3・4・5話♪急接近
+空と陸+
―キーンコーンカーンコーン―――
「おわったー!!」
体を伸ばしながら、夜朝が言った。
「夜朝ちゃん!!」
空が夜朝の名前を呼ぶ。
「空先輩!!」
急いで駆け寄る夜朝。
「彼氏もちかよ・・・。」
陸がつぶやいた。
+帰り道+
「なぁ、夜朝ちゃん。」
「なんですか?先輩。」
「夜朝って呼んでもいい?」
『ドキンドキン』
夜朝の胸が高鳴る。
「いいですよ。」
小さめな声でつぶやく。
「あと、夜朝も、空って呼んで。」
「はい・・。」
赤い顔を見られないようにうつむいて言った。
「敬語もやめて。」
「わかり・・・わかった。」
まだ慣れてない夜朝。
「敬語になったら、ごほうびあげるよ。」
「わかった!!じゃあね!」
夜朝が笑いかける。
「バイバイ。」
そんな夜朝をいとおしそうに見つめて言った。
+三角関係+
「陸君、おはよう。」
「・・・はよ。」
陸は、照れているのがわからないようにつぶやく。
そんな陸に、夜朝は、笑顔を向ける。
「陸君って好きな人いるの?」
耳打ちをする。
夜朝の吐息が、陸の耳にかかる。
陸の鼓動が、はやくなった。
「別に。」
『何それっ!!』
「夜朝は?先輩とどこまでいってるの?」
「なっ!!」
「キスもしてないとか?」
「うるさい!」
真っ赤になりながら言った。
『くやし〜!!』
+ごほうび+
〜放課後〜
「先輩!!」
「かえろ。」
軽やかに教室を出て行く。
「空、部活どうで・・・どうだった?」
「クスクス・・・」
「な!何で笑うの!?」
「ぎこちないから。」
『ガァーン』
夜朝は、落ち込んだ。
「でも、がんばってるから、ごほうびあげる。」
「ほんと!?」
「目、つぶって。」
夜朝は、素直に従う。
―チュッ―――
カァァァッ
夜朝は、赤面した。
「バイバイ、夜朝。」
「バイバイ。」