表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/81

体育祭2:木下夕子

・愛知県体育館 Cブロックにて




夕子「もう!殴ることないじゃない!!」


美百合「ちゃんと台本通り読まないと、しっちゃか

めっちゃかになるでしょ!?」


夕子「だからちゃんと読んだでしょ!?」


美百合「どこがよ!!」



私の超かわいい♡声でお届けしたアナウンスがよっぽど

気に入らないのか、ゆりはため息をついている。


1番最初の玉入れの集合アナウンスを終えた私たちは、

席を取ってくれてるまいの元へ階段を駆け上がって向かう。


下ですれ違ったまったり部の3年生2人は玉入れに参加するらしく、まいは多分2年生と一緒にCブロックの後ろの方に座ってるはず。


体操服のズボンのポケットにしまったスマホでまいから連絡がきてないかだけ確認するついでに、内カメにして今日の盛れ具合もチェック。



夕子「……えっ!?今日の私とびきりかわいくない?」


美百合「はぁ?」


夕子「ほら!いつもハーフツインだけど今日は完璧

ツインテールだしハチマキでリボンまで付けてて……

アイシャドウも濃いめにピンク入れてきたしアイドル

並みに可愛くない?」



ゆりに見て見てウインクして、ついでに何枚か自撮りもしとく。


そんな私を無視して先に行こうとするゆりを引っ捕まえて、無理やりピースさせて一緒に撮ったけど……。



夕子「ちょっと!!あんたが後ろに下がるから私の顔がデカく見えるじゃない!!」


美百合「何言ってんのよ、うるさいな……」



怒ってズカズカと先を歩いて行ってしまうゆりを慌てて追いかける。


……もう、ゆりったらすぐ怒る!


せっかくの体育祭なのに冷たいんだから!


小走りでCブロックに到着すると、



夕子「あれ?まい?」


舞「夕子ちゃん〜」


美百合「あんた、なんでそんなとこで立ってんのよ」


舞「いや〜……気まずすぎて〜……」



Cブロックの入口付近の壁際に立っていた舞がさり気なく指さす方を覗き込めば、いちい先輩と志保様が2席間を

空けて座ってる。


……。


志保様はいつも通りだけど、いちい先輩はチラチラと

志保様を見てはため息をついての繰り返し。



美百合「何あれ、何かあったの?」


舞「知るかよ〜」


夕子「えっ、もしかしていちい先輩がキスしたから?

気まずいみたいな?自分でしといて?」


舞「え〜?そうなの〜?」


美百合「いやほんとにしたかどうかはわかんないって」


夕子「でもいつも悔しいくらいべったりな2人が微妙な

距離すぎ___」



その時、突然鳴り響く体育祭の開始を意味するピストルの音に皆の歓声があがって玉入れが始まったみたい。


3年生から始まるから姫奈先輩たちを探そうとアリーナを目を凝らして見るけど……。


どれだろう!?



夕子「姫奈先輩たちどれ?どこ!?」


美百合「えー……あぁ、あの右側の……丸太みたいに

ぼよんぼよんの……」


夕子「ゆり!!前から言おうと思ってたけど!!

ルコちゃん先輩のこと丸太だのなんだの言うのやめなさいよ!!」


舞「あ〜……飛び跳ねるともう全部が揺れて〜……」


夕子「まい!!あんたもよ!!……って!!負けそう

じゃない!!ルコちゃん先輩ー!!上にー!!上に向けて投げるんですよー!!」



大っきい声で応援するけど聞こえるかはわからない。


ルコちゃん先輩の横にいた姫奈先輩が、3個まとめて

投げた球が見事に全部入ったところで終了の合図が鳴り響いた。


体育委員が玉を1個ずつ投げ、数え始めると同時にチラっと後ろを振り返って志保様たちの様子を確認してみるけど未だに気まずそうなまま。



……どうしちゃったのかな。



いちい先輩はライバルとは言え、あんなに暗い様子は

初めて見る。


何があったかはわからないけどせっかくの体育祭で

何かすごいことが起きるのは嫌よとじっと見つめた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ