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The Memoirs 9th(回顧録 第9部)「これが、世界の選択か」  作者: 語り人@Teller@++
第六章「魔術師達の閑話」
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第35話①『そして、役者は揃った……かに見えたが①』

 総一郎が失踪した。彼が異空間に飲み込まれたと考えたカーク達は、アレクシアの情報を基に井尾釜市の中央図書館へ急行する。

 一方その頃総一郎は、迷い込んだ異空間である不気味な洋館を一人で探索していた。


第35話①『そして、役者は揃った……かに見えたが①』

32日目

――――――――――――朝。

 ReReRe……! 

 午前6時。カークは目を覚ました。

「ふぁあ……」

 彼がベッドから体を起こすと、窓をトントンと叩く音が聞こえた。

(……)

 カークがカーテンを開けると、そこにはアレクシアが居た。

「っ、アレクシア……」

 アレクシアはカークの姿を見ると、無言で窓ガラスを軽くトントンと叩いてきた。

「ちょっと待ってくれ、玄関の鍵を開けるから」

 カークは窓越しに彼女に伝えると階段を下り、玄関の鍵を開けた。

「おはよう、カーク」

 玄関のドアを開けると、彼女はそこに居た。

「おはよう、アレクシア。……何か用か?」

 カークはアレクシアに尋ねる。

「ちょっと、一緒に来て、欲しい」

「分かった。少し待っててくれ」

 カークは家の中へと戻った。


 その後カークは自室で着替え、アレクシアと共に近くの公園へと足を運んだ。

「で、用は何なんだ? また朝ご飯? それとも、俺に何か忠告?」

 カークの問いに、アレクシアは考え込むような仕草をした後、答える。

「そう、ね。……今日は、どちらでも、無い。こうやって、貴方と話が、したかった、だけ。かしら?」

 アレクシアは近くにあるブランコに座った。

「そうか……」

 カークは彼女の隣のブランコに座った。2人はブランコを揺らす。

「そういえば、パーティーを途中で抜けたみたいだが、何か用事があったのか?」

 カークはふと、昨日のことを尋ねる。

「まぁ……ね」

「そうか」

 2人の間に沈黙が流れる。

「カークの方は、どうだった? あの後」

 今度はアレクシアが、昨日のことを尋ねる。

「ああ。特に、何も無かったよ。さっちゃはあの後すぐ自分の部屋に入っちゃったし、俺も疲れてたんで……寝た」

「そう」

 総一郎とのやり取りを、カークは伏せた。流石に彼女に話すことでもないだろう。

「……」

「……」

 またしても、沈黙が流れる。

 2人の会話は、どこかぎこちない様子であった。まるで、双方の距離感を掴みかねているかのように。

「そういや前、俺に忠告したよな? 『遠くない時期に死ぬ』、だっけか? ……どう思ってる?」

「……えっ?」

 カークの突然の問いに、アレクシアは驚いた。

「Eh? 言いだしたのはお前だろう? あれから、まあ、そんなに経ってない気もするが、どう思う? 俺が死ぬとしたら、どういう原因で死ぬと思う?」

「それは、前に言ったはず、よ? 私にも、どういう風に死ぬのかは、分からない、と。でも、死ぬのは、間違いない、はず」

「はず? その点まで、はっきりしないのか? お前の魔術……をもってしても」

 カークは、アレクシアに対し更に問いかけた。

 彼はアレクシアが魔術か何かを使い、彼自身の未来を話しているものだと考えていたのであるが……。

「そう、ね。……正直、今の状況、私にも、とても、とても、想定外。だから、これ以上は、話せない」

 アレクシアは申し訳なさそうに、カークの問いに答えた。

 その言葉に、嘘の気配は感じられなかった。

「そうか、分かった。すまんな、答えにくい質問をしちまって」

 カークは、アレクシアに謝った。

「ううん。あなたが、謝ることは、ない。謝るべきは、説明できない、私の方」

 彼女はブランコから立ち上がり、カークを上から覗き見る。

 そして、次の言葉を口にした。

「でも、安心して欲しい。あなたに何かあったら、私が、守るから」

 その眼は、真剣にカークの目を見つめている。

「……思えば不思議なもんだな。出会ってまだ、1ヶ月しか経っていないというのに。……どうしてお前はそんなに俺を気に掛ける? こんな、大学を留年してやさぐれてる、俺なんかに」

「……」

 彼の問いに、アレクシアは答えない。

 しかし、彼女は一言、途切れ途切れでない言葉で、カークにこう突きつけた。

「それは、貴方との約束だから」


 その後カークはアレクシアと別れ、家への帰路に着く。

 彼女とは、順調に信頼関係を築くことが出来ている……のかもしれない。

 しかし、カークの疑問は解決せず、謎は深まるばかり。

『貴方との約束だから』

 アレクシアの一言が、カークの脳裏にリフレインする。

(俺との、約束? あいつと俺は、前会ったことがあるのか? ……俺が忘れているだけなのか?)

 自分とアレクシアには、以前面識があった。

 彼女の言葉で、カークはそう解釈した。

 そしてそれが、彼女があんなに自分に対して目を向ける理由。ここまでは彼の頭でも理解できた。

 しかし、どうしても引っかかる。

(うーん、やっぱり思い出せないなぁ。というか、覚えが無い。覚えているのはゆーずぅと小さいころ遊んだことと、ヒノモトに来てからさっちゃと出会ってからくらいだ)

 カークの幼少期~小学生時代の記憶は、譲葉と遊んだことくらいしかない。

 そしてヒノモトに来て以降の記憶は、桜散との暮らしくらいだ。

 そもそも、彼は多くの人間と付き合う性格ではない。そのぼっちぶりは、中学時代にずっと周りの学生と交友が無かったほどの筋金入りだ。高校時代に桜散がやってきてからもこれは変わらなかった。

 当然、小学校時代に米国に居た際も、金髪幼女との付き合いなどは無かった。

(もしかして、あの『デジャヴュ』と……何か関係があるのか?)

 アレクシアの態度と、今自分の身に起きている出来事について、カークが訝しんだそのときだった。


 ppp……。

 カークのポケットから振動がする。立ち止まって、携帯端末を確認する。

(これは、総一郎?)

 総一郎からの電話だった。

「もしもし? カークだけど。総一郎か?」

「はい! おはようございます。早朝から、失礼しますね」

 カークが電話に出ると、総一郎は挨拶してきた。

「うむ。で、用件は何なんだ?」

 カークは総一郎に、用件を尋ねる。

「はい、それなんですが、魔術や異空間について、もっと詳しく教えていただけませんか? 先日のこともあって、僕もちょっと興味を持ちまして」

「え、興味? おいおい、止めといた方がいいと思うんだが……」

 カークは思わず苦い顔をした。

「僕も、皆さんの役に立ちたいんです。カーク君は僕と譲葉さんの問題を解決した恩人ですからね。君達が人知れず危険を冒して戦っているのだとしたら、僕も何かできることが無いかなと思いまして」

「そうか……」

 総一郎の真摯な言葉に、渋るカークの心は動かされた。

「なら、行方不明事件についての情報を探ってくれないか? それなら流石に危険もないだろうしな。……頼めるか?」

 カークは総一郎に、行方不明事件の情報を調べるよう依頼した。

「っ……! はい! 分かりました。僕の家の方で、できることをやってみます! それでは、よろしくお願いしますね」

 総一郎は、カークからの依頼を嬉々として引き受けた。

「OK。これからもよろしくな」

「はい。それでは、失礼しますね」

「おう、またな」

 通話を終えたカークは再度、家路につくのだった。


 カークが家に帰ると、李緒が朝食を作っていた。

「あら? 帰って来たのね?」

 リビングに入ってくるカークを見るや否や、李緒は声を掛けた。

「あ、母さん、ただいま。朝ご飯、何?」

「鮭の塩焼きよ。大根の味噌汁もあるわよ。そろそろできるから、桜散ちゃんを起こしてらしゃい」

「分かった。起こしてくるよ」

 カークは階段を下りて2階へ向かった。


 カークが2階に上がると、ちょうど桜散が部屋から出てきたところだった。

「おはよう」

「ああ、おはよう。カーク」

 朝の挨拶を交わす2人。

「珍しいな? さっちゃが寝坊するなんて」

「昨日のパーティで、ちょっと疲れたからな。今日は日曜日なんだから、別に遅くまで寝ていてもいいだろう?」

「……そうだな。昨日はあの後そのまま寝たのか?」

 カークは尋ねた。

「ああ。……お前もそうだろう?」

 桜散の問いに、カークは首を縦に振る。

 ……実際は夜中に総一郎に叩き起こされて幼馴染談議に付き合わされたのだが、それは言うまでもないとカークは判断した。

「そうか」

 桜散はカークの反応を見て、一言呟いた。

 その声色を見る限り、カークの回答に疑いを持っていなさそうであった。余程疲れて熟睡していたのだろう。

「で、階段を急いで上がってくるとは、何か私に用か?」

「母さんからの伝言。朝ご飯できたってさ」

 カークは彼女に、朝食が出来たことを伝えた。

「分かっている。今日は焼き魚だろう? 匂いで分かる。今から下に降りる所だった」

「OK。じゃあ俺は先に下りてるから、早く来てくれよ?」

「分かった」

 2人は会話を打ち切り、1階へと降りて行った。


 カーク達が朝食を食べ始めてすぐに、李緒はリビングから出て行った。

 なので今の家は、カークと桜散の2人きりだ。

「そういや、昨日はたっくさん食べたなぁ。ちょっと胃がもたれてるぜ……」

 鮭の塩焼きとご飯を口に運びながら、カークはお腹を軽くさすった。

「そうだな……正直、今はこういう素朴な食事で助かる」

 桜散は食べ物をもごもごしながら喋るカークを特に咎めるようなこともなく、静かに味噌汁を啜った。

「あ、そういやぁ」

「ん? 何だ?」

「さっき総一郎から電話がかかってきてさ。あいつ、魔術や異空間に興味があるんでもっといろいろ教えてほしいって言ってきたんだよな。何でも自分も俺達の役に立ちたいんだとさ」

 カークは、先ほどの総一郎とのやり取りを桜散に伝えた。

「そうか。で、どうなった?」

「あいつに行方不明事件の情報を調べてもらうことになった。調べるだけなら危険もないだろうしな」

「なるほどな。……本当はあまり巻き込むのは得策ではないだろうが、異空間探しに関しては行き詰っている感もあるし、人手は多い方が良い、か。お前の言う通り、危険なことはさせないようにしつつ、な」

「ああ」

 2人は、ほぼ同じタイミングで味噌汁を飲み終えた。


――――――――――――。

  ゴールデンウィークが終わってからの数日は、特に何事もなく過ぎて行った。

 カークは総一郎から提供された情報を基に、SNSから異空間の出現情報を探す。

(あ、あった……)

 するとついに、異空間の入口らしきものが写った写真を何枚か見つけだすことに成功。

(総一郎、情報収集うめぇな……)

 総一郎に依頼したのは正解だったと感じたカーク。

 早速全員の予定が空く週末に探索をしようと、連絡して準備していたのであるが……。



37日目

――――――――――――朝。

「おい、朝だぞ。カーク」

「うーん……」

 耳元から聞こえる桜散の声で目を覚ましたカークは、体を起こす。 

 と、同時に、凄まじいだるさに襲われた。

(Ugh……風邪引いたか? 心なしか、身体がすごいだるい。喉痛いし、寒気もする……)

 全身から来る倦怠感、そして喉の痛み。とはいえ、大学には行かねばならない。

 カークは体を起こし、朝食を食べるべく1階へと降りた。


「さて、行くか」

 カークは服を着替え、外へ出ようとする。すると。

「おい、カーク。荷物、忘れてるぞ?」

 カークの肩を、桜散の右腕が掴む。

 彼が振り返ると、彼女の左手には鞄がぶら下がっていた。ちなみに桜散は、自分の荷物をリュックに入れて背負っている。

「あ、すまね。ありがと、さっちゃ」

 カークは荷物を受け取った。

「ふん。私が居て良かったな」

 桜散はぶっきらぼうな口調でそう言うと、カークの横を通り過ぎる。彼もその後を追った。


――――――――――――昼。

 昼休み。カークは桜散と共に、昼食を取るべくキャンパス内のメインストリートを歩いていた。

 カークの身体のだるさは治ることが無く、むしろ悪化しつつあった。講義中は迫りくる眠気とだるさに対しお茶を飲みながらなんとかしのぐという有様。今も身を震わせながら歩いている。

「大丈夫か? カーク」

 そんな彼の様子を心配そうに見守る桜散。

「いや、駄目かもしれない」

 身体のだるさを前に、弱気になるカーク。

 しかし、午後も3限目に講義が入っているのだ。まだ、帰れない。

 更にそんな2人の前に……。

「24日のデモへの参加、よろしくお願いしまーす!」

「ご協力、よろしくお願いしまーす!」

 経済学部自治会の演説活動だ。1組の男女が、メインストリートを通る学生達に反政権デモへの参加を呼びかけている。以前、カークが会ったのと同じ2人組だ。

 カークはメガホンを介して響く彼らの声を聞き、思わず舌打ちした。

 桜散もそんなカークの様子を見て、思わず苦い顔をした。

 全くもって、うかつであった。昼のメインストリートは避けようと考えていたのに、身体のだるさに意識が向いてしまい、すっかり抜け落ちていた。

 2人組はその後、今の政権が抱えている問題や、原発再稼働のリスクについて、力強い声で語りはじめた。

 憂鬱な気分になりながら、カークは足早に食堂へと向かう。

 桜散も、そんなカークの姿を複雑な面持ちで追った。


「Ah……だめだ……」

 カークは昼食を食べ始めるも、そのペースは遅かった。食欲が無いわけではないが、喉が痛いので、食べるのに一苦労しているのだ。おまけに鼻が詰まっていて嗅覚が機能不全。

 普段美味しく食べている好物も、この日は美味しく感じることはできなかった。

「帰りに病院へ寄ろう。私も一緒に行く」

 先に昼食を食べ終えていた桜散は、心配そうな様子でカークを見つめている。

「ああ、そうさせてもらうよ。悪いなさっちゃ……」

 カークは桜散の提案を、申し訳なさそうに受け入れた。


 pppp……。

 2人が昼食を食べ終えたところで、カークの携帯端末が振動した。彼はメールを確認する。

『件名:総一郎君知らない? 本文:総一郎君、講義を欠席したみたい。何か知らないかな?』

 メールは譲葉からだった。

「あいつ、ここの大学に通ってたんだな」

「ん? 何のことだ?」

 彼の呟きに対し、桜散は尋ねた。

「あ、それがさ。今ゆーずぅから、総一郎が講義を欠席したってメールが来て、それでさ、総一郎がここの大学に通ってたんだな、って思って」

 カークは桜散に、呟きの意味を説明した。

「ああ、そうか。何だお前、知らなかったのか?」

「いや、知らなかった。いつ教えてもらったんだ?」

「そうだな。……ゴールデンウィーク中に外出していた時に偶然会ってな。そのとき、彼が言っていたんだ。どうやら譲葉ちゃんと同じ経済学部で、今年入学したらしいぞ?」

 桜散はカークに事情を説明する。

「なるほどな。道理で俺が知らない訳だ」

 総一郎と桜散が自分の知らぬ前に交流を持っていたことをカークは知り、1人納得した。


 その後、カークは午後の講義を何とか乗り切った。

「U、Ugh……」

 しかし、講義を終えて教室を出たところで遂に限界に達してしまう。

 彼は講義棟のホールにあるオレンジ色のベンチに寝転び、そのまま動けなくなってしまった。

「おい、カーク、カーク! 大丈夫か!?」

「Uh……Eh……」

 ベンチで横になっているカークに呼びかける声。

 彼が目を開けると、そこには自分を見下ろす桜散の姿があった。

「ようやく気付いたか。ちょうど私も講義が終わったところだ。病院行くぞ」

 桜散はベンチに横たわるカークの身体を起こした。

「すまねぇ……さっちゃ」

「気にするな。……立てるか?」

「ああ、大丈夫だ」

 カークはベンチから立ち上がり、桜散の手を取る。

「それじゃ行こうか」

「ああ」

 そして2人は、大学から近くの病院へと向かったのだった。


――――――――――――夜。

「ほら、できたわよ。おかゆ」

 李緒はテーブルの上に、おかゆが入った土鍋を置いた。

「ありがとう、母さん。いただきます……」

 カークは李緒にお礼を言うと、おかゆを食べ始めた。

 あれからカークは桜散と共に病院に行き、薬を貰って帰ってきた。

 そして今、李緒におかゆを作ってもらっている。

「今日は早く寝た方が良いぞ? 無理しない方が良い」

 おかゆをゆっくり食べるカークを見ながら、桜散は彼に忠告した。

「そうね。桜散ちゃんの言う通り。風邪は引き始めでの対処が肝心よ?」

 桜散の言葉に、李緒も同意する。

「分かってるって。……Ouch!」

 カークは2人の言葉にうんざりしたものの、舌の熱さでその気持ちも吹き飛んでしまい、もはや目の前のおかゆを食べるので精一杯だった。

 その後彼は病院で貰った薬を服用し、いつもより数時間早く眠りに就いた。


――――――――――――深夜。

 ppp……。ppp……。

 桜散の部屋に、携帯の音が鳴り響く。

「……こんな遅くに誰だ?」

 着信音で目を覚ました桜散は、電話の主を確認。そして、通話に出た。

「もしもし、桜散だが? 譲葉ちゃんか?」

「あ! 桜散ちゃん。こんばんは! ごめんね? こんな夜遅くに」

 電話は譲葉からであった。

「構わないさ。で、用件は何だ? 何か、困ったことでもあったのか?」

 桜散は電話を掛けてきた理由を尋ねた。

「それなんだけど、あの、総一郎君がさ、昨日の夜から家に帰ってないみたいなの」

「……何?」

 電話越しに出た思わぬ話に、桜散は驚く。

「うん。さっき総一郎君のご両親からこっちに電話がかかってきたの。桜散ちゃんは何か知らない?」

「知らない。それより、大丈夫なのか? 彼は」

「分からない。それでなんだけど、総一郎君、もしかすると……」

 譲葉は桜散に、総一郎の行方について、ある可能性を示唆する。

「……まさか」

 譲葉の言葉に、桜散は思い当たる節があった。

 彼はカーク達に、異空間について情報提供をしたいと申し出ていた。

 もしかすると異空間を探した末に、そこに迷い込んでしまったのかもしれない。

 桜散の脳裏に、この可能性が思い浮かんだ。

「桜散ちゃん?」

 突然黙り込んでしまった桜散に、譲葉は心配そうに尋ねた。

「いや、大丈夫だ。……明日は土曜日か。そうだな、一度集まって状況を整理したい。それでいいか?」

 桜散は譲葉に、明日集まることを提案する。

「分かった。集まるのは、私の家でいいかな?」

「ああ、それで構わない」

「おっけー。アレクシアちゃんにも、連絡しておくね」

「ああ、頼んだぞ」

 2人は通話を終えた。

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