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6 神隠し

 雨が降り続いているので座学です。

そろそろ梅雨に突入かな~?

 「まずは魔素を感じるところから始めるのだけど、麻代ちゃんはとっくに感じているわよね。

今までの空気と違うと由紀ちゃんに相談してたでしょう?

それを聞いたから麻代ちゃんをすぐに保護しなくちゃって少々強引な手で来てもらったのよね。

ゴメン、現代の神隠し騒ぎになっちゃって」小夜さんはちょっと気まずそう。

はい、私神隠し騒ぎの主人公です。

同じく神隠しだと思われても当然の宗市さんは老人だったせいか、寝たきりになりかけていたとは言ってもまだ動けない訳でも無く家出や徘徊による迷子だと思われていたのか、失踪による騒ぎにはなって無かった様だ。


 私の場合はかなり異様だろう。

だって、中から完全に鍵が掛けられた部屋の中から忽然と消えていたんだから。

無くなっている物も所持品すべてを両親が把握している訳でも無いから判らないと思うけど、パソコンが無くなったのは分かるだろう。

靴は通学用の革靴を含めて全部親に買ってもらった物だから一足も無くなっていない訳で私は部屋の中から忽然と消え失せたという事になる。

内開きのドアの前にはバリケードを築いていたので、一旦室外に出てからバリケードを築き直すなんて出来ないのだ。


 ママは私が消えた事に暫くは気付かなかったみたい。

ご飯は引き籠って最初の内は作ってくれていたけれど私がこっちに来る暫く前から見せしめの為か作ってくれなくなっていたのでなおさら気付かなかったと思う。

パートをしているママが留守の間にコンビニに行ったりシャワーを浴びたりしていたのよね。

私の気配が全然ない事に気付いたのはパパ。

でも、休日になってからだから一週間近く経ってたと思うわ。


 行方が分からなくなってから警察沙汰になって、報道もされて、今はネットで話題にされてます。

異世界にでも落ちたんじゃないかとさえ言われているのよ~。

ラノベの主人公じゃ無いってば。


 でも、此処は異世界では無いものの異界ではあると思う。

だって、多分この世界に無いはずの植物が茂っているのよ。

緑の魔女と呼ばれていた小夜さんが地球の植物を変質させて作りました。

魔素濃度が下がってしまっていた前世の世界に比べて物凄く魔素が多くて、つい調子に乗ってやり過ぎちゃったといたずらっ子みたいな顔で笑ってたけど由紀ちゃんにもう少し手加減しなさいと叱られてました。



 ところで、宗市さんが来た後にもう二人魔法使いさんが増えました。

一人は普通の日本人の顔をした人だけど、もう一人はちょっとハーフっぽい顔立ちの女の子でした。

男の人は平凡な顔立ちだけど女の子はかなりな美人さん。

う、羨ましくなんか無いんだからね!

女の子は大人っぽい顔立ちだけど多分私より年下。

中学生くらいかな~?もしかしたら小学生かも知れない。


 男の人は村田征一さん、76歳。

かなり初期に魔法使い狩りに逢った犠牲者で、能力は土魔法。

戦いのための攻撃魔法よりも文字通り建設的な事にしか力を使っていなかったから、同僚の魔法使いとは呼ばれない程能力の低い技術者にあっさり殺されたらしい。

「彼が嫉妬していたのは知っていたんです。

魔法使い級は報酬も段違いに多いですから。

魔法使いの肉を食えば魔法使いに成れるとでも思ったのでしょうかねぇ」

魔法使い狩り初期ゆえに何故殺されたのか知らなかった征一さんは、その事を知らされてガックリと力を落としているようだった。


 女の子は征一さんの実のお孫さんで、結婚の遅かった征一さんが40歳を過ぎてから授かった一人娘の子供だ。

国際結婚でお父さんはアメリカ人。

ただ、娘さんは交通事故で10年前に亡くなり、父親の再婚相手との折り合いが悪く祖父である征一さんを頼って5年前から同居していた。

村田チエリさん。チェリって呼ばれているそうだ。

魔力は結構あるみたいで、それを由紀ちゃん達魔女コンビに保障されてお祖父さんの征一さんはほっとしているようだった。

そうだよね、魔法使いの能力を嫉妬されて殺されたんだから孫に加害者と同じ負の感情を抱かせたくないよね~。

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