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課外活動《デート!?4》:木下夕子

・8/16(土) 雀おどり總本店にて




志保「全く知らない世界だったわ」



店内に志保様の声が柔らかく響くと、私は驚きつつも

心の中でやったわと小さく歓声を上げた。


さっきから気合いを入れて説明した玉塚のアレコレを

志保様は結構真剣に聞いてくださったの。


途中でもう1杯ずつ飲み物を頼んだ私たちはアイス抹茶

ラテを飲みながらデート延長よ♡♡


舞台の煌びやかさも男役になる素晴らしさも、どれも

志保様の心に少しずつ響いている気がしてより気合いが入っちゃう!



夕子「こういうのって身近に好きな子がいないとなかなか知る機会ないですよね!あーあ、舞も受けれるのに勿体ない……」


志保「舞ちゃん?」



志保様が小さく首をかしげた。



夕子「バレエも日本舞踊もやってるんですけど、舞は

バレエがてんでダメで……」



笑いながら舞のバレエの発表会を見に行った時を思い出す。


綺麗な衣装に身を包んだ舞は姿勢は完璧だったのに、

どこかどじょうすくいのような不思議な動きで、できるできない以前にセンスも必要なのねと私は初めて思い知ったわ。



志保「バレエも日本舞踊も懐かしいな」


夕子「え!?やったことあるんですか!?」



志保様の声にはほのかに懐かしさが浮かんでいて私は思わず身を乗り出した。



志保「昔お姉ちゃんと一緒にやってたの。今も柔軟くらいはするけど……そうね、また趣味で通うのもいいかもね」



志保様の口元に、微かな笑みが浮かぶ。



夕子「そ、そうですよ! 夕子なんか90度しか脚開きませんよ!」


志保「そんな硬いことある?」


夕子「バレエ教室で、『この子の体は柔らかくなることはありません!』って断言されたんです! 酷くないですか?」



私ははわざと大袈裟に嘆いてみせた。


志保様が楽しげに笑う姿はいつもの気怠げな雰囲気とはまるで別人。


本当に楽しそうな笑顔で最高だわ♡


しかも趣味でまたバレエを始めようかだなんて優雅すぎる!!


こんな風に話す志保様を見ていると私の胸は温かい気持ちでいっぱいになる。


こんな志保様は初めてかもしれないとドキドキしながらお美しいお顔を眺めていると、志保様がふと声を上げた。




志保「……あ」


夕子「どうかしました?」


志保「太郎さんから電話」


夕子「えぇ!?着拒しましょう」


志保「実は今日の夜ごはん、私と向こうの家族とで食べるのよね」


夕子「ええー!?やだキモイ!!あの男外堀から固めるタイプなんですか!?もっとやだわ!!!エスカレーターでチューしてどの面下げて親に会うっていうんですか!!」




ほんっっっとに嫌な男ね!!!


また怒りがカムバックしてきた!!!!


どうして男という生き物は私欲だけに忠実なの?


志保様はスマホをじっと見つめると、しばらく見つめてからくるっと裏返した。



志保「あとでかけ直すわ。さ、夕子ちゃんそろそろ帰りましょうか」


夕子「えぇ!!そんなぁ、もうちょっと……」


志保「夕子ちゃんは宿題やらないとね」



ギクッ。


どうして私が1つも宿題が終わってないことがわかるのかしら。


今日だって本当の本当はゆりに宿題見せてってお願いしようとしてたのに……。



___あれ!?



そうよ、私ゆりに宿題写させて貰う約束取り付けようとしてたのよ!!


それがこんな素敵な展開になってしまって、宿題のことなんてすっかり忘れてた……。



志保「会計してくるね、夕子ちゃんここはいいから」



宿題で頭がいっぱいになっていると、なんと志保様は

2人分を払おうとするので慌ててその腕を掴んで止めた。



夕子「ダメですよ志保様!!自分の分払いますよ!!」


志保「いいのよ。楽しかったから。ほら行くよ」


夕子「えっええ……そ、それではお言葉に甘えて……」



立ち上がってレジに向かう志保様にはもう大大大感謝。



だって.....。



だって夕子のお小遣いは今月残り2000円なんだもん!



志保様に「先に外に出てて」と言われ、私は1人お店の

外へ。


でもやっぱり今日はラッキーだったな♡♡


猛暑の空気の中、今日という日が特別なものになった

ことに胸が高鳴る。


志保様と偶然出会い、こんなデートのような時間を過ごせたなんて今年の夏一番の思い出だわ!


振り向くと志保様が店の外に出てきて、



志保「おまたせ」


夕子「ご、ごちそうさまでした!!志保様、寂しいですけどまた学校で……」


志保「そうね。___夕子ちゃん」



店前の横断歩道が青に変わって、2人で歩き出した瞬間名前を呼ばれて手を引かれる。




夕子「え!?」


志保「こうだっけ」




私が驚く間もなく志保様の手が夕子の脇に滑り込み、

ぐっと抱き上げられた。


あまりにも軽々と私を持ち上げる志保様に、ビックリしすぎて目を丸くして見つめる。



志保「……へぇ、なるほどね」



志保様は下から私をじっと見つめて、晴れやかに微笑んだ。


志保様を見下ろすなんて初めての感覚で新鮮すぎる!!


人混みの中でまるで時間が止まったかのような幻想的な空気が漂い夕子の心臓はドキドキだけど、通りすがりの誰かの「あの子猫みたい」という声に内心げんなりする。


どう見ても玉塚のような綺麗なリフトでしょうが!!!


どう考えても美しいお姫様と王子様の……。


……。


…………。



夕子「し、志保様……あの……」


志保「これ楽しいかもね。空しか見えないや」


夕子「ご、ご満足でしょうか?」



ストン、と地面に下ろされると、志保様はまた楽しげに微笑んだ。


どうやら玉塚の世界が志保様の心を掴んだみたいだと嬉しくなった。



夕子「志保様、志保様は夕子にとってのスターですからね! 愛してます!! なのでまたデートを___」


志保「やだ」



調子に乗ってお願いするけど志保様は笑いながら手を振って軽やかに去ってしまった。



夕子「志保様ー!!ほんとにほんとに大好きですからねー!!!」



志保様の背中を見送りながらながら、今日のこの時間はまるで舞台のワンシーンのようにキラキラと輝いていて素晴らしい一日だった。


志保様の笑顔は夕子の心にまた星を灯したの。






8/16 土曜日♡


シークレットなので多くは語りません♡♡

この日はクッキー10枚とクリームあんみつと、

抹茶ラテまで飲みました♡♡

まったり部部長にふさわしい1日でした♡♡


♡ゆうこ♡

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