表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

【短文ミステリー】白い確信(解決編)【難易度:★★】

 (アンサー)


 石頭警部は少し驚いた様子で榊田刑事を見た。

「あいつがクロだって?アリバイはまだ調べてないが、不自然なところは見当たらなかったが?」

「クロかどうかは分かりません。グレーといったところでしょうか。しかし、完全にシロとはとても言えません。少なくとも何か隠してます」

「しかし・・・供述の真偽などを調べもせずにどうしてそう思ったんだい?」

「えっと、警部、彼に話を聞いたときの段階を教えてください」

「えっと、ちょっと待ってくれ・・・」と言いながら、コートの中から手帳を取り出し、ペラペラとめくり始めた。ちゃんと段取りを決めているのか、と榊田は思った。警部は妙にマメなところがある。

「ああ、これはまあ、最初から決めているところもあるが、まあ聞いたところを片っ端から記入してるんだ」警部は榊田の考えを見透かしたように言う。

「そうですか、で、段取りは?」

「ああ、まずガイシャが殺されたと伝え、話を伺おうとすると、早速反論。それに事件発生時のアドリブ、居酒屋の所在や同僚、ガイシャのこと、ガイシャから嫌がらせを受けていたこと・・・おっと、最後に公開捜査についても聞いたな。公開捜査については知らなかったと言っていたな」

「それで以上ですね?」

「そうだが・・・今ので以上なら何か異常はあるのか?」

「はい、明らかにおかしいところがあります」

「・・・今のは笑うところだぞ」

「え、あ・・・すいません、気がつきませんでした・・・」

「・・・もういい、で、何が変だって言うんだ?」

「はい、公開捜査について知らなかった。さらに、そもそも辻さんが殺されたこと自体を知らなかった」

「ああ、そのようだな」

「はい、にもかかわらず、なぜ『事件発生時前後のアリバイをしっかり言えた』のでしょうか?アリバイについても『2月17日のアリバイは?』と聞いたのです。普通なら17日全部のアリバイを言うか、事件発生時刻はいつか尋ねるでしょう。しかし、彼はどちらもせず、事件発生時刻のアリバイを言った。つまり、彼は『事件発生時刻を知っていた』ということになります」

「ん?しかし、事件の存在自体も知らなかったんだよな?」

「そうです。彼は事件のことも知らなかったようでした。少なくとも見た目は。しかし、事件発生時刻は知っている。これはおかしいです。犯人、とまではいいませんが、何か隠していることがあるのでしょう」

「うーん、そうなのか・・・よし、とりあえずそいつの同僚とやらの話を聞いてから、そのことを追求してからしょっぴくぞ。そいつらにも同じように質問し同じように答えたら、ほぼ間違いないだろうな」

 一時はどうなるかと思われた事件も、ひとまず解決に向かいそうだ。しかし、道に残った大雪・・・謎は解けても、これが溶けきるのはいつになるのだろうか。

【要約】

焦ってしまったのかは分かりませんが、犯行時刻も分かってないはずなのに、その時間帯のアリバイを話したからでした。本当に知らないなら、そんなことはしないはずです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ