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36 弟子入り?

 実は治癒魔法、治癒を受ければその感覚を覚えてすぐにでも使えるようになります。

でも、それで満足しちゃったりしては他の魔法が疎かになります。

だから、遠回りでも基礎から積み上げていった方がより巧みに使えるし、他の魔法も派生的に覚えるでしょう。

すぐに使えるようになった基礎の無い魔法はそれこそ砂の上に建てたお城の様な物。

上がどれほど立派でも脆い物なのですから。


 私が雷魔法を教えた兵隊さんは、家事がしっかり出来ていました。

実は彼は若い内に一度結婚していましたが離婚。

子供も一人居たのですが元奥様に取られてその養育費だけを払って面会も許されないと言う境遇で、結婚に懲り懲りした彼は一人暮らしが長いのだそうです。

簡単な指導で生活魔法をかなり習得してしまいました。


 「あ、あれ?気のせいかな。

繊維に潜りこんでいる粒子の様な物が見えた?」

チェリちゃんの解説で大人しく洗濯を続けていたデイビス君が声をたてた。

「あ、私も見えるわ~。

これが解析魔法ね?うわーーーー、汚れってこんなになってるんだ~。

一体化してるんじゃ無く、ただ混ざってるだけ」

「そう、その汚れの部分を引き剥がせば良いのよ。

それが出来たらもう水を使って洗う必要も擦る必要も無いの」

「うん、出来た!」と、チェリちゃん。

手には真白く洗い上がったスニーカーとシャツがあります。

シャツはまだ洗って無かったので新品のまま、汚れる前の状態です。

スニーカーは水や洗剤さえ引きはがされてすでに乾いてます。


 「え?え?え?どうやって??」

狼狽えるデイビス君。

「えへへへ~、解析魔法は負けたけど、洗濯魔法は私の勝ち~」

得意そうなチェリちゃん。

悔しそうなデイビス君。

天才大学生なんだから、中学生の女の子にライバル心燃やしても~。

「デイビス君、剥がそうと思えば良いのよ。

もう、デイビス君には出来るわよ」

「あ、本当だ!排除しようと思っただけで汚れがボロボロ外れて行く」

「はい、これで掃除洗濯の魔法のレッスンは終り。

後は身の回りの物から汚れを取って見ましょう。

ただ、染色された物の染料を汚れと間違えないようにね。

染色された物は粒子が規則的に並んでいるから分かるでしょ?

シミも似た様になってるけど、その見分け方を練習してね。

うっかり余計なものを剥がしちゃった時は私の所に持って来て。

復元してあげるから。

でも、復元も直ぐに自分で出来るようになるから」


 そんなこんなで、魔法学校は何とか動き始めました。

一応小夜さんがカリキュラムを作ってくれていますが、かなり大雑把で教える順番しか書かれてません。

小夜さ~ん、私ってばただの女子高生だったんだよ~。

確かに魔法はデイビス君より早く始めたけど、大学生のお兄さんに先生なんて呼ばれると恥ずかしいです。

今回も、チェリちゃんが生活魔法を覚えようと一緒にやってくれなかったらきっと失敗している気がします。

今はデイビス君一人だけど、この先生徒が増えたらどうしよう。

まあ、基礎が済めばそれぞれ集中的にやりたい属性の得意なベテラン魔法使いさんに弟子入りの様な形で学ぶんだろうけど。

って、デイビス君って治癒魔法をやりたいんだったっけ。

つまり、私に弟子入り?


 「デイビス君、今日は半日も冷たい沢水に触れてたから、水の魔法に目覚めて無い?」

うん、せめて攻撃魔法は水系統でも覚えて貰いましょう。

「え?そんな事で魔法を覚えられるんですか?」

「そうらしいわよ~。

火とか水とか土とか、とにかく触れる事で理解が深まって属性魔法が使えるようになる事が多いって。

私は土。

別に土遊びが好きって訳じゃ無くってお祖父ちゃんの土魔法に憧れたから。

憧れも上手になる秘訣ですって」

チェリちゃんが説明してくれます。

「ちなみに麻代ちゃんは雷。

子供の頃に感電した事があるんですって」

「感電か~、僕も感電した事があるな~。

雷って、カッコいい。僕も雷魔法が使える可能性があるのか~」

ひええええーーーー、藪蛇だ~~~。

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