文化祭1:楠木舞
・1年A組模擬店 和風喫茶にて
舞「ゆ、ゆ、ゆ、夕子ちゃん〜♡♡」
夕子「どう!?可愛いでしょ♡♡」
舞「かわいい〜!!宇宙1かわいいよ〜!!」
美百合「チンチクリンだから似合うねアンタ」
夕子「まあまあまあ、存分に嫉妬なさいな♡♡」
今日は文化祭当日。
9時半から始まる文化祭に備えて接客する私たちは早めに衣装に着替えたのだけれど、生きてて良かったと思うくらい袴風のメイド服を着た夕子ちゃんは天使そのものだった。
裾を持ってクルクルと回ってくれる夕子ちゃんの写真を撮り初めてから既に1000枚は撮影したけど、これは
引き伸ばして絶対お部屋に飾る。
絶対にね。
夕子「よーし!!全力で接客して目指せ1位よ!夕子の
可愛さで客をおびき寄せるんだから!」
美百合「バカね。アンタなんか誰も見てないし休憩がてらこの店で座りたがる客でそのうち溢れかえるわよ」
夕子「そんな簡単にはいかないわよ!大体あんたも顔
だけは可愛いんだからニコッと笑って一緒に接客頑張るのよ」
そう言ってバンッと海堂の背中を叩く夕子ちゃんは
めちゃくちゃ張り切っていて、メニューを取りに行く
ためにクラス委員の元へ走っていった。
相変わらず元気いっぱいで本当に可愛いんだから。
美百合「……へー、楠木意外とその服似合うのね」
取り残された海棠はチラ、と私を褒めるけどちっとも
嬉しくない。
舞「間が持たないからって無理やり褒めるな〜」
美百合「はぁ!?本当にそう思ったから言ってんのよ!!」
舞「どうだか〜」
……お前なんかどうでもいいわ。
それより今日の可愛い夕子ちゃんの写真をスマホの
ロック画面に設定しないとね。
どの夕子ちゃんも可愛すぎて迷っているとメニューと
文化祭パンフレットを受け取った夕子ちゃんが戻ってきた。
夕子「見てー♡メニューはこれでー、パンフレットも
凄いの!!出店もたくさんあるし射的とかまであるの!!」
美百合「へー……3年がすごいんだ」
夕子「そうみたい!!志保様のクラスはー……
あ、まだ見ちゃダメ!!お楽しみよ!!」
美百合「はあ?てかそもそも行く必要ある?」
夕子「バカ!!!私たちは後輩なのよ!?遊びに行かないなんて失礼よ!!」
……夕子ちゃんってば礼儀正しいなー。
そんなに夕子ちゃんがだーいすきだけど、あの男女の
ところへわざわざ出向くのは嫌だな。
その場で男女と一緒に文化祭を周ろうと提案しようと
してる気持ちが透けて見えるのが少し悲しい。
舞「ねね、夕子ちゃん〜、私クレ〜プ屋さんが気に
なるな〜」
夕子「行こ行こ!午前のシフトが終わったらすぐ食べに行こ♡♡」
こうなったら何としても夕子ちゃんの気を逸らす作戦かないな。
絶対に男女のクラスには行かせないんだから。
そう胸に誓い、もう10枚こっそり夕子ちゃんの写真を撮った。
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夕子「いらっしゃいませ〜♡♡3名様ですね♡♡
こちらの席へどうぞ♡♡」
舞「こちらメニュ〜です〜」
開店して1時間、早くからお客さんは来てくれて席の
半分はもう埋まっている。
廊下も他校から来た生徒で賑わっているし、多分お昼も食べ終えてからちょうどどこかに座りたくなる午後はピークで忙しいかも……。
夕子ちゃんは全力で接客していて、私もお客さんとして接客してもらいたいのが本音。
でも変な男に声をかけられたりしないようしっかり
見張っておかないとね。
ギラと目を光らせた瞬間、
姫奈「おー!やってるやってる!」
ギャル先輩と児ポ先輩が教室に入ってきた。
夕子「きゃー!!姫奈先輩♡♡ルコちゃん先輩♡♡
いらっしゃいませー!!」
姫奈「このクラス混むかなーと思って早めに来たんだよね!席空いてる?」
夕子「もちろんです!ささ!こちらへ!ゆりー!!
先輩たちにメニュー!!」
美百合「持ってきたって……いらっしゃいませ」
海棠が頭を下げた途端児ポ先輩の目がハートになって
鼻息を荒らげるのが分かる。
薫子「……!!!」
姫奈「えー?後で写真撮らせて欲しいんだって」
何故か豆タンク先輩は私たちの衣装に大興奮で、首からかけてる大きなカメラで撮影する気満々だった。
この先輩何も喋んないし気味悪いんだよなー。
どこぞの変態より危ないかも、と思うけどまあ女だし
特に害もないからいいんだけどね。
先輩たちは席につくと楽しそうにメニューを見てどれにしようか選び始める。
姫奈「えー何にしよ!悩むわこれー」
薫子「……」
姫奈「半分こする?それあり!じゃあ好きなの1個ずつ
選ぼ!!」
先輩たちが来てから急に店内は混み始めてたけど、
休憩入ったら夕子ちゃんと文化祭デート。
それだけを楽しみに私は他のお客さんの接客にも力を入れた。




