俺の妹が美少女過ぎた件について
「.......っ!?!?!?!」
言葉を失うとはこの事だろう。
16年生きてきた人生の中で最も驚いた。
店の中に入って目に付いたのが身長が150cmほどの黒髪でショートカットの制服を着た美少女。
そしてあたりに目をやると、コスプレをした女の子達
(制服やらメイドやら意味わかんないアニメっぽい奴、動物のコスプレまで)
俺の存在に気づいたその美少女は一瞬ハッとした顔をみせ
「何勝手に入って来てんのよ」
だ…
こんな美少女を俺は今までテレビの中でしか知らないし、こんな変な格好をしてる人間を見たことなんてないし
何よりお店の中に入って来て
ナニカッテニハイッテキテンノョ
こんなびっくりすることは無い。
俺は唖然として次の相手の言葉を待っていた
いな待っていたというより
待っているしかなかった。
「………」
ただ立ち尽くし唖然としてる俺にその美少女は。
「そこにいても邪魔だからとりあえず入れば…」
ソコニイテモジャマダカラトリアエズハイレバ
「.....」
またもや唖然とする。
ソコニイテモジャマダカラハイレバ
この美少女から発せられる言葉は全て呪文のように聞こえた。
少しの間をおいて考える
来店した客に対しそこにいても邪魔だから入れば?と言うお店がどこにあるんだ。
そんな接客の店なんかあるわけないのだ。
俺はそう考え、店を後にしようとする。
と、驚いたことにその生物は俺の袖をクイッと引っ張り。
「帰っちゃうの?ごめんね…お兄ちゃんが来て恥ずかしくて…それで…」
と言うのだ。
カエッチャウノ?ゴメンネ…オニイチャンガキテハズカシクテ…ソレデ…
カエッチャウノ?ゴメンネ…オニイチャンガキテハズカシクテ
ゴメンネ…オニイチャンガキテハズカシクテ
ゴメンネ…オニイチャンガキテ
オニイチャンガ
お兄ちゃん!?
俺の妹!?
そうえばこの店に入った瞬間この美少女は、はっ!としてから
何勝手に入って来てんのよ
といった
黙っているおれに
そこにいても邪魔だから入れば
といった
そして俺が帰ろうとした途端
帰っちゃうの?ごめんね…お兄ちゃんが来て恥ずかしくて…
といった
つまり
俺はこの子の事をまったく知らないが。いや覚えていないが。
何かの拍子で俺とこいつは別れたんだ。
そして向こうは俺の事を知っていて。
俺が急に自分の働いてる店に来たもんだから少しビックリしたんだな。
そーだよ!だって学校にお袋や親父が来たら嫌だもん。
俺が逆の立場だったたら多分照れると思うしな。
そうか。それであんなこと言ったのか…
状況を理解した俺は気持ちを切り替えて。
「帰んないよ」
「…えっ!?」
「そんなに恥ずかしがらなくたっていいじゃん!確かに久しぶりの再開かも知れないけど兄弟ってさ。離れてても心では繋がってると思うんだ!だから怒ってないし帰りもしないよ!」
妹は少しビックリした顔を見せたがその後。顔を赤くして。
「う、うん…ありがと」
照れてる
めちゃくちゃ可愛いなぁ
「それより早く座らせてくれないかな?もう疲れちゃって」
「うん」
ふぅ…
こんな感じかな
妹を悲しませるなんて兄貴じゃねえぇもんな
それにしても俺にこんな可愛い妹がいたなんてな!
後で龍に自慢してやろう。