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9/24(水) 楠木舞の見た日常

・1年A組教室にて




舞「はぁ………」



ダルい体育祭も終わって10月の文化祭まで限定の静かな日常が戻ってきた感じ。


でも私は体育祭からあのクソデカ女のことが許せなくてイライラして仕方ない。


朝からクラスメイトは賑やかで、色々ダルすぎて今日は車でママに校門前まで送って貰ったけど夕子ちゃんはまだ学校に来ていなかった。


あーあ。



可愛い可愛い私だけの夕子ちゃんは女子校に入ってからなんでこんなにモテてるんだろう。


変な男をつけないためにあの手この手で女子校に入れたのに次々害虫がわらわらと寄ってきやがって。


明日から中間テストということもありパラパラと単語帳をめくるけど、頭に全然入ってこない。


それに昨日せっかく席替えしたっていうのにさ。


私の前の席は天使みたいな夕子ちゃんと神席なのに横は海棠だなんて………。



美百合「何よ」


舞「自意識過剰かよ〜」


美百合「あんたがジロジロ見てくるからでしょ」


舞「それが自意識過剰ってんだよ〜」



私の視線に気づいた海棠がジロっと睨んでくるけど

いちいちこっち見んなよ。


大体この女もタチが悪い。


いつも無自覚に夕子ちゃんに近づいてきて、あのデカ女が夕子ちゃんに皮膚と皮膚の接触を試みた時、バカ

みたいにショック受けてるこいつを見てキレそうだった。


何だお前もやっぱり夕子ちゃんのことが好きなのかよ。


そう考えたらイライラが止まらなく思わ歯ぎしりして

いると教室の扉がガラッと開いた。



夕子「おはよ……」


舞「ゆ、夕子ちゃん〜!!クマが〜……」



私は思わず立ち上がって叫んでしまった。


可愛い夕子ちゃんの目元に酷いクマができていて、今日の帰り絶対夕子ちゃんに目元用美容液を買って帰ろうと胸に誓う。



美百合「何?あんたもしかして徹夜でもしたの?」


夕子「そりゃそうよ!!徹夜して書いたわよ!!」



今にも倒れそうな顔で夕子ちゃんは席に着くけど、

努力家だから夜遅くまで勉強してたみたい。


私がテスト範囲も送ってあげたし、一生懸命やっていたのが伝わってきてほんと愛おしい……。



美百合「書いたって何を?あんなノートに書いて勉強

するタイプなの?」


夕子「そうよ!!ほら!!」



海棠が怪訝そうな顔をすると夕子ちゃんがバン! と

カバンからルーズリーフの束を取り出し机に叩きつける。


その可愛らしい丸文字で書かれたメモを覗き込めば、



美百合「……何よこれ」


夕子「決まってんでしょ!!!志保様との初デート

プラン♡♡よ!!」



夕子ちゃんが目をキラキラさせて宣言した。


……は、初、デートプラン?


ルーズリーフを1枚手に取りこんなにクマを作ってきた

デートプランとやらを見れば、水族館バージョンに

動物園バージョンと色々書かれていて……。


さらには一緒にお弁当を食べるだの手を繋ぐだの、

書いてある内容に私はめまいがする。


あのクソ女……。


夕子ちゃんの純情を弄びやがってと心で100回滅多刺しにしてやるけど、夕子ちゃんは浮かれていてもちろん私の毒には気づかない。



美百合「はぁ?バカじゃないの!?付き合ってもない

のに?」


夕子「やーねーっ、付き合ってるわよ!!!てかもう

付き合うの!!!だって私志保様にキスされたのよ!?」


舞「夕子ちゃん〜それは皮膚と皮膚が偶然ほんの

たまたま何故だか触れ合っただけだよ〜」



あれを私はキスだなんて死んでも認めないからね。


まあでもおでこだしノーカウント。


あの意気地無しがこれからいくら唇へのキスを試みても、夕子ちゃんのファーストキスは私が奪ってるんだから。


ふふんとあの時を思い出していると、海棠は呆れた顔で夕子ちゃんのルーズリーフをクシャと丸めた。



夕子「な、何すんのよー!!!」


美百合「何でキスまで予定に入れてんのよ。てかその後の内容も何なの?ホテルだのなんだの……呆れた、

あんた変態じゃん」


夕子「はぁ!?変態じゃないわよ!!お付き合いしてるんだから当たり前でしょう!?確かに段階は踏まないといけないけど!!」



夕子ちゃんは海棠が丸めたルーズリーフを奪ってキッと睨みつけた。


ああ〜……ヤバい可愛い〜……。


なんで夕子ちゃんってどんな時も可愛いのかしら。


頼むからこれ以上その可愛い顔を誰にも披露しないでと思うけど、海棠は声を荒らげて激怒した。



美百合「そういう問題じゃないのよ!!大体付き合ってないでしょ!!」


夕子「付き合ってるってば!!!!」



言い合いする2人を横目にこんなデートプランをどうにかして阻止しないとと思考を張り巡らせる。


……そうだ。


可哀想だけど今思いつくのは1つしかない。



舞「夕子ちゃん〜とても素敵なデ〜トプランだけど〜

テスト勉強は大丈夫〜?」


美百合「そうね。明日からテストだしまずデートなんかよりもそれが先よね」


夕子「……え?」



夕子ちゃんはパチパチと目を瞬かせて動きが止まって

しまった。


大きな目もちょっと空いた口も本当に可愛い。


何回もテストだよとは伝えたけど、何事にも一生懸命な夕子ちゃんはうっかり忘れちゃってたんだろうな。


でもそれが逆にラッキーで、勉強がちょっと苦手な

夕子ちゃんは多分赤点だらけになるからデートの時間

なんてしばらく取れやしない。


その間にあれこれ誘って気を逸らして何としてもデートを阻止してやる。



夕子「え!?やば!?え、明日!?」


美百合「明日よ明日、何呑気にデートとか言ってんのよ。赤点になったらそれどこじゃないわよ」



夕子ちゃん、ごめんだけど今回ばかりは海棠の言う通り。


テスト全教科赤点になってねと心で強く願った。





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