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体育祭3:海棠美百合

・Cブロックに帰ってきて




姫奈「たっだいまー!!!」


薫子「……キカン」


夕子「おかえりなさーい♡私たちの応援聞こえましたか?」



玉入れを終えた3年の2人が戻ってきたところで私達も

ようやく席に座れる。


なんか変な空気の2年だったけど、3年生が戻ってきて

櫟先輩は明らかにホッした顔をしていた。



ていうか、この様子だと櫟先輩って本当にあの日キス

してたんだ。



……バカなんじゃないの?



男女(おとこおんな)にバレたら気まずくなるのなんてわかってんのにね。



夕子「次は大縄跳びか……何回くらい飛ぶかな」


薫子「…………」


姫奈「賭ける?だって、そうだ、数を当てた人にアタシがジュース買ってあげる!」


夕子「えーっ!ほんとですか!?じゃあ私B組が8回!」


舞「私は〜、ん〜D組が12回〜?」



各々が回数を賭けてるけど、私たちより前方に座って

本気で大縄跳びを応援してる人達がもしこれを聞いたらブチ切れそう。


何を体育祭ごときで本気で応援してるんだろうとは思うけど、ああいうのを本気で楽しむ人種っているもんね。



美百合「……で、あんたそれ何?」


夕子「これ?ポップコーン!」


舞「夕子ちゃんわざわざわ作ってきてくれたの〜?」


夕子「そうよ。安く簡単に出来るんだから!!」


姫奈「美味そうじゃん!」



小分けにしたポップコーンを夕子は皆に配り始めるけど、その入れ物がジップロックって。


それに……



美百合「これ手ベッタベタになんじゃん」


夕子「う、うるさいわねーっ、手くらい洗いにいけば

いいでしょ!?」


一子「あ、じゃあ私も皆さんに………これ」


夕子「ん?なんですか?」



櫟先輩が立ち上がって自分のカバンの中からピンクの

花柄の保冷袋を取り出した。


大体わかってきたけど、夕子のガサツさを感じた後のこのパターンの時って……



薫子「………?」


一子「カップケーキです。手が汚れないようにペリペリって紙はめくれるので……あとウエットティッシュも

あるんで言ってくださいね」


姫奈「うわー!また女子力!今日は皆でお弁当交換する約束だったからお弁当だけかと思った!!」



櫟先輩は手作りのカップケーキをみんなの為に作って

きたみたい。


カップはピンクのハート柄で、チョコチップとバニラのカップケーキを2つずつご丁寧に透明な袋に入れて、

可愛らしい赤のハートのシールで止めてある。


夕子と真逆のレベルでクオリティも恐ろしく高い。


チラッと夕子を見たら案の定ワナワナ震えていた。



夕子「い、い、い、い、」


舞「夕子ちゃんは〜櫟先輩ったら女子力の差を見せつけてきて悔しい〜って言いたいみたいです〜」


一子「えっ!?私、そんなつもりじゃ……」


美百合「ポップコーンも___」


志保「ポップコーンも美味しいわよ」



悪くないんじゃない……私がそう言うよりも先に口を開いた男女は櫟先輩のよりも先に夕子が作ったポップコーンを食べ始めていた。


……。


何なのよこのデカ女は。


今まで夕子が作ったものなんて絶対自分から食べなかったくせに、急に夕子に甘くなってない?



夕子「志保様ぁ♡♡夕子がアーンして___」


志保「それは大丈夫」


夕子「大丈夫……アーンOKってことですね!!」


志保「ううん、必要ない方ね」



この夕子からの不毛なやり取りだってバッサリ切り捨てなくなってるし、怪しいわねと楠木を見ればギリギリと歯ぎしりをしてた。


楠木がこれならやっぱり夕子とデカ女の関係性が

変わってきてるのは当たってるんだわ。


前は櫟先輩を優先していたのにどういう気まぐれよ。


同じように櫟先輩をチラッと見るとなんか謎に喰らって黙り込んでる。


……こう、なんか、なんというか。


言っちゃ悪いけどこの人って〝女〟丸出しのジメッと

した低気圧みたいなんだよな。



夕子「お、おっ、おいしい〜!!!いちい先輩これ!!おいしい!!く゛や゛じい゛……」


一子「えっ……そ、そう?」



夕子が酷い顔して悔しがりつつ褒めるもんだからさすがにいつまでもジメジメしてられないんだろう。



姫奈「マジ美味しいよ」



櫟先輩はギャル先輩にも褒められ少し浮上したみたい。



姫奈「お!!夕子、大縄跳びB組8回じゃん!!」


夕子「えぇ!?ちょ、ラッキー!!姫奈先輩約束守ってくださいね!」


姫奈「ハイハイ、自販機で好きなジュース買ってやるよ」


夕子「やったー!!」



夕子はバンザイしながら私に抱きついた。



全部に全力で、嘘なし、感情ダダ漏れのバカな子だけれど、素直な子な方が可愛い気持ちもわかるわよ。


デカ女。


私はその柔らかい腕に抱かれたまま自分の手を夕子の腰に回した。







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