表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/146

67 外伝9 コンビニ店員のその後

 生活魔法、出来るようになりました。

少女の会計を済ませている間に、汚れたレジの汚れやシミの解析が出来てそれを除去してました。

俺、魔法の天才じゃね?

なんて、自惚れたのも一瞬、目が覚めたのか転がっていた強盗が脱兎のごとく逃げ出そうとするのに、おもむろに、そんな物がとても入りそうにないポシェットからスルスル長い綺麗な杖を取り出した少女が、パリッ。

電撃を飛ばされて感電したのか強盗は再び床に転がってヒクヒク。

あ、俺って凡人だったんだと思った。

再び少女は長い杖をポシェットにスルスル。

俺の目に気付いたのか「ん、空間魔法」と、事も無げに宣われました。


 その後、警察が来て強盗を逮捕。

数軒のコンビニ強盗の犯人でした。

まあ、ケチな魔法だから全て未遂でしたが。

あの女の子の事は警察と一緒に見た防犯カメラの映像に映っていなかったので口を閉ざしておきました。

俺一人が水魔法で強盗を撃退、お掃除魔法もやっちゃったみたいに映ってるんだから。

若いお巡りさんから魔法が使えて凄いと羨ましがられました。


 数日後、俺の前に死んだと言われていた母が現れました。

コンビニ強盗撃退のニュースが流れ、俺の指輪を見た母が訊ねて来たのですが、とんでもない事実も発覚しました。

母はとある大企業の創業者一族の跡取り娘で、父とは無理矢理引き離され実家に連れ戻されたのだそうです。

父はその後俺を連れて引っ越して姿をくらましたのでやっと父との結婚を大反対していた祖父さんが死んだ後探したのだけど判らなかったとか。

父としては俺まで向こうに奪われたくなかったからのようです。

母が連れ戻されたのは母の兄である本来の跡取りが家族と共に飛行機事故で亡くなったからだそうです。

 父と引き離された母は祖父さんが用意した別の相手との結婚を断固拒否。

無理に結婚させるのなら自殺すると宣言までして回避してきたとか。

母は俺の事は内緒にしていたようです。

父と母は正式な結婚をしていませんでした。

駆け落ちのため、籍を入れる事が出来なかったと言うのが正しいのだそうだ。


 両親が正式な結婚をしてない事は知ってました。

父が未婚の父で戸籍に母の名前が無い事も知っていました。

でも、それは籍を入れるより早く母が亡くなったからだと思ってました。

この戸籍のせいで就活に失敗したのかも知れないなと思いましたが両親を恨む気にはなれませんでした。

父が母の事をとても愛していて母の小さな写真をとても大切にしていたのを知っていたから。

ハンサムでよくモテた父が死ぬまで周りにかけらの女っ気も無かった事も知ってます。


 母が現在大株主をしている幾つかの会社が俺が就職失敗した会社だと言う事を知ってつい笑ってしまいました。

そのどれかに入社できていたら母とももう少し早く会えたのかも知れません。

俺は若い頃の父にそっくりなのだそうだから母に見つけて貰えたかも知れない。


 俺は母に引き取られ、大株主をしている会社のいずれかに入る事が決定しています。

中の一つの会社の重役の息子が俺の大学の同期なんだけど、嫌味な奴だったよな~。

俺が軒並み就活に失敗したのを知って鼻で笑っていたっけ。

あいつは、その会社に就職したけど、俺を見てどう思うんだろう。

母さんは俺をいずれ、どこかの会社の社長にするつもりらしいけど。

でもまあ、憧れの正社員になれるのが嬉しい。

スーツを着て毎日朝から会社に通えるなんて夢のようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ