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9/1(月) 海棠美百合の見た日常1

・始業式朝 1年A組教室にて




夏休みも開けて、今日は9月1日。


久しぶりに着た制服にどこかよそよそしさを感じながらいつもの席に腰を下ろした。



美百合「……何してんの?」


夕子「おはよ!!ワーク写してんの!」



数学のワークを必死に写す夕子の声は朝から耳に突き

刺さるほど元気で、机の上には開いたノートとペンが

乱雑に広がっている。


夏休みが終わったのは嫌だったけど……。


新学期からこのうるさい女を見てると無駄に元気になるわね。


この前外で会った時はつい怒りに任せて出てきちゃったけど、久しぶりに会った夕子は全然怒る様子も無くて

心配して損した。


朝から無視されるかなとさえ思ってたのに。



美百合「……ねぇ。聞きたくないけど、宿題ってあと

何が残ってんの?」


舞「家庭科以外ぜ〜んぶだよね〜」


美百合「あのさ、あんた夏休み何してたの?本気で

言ってる?」


夕子「ゆりってば本当にバカね。夏〝休み〟なんだから女子高生はしっかり休まないといけないのよ?宿題なんかやる方がおかしいの」


美百合「でも、今はあんたもやってるじゃん」


夕子「そりゃそうよ、怒られるもん」


舞「夕子ちゃん怒られるのはやなんだよね〜」



相変わらず意味わかんないこと言うわね。


怒られるのが嫌なら最初からやっとけばいいのに。



夕子「美術は水曜日だから明日でいけるー、日本史の

ワークは今日徹夜すれば……ゆり!!日本史のワーク

終わってる?」


美百合「……嫌だよ?」


夕子「なんでよ、まだ何も言ってないじゃん!!」


美百合「どうせ貸して、でしょ?それに持ち帰られたら明日あんたぜったい家に忘れてくるじゃない」


夕子「写メるから大丈夫!……ねぇ、この前勝手に

帰っちゃったこと忘れたの?」



ふっふっと笑う夕子は脅してるつもりなんだろう

けど、正直ちっとも怖くない。


確かに突然とはいえせっかく誘ってくれたのに無視

して帰ったのは良くないわよ。


でも気分が悪かったんだからしょーがないじゃない。


夕子は本当は私と一緒に遊びたかったのかもしれないけど.....。


そう思うと半年近く一緒に過ごしてきたのにちょっと悪いことをしたかな、という気持ちがちらりと頭をよぎる。



美百合「……はぁ……写真を撮るだけね。ていうかあの後何してたの?」


夕子「え、聞く〜♡♡聞いちゃう?♡♡」


美百合「勿体ぶってないで早く教えなさいよ」


夕子「ばったり会った志保様とデート♡♡」


美百合「やっぱ貸さない、写真も撮らせない」


夕子「は、はぁ!?何でよ今貸すって言ったじゃん!?」



1人寂しく犬みたいにしっぽ下げて帰ったと思ったのに

何だって??


あの男女とばったり会った??



……これだから目が離せない。



誰にでもホイホイついてって、これが男女じゃなくて男だったら尚更危なくて仕方ないわよ。


やっぱり彼氏とか作らせるべきじゃない……


……。


…………。


いや、何でよ。



舞「……夕子ちゃん〜?2人で夏休み会ってたの〜?」


夕子「…………ハッ!!ちょ、ゆり、後で話しあるから顔貸して!!」


美百合「は?」


夕子「ま、舞はほら、もう先生来るから早く座りな!」



突然あたふたし始めた夕子は無理やり私たちを席に座らせる。


直ぐに朝礼が始まって、夕子から回ってきたルーズリーフを折りたたんだ手紙には、



〝昼放課 屋上で話があるから 舞は撒いてくる

やだダジャレみたい 〟



………………。



果たし状なのか、ただの悪ふざけなのか。


感情が丸出しの手紙に私は思わず苦笑した。


夕子の予測不能な行動になぜか心がざわついて、この子が屋上で何を話すつもりなのか気になりながらも私は

ルーズリーフをポケットにしまった。






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