1章 悪夢の始まり ~ep1~
「やっとここまできたか・・・」
こんなことばを発するまで1か月前までさかのぼる・・・
新作のゲーム、それもゲームハードと同時発売で両方のあわせて、
150万円での予約開始という異例の値段。
その秘密というのは世界でも初で全てのゲーマー達が夢をみてきたものであった。
それは自分自身がゲームの中に入れるというとてつもないものだった。
人間だれしもゲームがはまってしまうと、
「このゲームの中にはいれたらいいな」という願望が生まれてくる。
それを現実にしたのが今回新作発売のスニー開発『フルダイバー』である。
フルダイバーというのは文字通りフルダイブシステムという自分の意思を
ゲームの中に入れて感情であったり、脳の働きによって、ゲームが進行ができるというものだった。
スニーはこれにほとんど全財産をかけておりやっとの思いでこれを作り上げたという。
そしてこの販売価格とはうらはらに予約が殺到、即完売となった。
その戦争に滑り込みで入り込んでみごと予約に成功した一人の男『瀬良 隼人』
17歳の学生であるがこんなこともあるかと地道なバイトと貯金を全てはたいて、
そして親に泣すがった結果ぎりぎり150万溜まった・・・
見事予約に成功したという。
ちなみにその転売価格がとんでもない金額になるのは、
目に見えていたから一度きりのチャンスを見事勝ちとった。
ちなみにフルダイバー記念すべき最初のゲームは『Bewaffneter Krieg』というゲームだ。
このゲームの意味はドイツ語で武装戦争という名前で堅苦しいもののファンタジー系の魔法はもちろん、
様々な職業と豊富なスキルを駆使して最終ボスに勝とうというMMORPGでよくあるのである。
しかしPCでやるのとでは違うからこそ今回の人気このBewaffneter Krieg(以後BK)は
絶対に売れるとの雑誌が沢山あったβ版体験者達も「これはやみいつきになってしまう」
とのコメントが殺到。まさにフルダイバーだからこそ売れるゲームとも今は話題になっている。
そして今日、その発売日になった。そのゲームがやっとできる喜びと緊張が授業もきいてられない、
「おいおい今日の新作って誰か予約したのかよ?」
「だめだ俺予約頼んだけど無理だった・・・」
とか休みはその話で持ちきりだった。
「なにあんたボーッとしてんのよっ!」
そんなこと思ってると後頭部に痛みが走ってきた
「おいおいそれだけで殴る必要あるのかよ、しかもスクバで」
こいつは『登喜和 美緒』バスケット部の部長で俺の幼馴染ともいえる存在だ。
キャプテンということだけあって運動はかなりできる。
俺もできなくはないがしいて言うなら中の中程度、だが美緒はかなりできる。
地区大会を優勝にまで導くというすごさっぷり幼馴染として尊敬する。
俺はと言えば部活は帰宅部。自宅に帰りごろごろするのが部活だな。
そしてゲームは人一倍がんばった、そんな記憶しかない。
「どうせエロゲでも妄想でやってたんでしょうが」
「ちげぇよ、そんなおれ気持ち悪くねえよ。べつにお前にいってもわかってくれないよ
ゲームのことなんか」
「まぁ、それはそうなんだけど・・・」
そういって左手で左髪の毛をいじる。いわゆる癖というのだとおもう。
いつも悩んだり困ったことあると左髪をいじる癖がある。
「いやそんなに悩まなくても」
「えっ、べ、別にそんなになやんでないよ」
そういうとそそくさと自分の席に戻った。
正直このことはしられたくない。このことが周りに知れたらおおごとになりかねないからな。
今にだってみんなに自慢したいのを我慢しながら学校終わりを今か今かと待っている。
ep1これだけでは何のことやら分からないと思いますep2,3辺りからそれらしくなってきます。