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9 魔法を覚えましょう

 「決められた属性なんて無いのよ。

次々と使う魔法が変わって行く人も居たの。

由紀ちゃんなんて今の魔法に辿り着くまで何度変わったものやら。

2000年位前に攻撃魔法に夢中だったころは訓練と称してあちこちの地形を変えちゃって大変だった様よ。

あ、これ内緒ね。

知られたら凄く恥ずかしがるだろうし。

一度覚えた魔法は忘れないし、使えるし、魔法使いの寿命は魔素の中では永遠とも言えるわ。

魂が疲れて老化しないかぎりね。

お気に入りがその人の属性。

そんな物よ」


 私は未だに魔法が使えません。

私より後に魔法を学び始めたチェリちゃんはお祖父ちゃんに憧れて土魔法を使い始めています。

公園にアスレチックを作ってくれたのはチェリちゃんです。

硬化の魔法を掛けてくれたのはお祖父ちゃんの征一さんだけどね。

普通は圧縮して石にするんだけど、チェリちゃんはまだ駆け出しだからちょっと固い土の状態だったんだ。

それでも十分遊べたけど端が欠けたりして危ないからって、征一さんがそのままの形の石造りにしてくれました。

表面だけを薄い石にしてあるんだって。

土のまま硬化させる事もあるけれど、それは恒久的な建造物にはならないそうです。

だから、重機みたいな物で崩そうとすれば崩れるし、雨に当たり続けていれば劣化します。


 それでも、魔法が使えるのは羨ましいです。

今、小夜さんに教わって座学をしているのは私だけ。

チェリちゃんは下の谷の小川の淵に魔法使いさんが谷水を引き入れて作ってくれたプールに遊びに行っています。

谷水は冷たいので溜まり水にして温めてくれているの。

優しいチェリちゃんは私に付き合ってくれると言っていたけど私が遊びに行っていいって言ったの。

だって、私の方が4つも年上なんだから。


 由紀ちゃんは今は留守です。

日本中の転生者は集めたけれど、世界中にはまだまだ転生者が居るのだそうです。

その人達のお迎えですね。


 最近、一部の人が若返り始めている事が話題になっています。

転生者の人達じゃありません。

転生者の人達は全員魔法使いだったので『年齢詐称』だとか、『外見変化』だとか、言われている魔法を使って目立たないようにしています。

その人達は魔法使い級の能力を持った地球人なんでしょう。

小夜さんは出来るだけその人達も連れて来て、魔法訓練をしようと思っているようです。


 「麻代ちゃんは今は何をやってみたいのかな~?」

「やりたい物が多すぎるの。

チェリちゃんみたいに土魔法もやりたいし、由紀ちゃんみたいにお薬だって作りたい。華代さんみたいに綺麗なお庭だって作りたいのに、何も出来ないの」

恥ずかしくてちょっと涙が滲みます。

チェリちゃんに遊びに行ってもらってて良かった。

こんな情けない所をチェリちゃん見せられないもの。

「見事に生産職ばかりね~。全部やれば良いのよ~。」

小夜さんはあっさりと言った。

「決められないから迷っているなら、私が決めてあげるわね~。

まずは、攻撃魔法を覚えましょう」

「へ?」

私はポカンと小夜さんを見た。

攻撃魔法なんて、やりたいと思った事も無いんですけど~?


 「魔素が濃すぎるわ。

そろそろあちこちに凝った魔素が現れてじきに魔獣を形成するわ。

それを退治しなくちゃいけません。

攻撃魔法以外にも飛行魔法、転移魔法も覚えましょうね」

「む、無理っ!」

私は思わず悲鳴を上げた。

「大丈夫、空から2、3度落とされたら飛行魔法なんてすぐに覚えられるから」

「えええええええーーーーーーー!」

それから、転移魔法で1000mを超える高空から何度も落とされて、覚えました。

飛行魔法より先に転移魔法を。

思わずオシッコをちびってしまった事はチェリちゃんには内緒です。

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