課外活動《デート!?2》:木下夕子
・栄PARCOを出て雀おどり總本店にて
夕子「はぁ……はぁ……志保様、この店空いてて
良かったですね……」
志保「…………」
PARCOから志保様の手を握り飛び出して滑り込んだのは〝雀おどり總本店〟。
この老舗和菓子店は手作りのあんみつやういろうが
とっても美味しいお店で1回舞と来たことがあるの。
奥にはカフェスペースもあって、ここならバレにくいと駆け込んできたけど席があって良かった!!
それにしても私体力落ちた?
夏休みゴロゴロしまくってるからかなぁ……。
夕子「すみませんー!クリームあんみつとアイスカフェオレくださーい♡♡志保様は?」
志保「えっ……私は……」
夕子「わらび餅とほうじ茶も美味しいですよ♡♡」
志保「じゃあそれで」
店員さんにお待ちくださいと伝えられると同時に私は
お冷を一気飲み。
ふぅ、と一息ついて志保様をじっと見つめた。
夕子「志保様。夕子は今からハッキリ言いますけど、
志保様がとっってもお優しくてつい流されそうになったとはいえ断る勇気も必要ですからね!!」
志保「……もしかして太郎さんのこと?」
夕子「太郎!?ダサ……いえごめんなさい、もちろん
そのボンボン太郎のことです」
私は至って真剣なのに、志保様はクスッと笑った。
でもその顔がお茶目で可愛らしくて、何となく目が離せなかった。
夕子「無理やりされたとは思いますけど、一時の感情に流されてはいけません!!キスは志保様が世界で1番大好きな人とするべきです」
志保「……そんな人いないから」
夕子「それならその人が現れるまで!!絶対二度とあんなおじさんとなんかキスしない方がいいです!!!」
私はそう言い切ると店員さんが置いていったクリーム
あんみつをいただきますと口にいれた。
夕子「志保様が楽しくて、心躍る人と一緒にいて、その先にキスがあって………え?もしかしてあれとそうなりたいんですか!?」
志保「……さぁ?どうかしら」
志保様はボンボン太郎のことはどうでもいい感じでほうじ茶を啜った。
夕子「なら、夕子といた方が楽しいですよ〜♡」
志保「そうかもね」
夕子「え!?」
がた、と立ち上がると同時にお待たせしましたとわらび餅を持ってきた店員さんに驚かれる。
ごめんなさいと慌てて座ると志保様はまた少しだけ
笑った。
何やら今日はご機嫌みたい。
それにしても素敵だわー♡♡
志保様がお召になっている白のコットンジャージー素材のノースリーブから見える二の腕は白く細く長く、黒のバミューダショートパンツから覗く膝下まで長くてお洒落でうっとりしちゃう♡♡
志保「夕子ちゃん何してたの?」
夕子「えっ!わ、私は今日はお買い物?的な?」
志保様の言葉で思い出したけどやばい忘れてた!!
今日この後舞とおでかけしようかなって約束してたん
だった!!
お稽古終わるまでに連絡するって言っちゃって、どうしようと、志保様を見ると温かいほうじ茶をふーふーと冷ます姿もお綺麗。
……このチャンスを逃すわけにはいかないと机の下で
こっそり舞に連絡した。
〝お兄ちゃんと急にご飯行くことになっちゃった〟
こ、これが無難よね。
舞ー!!嘘ついてごめんと心の中で何回も謝ってから
そのままスマホをカバンに突っ込んだ。
それにしても…………。
志保「美味しいわね……って、何?」
ガン見の夕子を訝しむ志保様ったらそのお顔までが、完璧でカッコよすぎる!!!
夕子「いや、これは完全にデートだなって!念願の
デートですよ?憧れの志保様と2人っきり……♡♡」
志保「鯉がそこにいるから2人じゃないわよ」
夕子「鯉はノーカンですから!!!」
店内の生簀を静かに泳ぐ主のように大きな鯉を指さす
志保様はそれならとその横のポスターを指さした。
志保「ポスターに人が写ってるから、2人きりじゃないわね」
夕子「もー!!意地悪しないでくださ……あ!!
〝玉塚歌劇団〟じゃないですか!!」
そのポスターは最近夕子がハマってる歌劇団のポスターだった。




