低でも10年は欲しい。
しかし老婆の話が本当なら一週間では到底不可能なトレーニング効果を得ることができる。
もしかしたらチャーリーとの勝負に勝てるかもしれない。
だから、これはもうレバーガチャるしかないでしょと思ってレバーガチャした。利き腕の左腕で。
その瞬間だった。
ぶつっ、という何かがちぎれる音がして、僕は左腕をやった。
当たり前だが一億回も腕立て伏せすれば、腕がぶっ壊れてしまう。トレーニングどころじゃすまない。
僕は頭に来て老婆をバットで殴り殺すと衛兵に捕まった。
取り調べで衛兵に、
「なぜ、こんなことをした?」
と、聞かれたので、
「生きる事にも死ぬ事にも特に興味はない」
と答えた。
こうして僕は、チャーリーの夜の専属マネージャーにはなれなかったが、少年院の看守の夜の専属マネージャーとなってしまった。
すべてを喪った僕は最強になった。
あれから何年かの月日が流れた。
出所した僕は巨乳の幼馴染みであるエコー・フォックストロットちゃんと結婚して、畑を耕して暮らしている。
チャーリーとは今ではよい友達だ。たまに目付きが怖いけど。
夢だった野球選手にはなれなかったけど、僕は幸せを掴んだ。
終わり
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