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78 前進

 出来ました。

『魔法特許庁』と言う名前になりました。

もっとも特許が認められるのは術式関係だけで、新魔法が出来ても原則特許としては認められません。

この件で表に出る事になったのは小夜さんです。

魔法使い嘉門小夜として『魔法使い協会』を立ち上げました。

そして、政府との色々な折衝により、このまま技術が秘匿され続ければ社会的な歪みに通じ、破綻が起きるという事も理解してもらいました。

政府としても魔法学校に講師として本物の魔法使いを招く事が出来ます。


 政府との話し合いは総理官邸への無断侵入と言う形で始まりました。

魔法少女である私も参加です。

もう一人興味津々で付いて来たのは大魔女様。

麗しい素顔を晒しての魔法少女姿です。

魔法があればセキュリティーをかいくぐる事は簡単。

総理大臣その人の前に転移で現れました。

総理大臣は凄く驚いていましたが私の姿を見て何故か歓声を上げていました。

世間で噂されているように、オタクなんでしょうか?


 それから、小夜ちゃんと総理大臣の話し合い。

総理大臣は話の中に素晴らしい未来のビジョンを見たようです。

なにしろ、エネルギー問題、国土汚染問題に加え、魔法がやって来たために魔法と魔獣関係等頭の痛い問題が山積しているのですから。

小夜ちゃんとの話し合いの後、総理大臣は何人かの人を電話で呼びました。

その人達が来た時、私は総理大臣に魔法のレッスンをしていました。

随分若い総理大臣だと思っていましたが、若くなっているのだそうです。

魔力も結構大きいので手を取って優しく飛行魔法の御稽古です。


 「太一!ずるいぞテメエ!」

入って来た人の一人が言いました。

「魔法少女ちゃんと手を取り合って何してやがる!」

「わーはっはっはっ」総理大臣は空中に仁王立ちして胸を逸らします。

「どうだ、俺はもう空を飛べるんだぞ」と得意気。

子供ですか。

これが、我が国の一番偉い人?

キーキー悔しがっているのはたしか幹事長とかいう偉い人だったよね?


 そして、新たにやって来た人達も魔法がどれほどの事が出来るのかチラリと見せられただけで納得しました。

これを野放しにしたり無視すればどれほどの損失になるか、そして危険かと言う事を。

そして、口ばかりで弱腰と酷評されていた現総理大臣青山太一が超党派の議員を募って強権を発動。

もちろん、自ら飛んでみせると言うパフォーマンスも取り混ぜて。

利権を狙う汚れた政治家や利益を独り占めにしたくて汚い手を画策する者達も多かったのですが、まず一歩を踏み出さねばいつまで経っても利権に辿り着けないと思ったのか意外にも反対が少なかったです。

日本は魔法国家として大きく一歩前進しました。


 『魔法特許庁』は、グローバルな組織になる予定です。

魔法の術式について、魔法文字についてのバージョンが『魔法少女の魔法教室』で発表されると『魔法特許庁』は次々と他の国でも認められる事になりました。

もっとも、発祥が日本と言うだけで頑なに認めない国もありました。

認めなければ『魔法特許庁』の術式が見られない訳ではありません。

そう言う国も、認めている国でその国の住人を使って見る事が可能です。

けれど基礎の術式だけだと全く発展がありません。

有料術式は効果の説明だけしか表示されず、契約を交わしてから術式が渡されると言うシステムです。

魔法自体を認めて無ければ無料の術式を発動させる事も無理かも。

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