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10 お掃除魔法を習得しました

 「酷いトラウマになったらどうするの!」ガミガミと誰かを叱る由紀ちゃんの声。

あ、由紀ちゃん戻って来たんだ~、と夢うつつに思う。

「大丈夫よ~、魔法使いにトラウマなんて無いわよ~、私だって師匠に何度崖の上から突き落とされたものか」

あああああーーーーー!

思い出した!

私空から落とされて思わず居間のソファーを思い浮かべて転移したんだ~。

そして、ぺちょりとお尻が冷たくて・・・・。

いやあああああーーーー!

私は飛び起きて傍に居る由紀ちゃんに抱きついた。

「由紀ちゃあん、私もうお嫁に行けないーーーー!」

高校生にもなってお漏らしするなんてーーーー!

「あ、そこなのね」小夜さんが呟きます。「トラウマは無いみたいね~」


 「大丈夫よ、寝室に運んだ時にこっそりちゃんと着替えさせてあげたし、私達しか知らないから」と、小夜さん。

「ううう、だって居間のソファーにべちょりと・・・・」

ソファー!思い出しました!!

今は小夜さんと由紀ちゃん、私の3人しか住んで無い家だけど、時折集会や話し合いに使われる居間だから、バレルよきっと!


 拭かなくっちゃ!!

私は大慌てで寝かされていたベッドを飛び出して居間に走って行った。

うわーーーー、シミになってる。

だって、白っぽいスウェードのソファーなんだもの。


 お掃除!洗っちゃう方が良いのか!しみ抜き、消臭、汚れの除去、それからそれから・・・・。

あ、あれ?

シミが・・・・、無い?

飛びつくようにソファーの汚れていた筈の場所に行き、目を凝らして見る。

鼻を近づけて臭いを嗅いでみる。

あれ?あれえ??


 「おどろいたわね。

新しい魔法ね。麻代ちゃん、ちょっと離れて見てごらんなさい」

後を追って来た小夜さんに言われて椅子から離れて見ると・・・・。

新品の様です!

少し年季が入って擦れていた場所もいつも人が座ってほんの少しヘタレた場所も、スウェードの毛羽がテカり始めていた角も元に戻ってる?

「お掃除魔法?ううん、再生魔法って言う方が相応しいかしら?」


 それから、忘れない内にと小夜さんに家中連れまわされてお掃除魔法をやりましたよ。

うん、一度発動した魔法は完全に自分の物になっています。

練習なんて必要ありません。

壁の染み抜き、付着した汚れや錆びの除去、埃も蜘蛛の巣も綺麗さっぱり無くなって、見えない場所までピカピカです。

はい、飛行魔法もいつのまにかモノにしていてフヨフヨと飛び回って普段見えない場所まで覗きに行けますよ。

もちろん、転移魔法も知っている場所ならどこにだって行けます。

魔法を発動すれば目の前の場所や物が綺麗になるのが面白くて、家中丸洗いです。

気が付けば密閉されているテレビの中やパソコンの中の埃まで分解せずに取り除いてました。


 練習は必要無いって言いましたけどやればやるほど発動がスムーズになります。

疲れもしません。

ただでさえ魔素が濃い地球上でもここらは特に魔素が濃いのだそうです。

小夜ちゃんがこの土地を選んだのも魔素がやって来る事を知らないなりに本能的にここに惹かれたからだとか。

小夜ちゃんが前世に住んでいた大森林も由紀ちゃんの居た森も最後まで魔素が他より濃かったそうです。

魔女や魔法使いは本能的にそんな場所を好むのだそうです。

だから、他の魔法使いさん達もこの場所では気持ち良さそうにしているし、特に魔素の濃い魔素溜まりとなっている、小川と小さな滝のあるだけの裏手の谷に修行に出かける人も多いとか。

 うわあ~~~~、私って魔法少女みたいだ~。

こんなに魔法を使っても何ともないんだから使いすぎて魔法が切れちゃう魔法少女より凄いかも~。

 ・

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 調子に乗りました。

魔法少女ごっこの様に杖を振り回したくって、由紀ちゃんの孫の手を使っていたら、契約しちゃいました。

孫の手の杖を持った魔法少女って・・・・orz

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