表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/81

体育祭10:木下夕子

・救護室にて



夕子「……志保様」


志保「何?」


夕子「私もいちい先輩も志保様のことが好きだから

いっぱい話すんです」



私はお喋りが大好きだから、それを聞いてくれる人が

いて笑顔になるのがとても嬉しい。


出会った頃の志保様は人見知りするタイプだったみたいで、最近は私に慣れてきたのかこうしてよくお話してくれる。


志保様が今日みたいに気まぐれでも私のお喋りを聞いてくれる時は最高に嬉しくて、好きな人と過ごす時間は宝石のようにキラキラと輝いてあっという間に過ぎていくものだって、私は志保様と出会ってそれがよく分かったの。



……これはきっと。



志保様のことが好きないちい先輩も、夕子と同じ気持ちだと思う。



夕子「志保様は、今何か楽しいことはありますか?」



志保様って本当にミステリアスで何を考えているのか

掴みきれないの。


だからこそ今日は志保様から話して欲しいと初めて

思った。



志保「楽しいこと……?」



志保様は軽く目を見開いたけど、すぐにいつもの落ち

着いた表情に戻る。


さ、さすが志保様、手強いわね。


でも負けないわ。


夕子だって志保様の心の中を少しでも知りたいんだもん。


特に志保様みたいなタイプはお話しないと人の心なんて分からないわよ!



夕子「志保様は私といる時にどんな話がしたいとかないですか?」


志保「わからないわ。特に考えたこともないし」


夕子「そ、そうですか……」



それは大して話したくないのではとわかりやすく落ち

込むけど、



志保「でも、夕子ちゃんといると……楽かも」



この一言で天に登って鐘をカンカン鳴らせるほど嬉しくなった。



夕子「それはお付き合いするにあたって大切な条件の1つですね……夕子昇格した気がする♡♡」


志保「お付き合いしないよ」


夕子「あーん意地悪」



最高の褒め言葉をいただいた気がするわ♡♡


誰かと一緒にいて楽ってのはかなり大事なポイントだと思うのよね。


志保様は特に恥ずかしがり屋さんでお喋りが苦手みたいだから、きっと何から話せばいいのかわからないのよ。



だからこそ!!この夕子が!!



一緒にいて楽な彼女になるのよ!!



気軽に悩みとかお話してくれればそれはもうきちんと聞いて優しく受け止め___。


……。


………………。



夕子「し、志保様!夕子わかりました!!!」


志保「何が?」


夕子「志保様は何か重大なお悩み事があって美しいお心を痛めてるんですね!!!」


志保「……ん?」



私ってばやっぱ天才なんじゃないかしら!?


きっと志保様は誰かといてモヤモヤするものがあるから一緒にいて気が楽な相手がいいのよ!!


反対を言えば一緒にいて気が休まらないのは……



夕子「あの自称婚約者と何かありましたね!!もしかしてまたあのクソヤローに破廉恥なことでも強要されたんですか!?それとも、お家の複雑な事情に巻き込まれてるとか……志保様、とにかくおひとりで抱え込んではダメです!!!」



私は気合いが入りすぎて拳を握りしめてベンチから立ち上がった。


捻った足首が少し痛んだけれど、そんなのどうでもいいわ!!


私のこの鋭い直感は当たりすぎてるはず!!


あの陰湿な自称婚約者野郎は志保様をこんなに悩ませるほど迷惑な存在だってわからないのかしら!?



これだからおじは…!!



以前会った時のぼんやりとした顔を思い出して余計に苛立ちギリギリと私は歯ぎしりした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ