7話♪好きだから分かる
+好きだから分かる+
―ピンポーン―――
「はい。」
「夜朝、おはよう。」
「あ・・・。おはようございます。」
「行こうか。」
「はい・・・。」
―沈黙―――
「なんか、今日の夜朝・・・、変。」
「き・・・気のせいじゃないですか?」
『空先輩・・・するどいな・・。もしかしたら、気づかれるかも・・。』
「じゃあ、また後でな。」
「あ・・、はい。」
陸は、自分が持っている最高のスマイルを、見せた。
―ガタッ―――
「おはよ、陸。」
こそっと、夜朝がつぶやく。
「はよ。」
「どうだった・・・?」
夜朝が、心配そうに覗き込む。
「疲れた。空先輩、するどいから、気づくかも。」
「ほんと・・・?」
「心配するな。」
夜朝は、何故か、その一言で気持ちが落ち着いた。
〜お昼休み〜
「夜朝!」
空が飛び込んできた。
夜朝は、目を合わせないように、違う方向を向く。
でも、緊張していて、ぎこちない。
空は、陸を見つめる。
『ドキッ・・・』
夜朝は、ますます緊張した。
『耳たぶ・・・触ってる・・。夜朝、最近変だし。もしかして・・・!!』
空は、気づいた。
「陸君、ちょっと良いかな?」
「あ・・・はい。」
『バ・・・レタ!?』
〜裏庭〜
「君、もしかして・・・夜朝?」
「え・・・。」
「分かるよ。緊張すると、耳たぶ触るくせ、あるよね・・・?」
思わず、涙がこぼれた。
「分かって・・・くれたの・・・?」
「うん。すごく、好きだからね。」
優しい笑顔。
「で、何でこんなことになったの?」
「あ・・・あのね・・」
―キーンコーンカーンコーン―――
「今日、帰り、家来て。」
「うん・・・。」
〜教室〜
「ねえ、陸・・。」
「なんだよ。」
夜朝は、陸に、耳打ちをする。
「空先輩に・・・ばれちゃった・・・。」
「マジかよ・・。」
頭を抱える。
「帰りに、空先輩の家・・・よる事になったの。」
「分かった。」