第3話 初めての領主レストラン開店! 税収10倍&兄貴ざまぁ
魔法の田んぼから大量の米が収穫されて3日目。
村はもう別人のように活気づいていた。
ミアが俺の隣で尻尾をパタパタ振りながら、朝から「アレックス様のおにぎり、今日も最高です……!」と頰を赤らめている。
「よし、次は本格的に商売を始めるぞ」
俺は村の中心にある広場を指差した。
そこに、昨日村人総出で建てた木造の立派な建物が完成していた。
看板にはでかでかと——
【ローレル食堂 アレックス領主直営】
「若様……本当にこんな立派な店を……?」
村の男衆がまだ信じられない顔で俺を見ている。
ミアも目をキラキラさせて「私もお手伝いします! お皿運びでも何でも……!」と張り切っていた。
俺は【無限食材創造】でテーブル・椅子・食器まで一気に生成。
さらに厨房設備も完璧に揃えた。
メニューはすでに決まっている。
・親子丼 100コイン
・マナ牛ステーキ(HP微回復+スタミナアップ) 300コイン
・回復スープ(HP全回復+魔力回復) 200コイン
すべて俺が無限に作れるから原価ゼロ。
味は地球のプロ並み+魔法強化で、この世界の人間が一度食べたら忘れられないレベルだ。
開店初日、朝9時。
俺が「開店!」と声を上げた瞬間——
村中の領民が殺到した。
昨日までのスラム暮らしが嘘のように、みんな新品の服を着て(俺が生成した布で作った)列を作っている。
「若様の店がついに……!」
「昨日のおにぎりよりすごいって本当ですか……!?」
最初に注文したのはミア。
俺が彼女の分だけ特別に「猫耳特製親子丼」を作って出すと、
とろとろの卵が黄金色に輝き、甘辛いタレが鶏肉に染み込んでご飯に絡まる。
湯気が立ち上る匂いに、列の後ろの人たちまで鼻をクンクンさせ始めた。
ミアが一口食べた瞬間——
「んあっ……! お、おいしすぎて……尻尾が止まらない……!
卵がとろ〜りで、鶏肉がジュワッて……アレックス様の味……大好きです……!」
彼女の耳がピクピク、尻尾がブンブン。
周りの村人が「ミアちゃんの反応が可愛すぎる……」と笑いながら、次々と注文を始めた。
次はマナ牛ステーキ。
鉄板でジュージューと音を立てながら焼き上げ、秘伝の醤油ダレを塗る。
魔法で柔らかくした牛肉はナイフで切るだけで溶けるほど。
食べたおじさんが目を白黒させて叫んだ。
「う、うまい……! 肉汁が口の中で爆発する……!
これ食べたら、もう他の肉戻れない……!
しかも体が軽くなった気がする……!」
回復スープも大好評。
熱々のスープに浮かぶ野菜と魔法ハーブの香りが広がると、
病気がちだったおばあさんがスープを飲んだ途端、顔色がピンクになって立ち上がった。
「若様……腰の痛みが……なくなった……!
神様……本当に神様だ……!」
初日の売上は一気に8000コイン超え。
税収が前年の10倍に跳ね上がった。
村人全員が笑顔で「おかわり!」を連呼している。
すると昼過ぎ、森の道から馬車が一台やってきた。
隣国の商人ギルドの男が、目を丸くして店に入ってきた。
「こ、これは……! この匂い……王都の高級レストラン以上じゃないか!
しかも回復効果付き……!?
領主様、これは商売になりますぞ! うちのギルドで独占販売させてくれませんか!?」
俺はニヤリと笑って「今は領内限定だ。もっと領地を大きくしてから考えよう」と答えた。
商人たちは興奮して「この味、王都でも絶対売れる!」と何度も繰り返しながら、大量に持ち帰っていった。
その夜——
兄貴から手紙が届いた。
内容はいつもの通り。
『税収が上がったらしいな。すぐに500金貨寄こせ。
さもなくば王都に呼び戻すぞ』
俺は手紙を【無限食材創造】で作った火魔法でパチッと燃やした。
「ざまぁ。
もうお前には一文もやらない。
この領地は俺のものだ」
ミアが俺の隣でクスクス笑いながら、
「アレックス様、かっこいいです……
私、ずっとここにいますから……」と尻尾を絡めてくる。
店は夜遅くまで大盛況。
領民の笑い声と「若様万歳!」の声が村中に響いていた。
俺は厨房で新しいメニューを考えながら、心の中で呟いた。
(これで領地の基盤は固まった。
次はエルフの魔法使いとの出会い……
そしてもっと大きな店を建てる。
スローライフ、最高だぜ)
外では、満腹になった領民たちが幸せそうに星空を見上げていた。
(第4話へ続く)




