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7 街造り

 夏が来る頃にはあれほどただっ広かった家の周りに幾つもの建物が出来ていて少し狭く感じるほどだった。

実際は家と家の間は十分に空いていて高級住宅地の様だったんだけど、以前が広すぎたからね。

そして住人が20人に増えています。

ただ、新しい人達は全員前世持ちの魔法使いさんばかりで子供は私とチェリちゃんの二人だけです。

魔法使いさんは若返る前は70を超えたお爺ちゃんお婆ちゃんだったので、私達二人をとても可愛がってくれます。

チェリちゃんと私はとても仲良しになりました。

もう大親友です。

引き籠って居た時こんな友達が居たならば、無理してでも学校に行っていたかも。

ぼ、ぼっちとは違いますよ。

普通の友達は居たから。

 「友達が居なかったから、友達になってくれて嬉しい」

と、チェリちゃんに澄んだ青い目を向けられた時、私は嬉しくて凄く恥ずかしかった。

ご免なさい、見栄を張りました。友達ってクラスメイトって名前のお友達です。

遠足の組み分けの時グループがすぐに決まらなくって後から先生に適当な組に押し込まれるタイプでした。

グループ分けされない時は一人でお弁当を広げてました。

一人の方が好きな所に自由に行けて楽と言いながら本当は寂しかったんです。

小学校低学年の頃は居たんですけどね~、友達。

 高校1年生だった私と小学校6年生だったチェリちゃんは4歳も歳が違うけど私が少し子供っぽい分チェリちゃんが大人びていて背も高いので年齢が逆転して見られる事もしばしば。

11歳なのにナイスバディーだし・・・・。

ど、どうせ幼児体型ですよ~。シクシク・・・・。

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 ところで、チェリちゃんのお祖父ちゃんの征一さんは凄い魔法使いなんですよ~。

新しい建物は全て征一さんの土魔法で作られた石造りです。

石は何処から持って来たのかと言えば私達の家のある元分譲地開発の成れの果ての広々とした空地の下から掘り起こされた土です。

でも今はもう土じゃありません。

叩けばカンカンと音がするほどのガッチリ固い石になっています。

色は砂岩っぽい茶色で景色に溶け込んでいてオシャレでモダンです。

一見石を積み上げているように見えるけれどコンクリートのように一体になっていて柱の無い広々空間が可能です。

道も少し色調の違う焼き物っぽい煉瓦の様な舗装が施されていてウットリするほどオシャレな町になっています。


 家の内装は皆が協力してやりました。

さすがに魔法、ハンパ無いです。

山から木を切り出し運んでくるのに音も無く、寸法にカットされた木がいつの間にか積み上げられています。

木から水分を抜いて乾燥させるのも魔法だと一瞬です。

あっという間に材木の出来あがり。

征一さんは今世は大工さんだったので家作りはお手の物です。

「さすがに魔法が無ければこんなに早くは出来ないけどね」と笑って言います。

「それに、前世の時とは比べ物にならない程魔素も濃いので作業が凄く楽です。大昔はこんなに楽々と魔法を使ってたんですね~」

家作りを見るのは初めてなのでこんな物かと思っていたけど魔法が凄いのだそうです。

出来あがった家は断熱材も入れて無いのに断熱されています。

魔法世界ではそれが当たり前だそうです。

外気温や湿度など、外部環境がどうであれ中は等しく快適で、必要ならば防音も施せます。

ただ、周囲の自然の音や生活音を不快に思う人が居なかったのでそこまではしないと言ってました。

完全防音にすると結界を突破して来る魔獣に襲われた時、気づくのが遅れて危険だからと、征一さんは前世知識を披露してくれました。


 家作り、街造りに使われた土を大量に抜かれた地下ですが、それも土魔法でガッチリ固めて崩落が防がれている大きな空間になっています。

結構な大空洞が出来あがっているのに天井を支える柱の一本も必要無いのだそうです。

魔法って科学や物理法則に真っ向から喧嘩売ってません?


 ところで、忽然と森の中にこんな町が出来て近所、と言っても一番近くの集落でも何キロも離れてますが怪しまれないのだろうかと思っていたら小夜さんが前世の支配地だった森に仕掛けてあったものと同じ『迷いシステム』なる魔法を掛けてあるのだそうです。

ここへはもうこの町の住人と招かれた人しか入れなくなったとか。

宇宙から見る事さえ出来なくなっているのだそうです。

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