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課外活動《プール4》:櫟一子

・7/26(土) 長島ジャンボ海水プール 流れるプールにて




一子「……あれ!?」


志保「おはよ」



ぼんやりする私の瞳いっぱいに志保ちゃんの顔が映ってる。


慌てて体を起こすとプールサイドには私と志保ちゃん

しかいなかった。


みんなでプールに来て……それからどうしたんだっけ?



志保「たくさん泳いでたくさん食べたからかな?一子

寝てたんだよ」


一子「えっ!?やだ寝ちゃってたの!?みんなは!?」


志保「一子が寝てる間にもう1個スライダー乗るって

あっちの方行ったよ」


一子「そ、そうなんだ……ごめん志保ちゃん……」


志保「いいよ?私は一子の寝顔見れたし」



からかう志保ちゃんの肩を軽く押した。


実は昨日楽しみすぎていつもより寝られなかったの。


寝不足で太陽の陽射しをたっぷり浴びてたくさん泳いで、たくさん食べたら眠たくなっちゃったんだ……。



一子「みんなまだ並んでるかな?」


志保「多分ね、あっちの大きいやつだから人気だと思うよ」



志保ちゃんはアレとかなり高いスライダーを指差して教えてくれた。



一子「終わったらみんなこっちに来てくれるんだよね?そしたらさ、私たちはこの流れるプール入って待ってようよ!」


志保「いいよ」



もう1回2人で軽くストレッチして浮き輪を持ってプールに入ると冷たくて気持ちいい。


志保ちゃんには冷たすぎるのか顔を顰めてて、ちょっと意地悪したくてパシャパシャ水を掛けてたら仕返しされちゃった。



一子「浮き輪乗っていい?」


志保「いいよ」



私が浮き輪の上に座って志保ちゃんが押すとプールの

流れに乗って進み出す。


何となくゆったりと流れる時間が心地いい。



一子「今日とっても楽しいね」


志保「そうだね」


一子「そうだ志保ちゃん、今度ラシック行かない?かわいいリボンがたくさんついたお洋服とか、カバンとかあるお店見つけたの!」


志保「いいよ、行こうか」


一子「あ!あと映画なんだけど、志保ちゃんディズニー好き?私とっても好きで見に行きたくて!」


志保「うん、いいよ」



…………。


……どうしてかな。


志保ちゃんって私ががしたいこと全部いいよって言ってくれる。


遊びに行く時は全部私がやりたいことで、私ばかりが

話したいことを話して。



一子「……志保ちゃんは?」


志保「ん?」


一子「志保ちゃんは何がしたいの?」


志保「私?」



そう。


志保ちゃんがしたいことは何なんだろう。


もっともっと志保ちゃんのことを知りたいのに私はまだ何も知らない気がする。


家族のこととか、志保ちゃんが好きな物とか。


志保ちゃんの夢や未来も全部知らない。


聞けば教えてくれるだろうけど、私は志保ちゃんから

話して欲しいしどんな内容でも志保ちゃんから話を聞きたかった。


ジッと見つめられて何か考えてくれてるのかなと見つめ返せば、



志保「私は一子といたら癒されるから。だから一子の

やりたいことでいいよ」


一子「……」




……。


癒せてるのは嬉しいけど、そうじゃない。


何か上手く言えないけど志保ちゃんはいつも私じゃない誰かを見てる気がする。


笑ってるけど笑ってなくて、透き通る綺麗な目でどこか遠くを見ていて。


私から見た志保ちゃんはあんまり感情が豊かじゃなく

滅多なことで顔色は変わらない。


楽しいとか、悲しいとか、嬉しいとか全部教えて欲しいのに何にも言ってくれない。


たまにふざけて可愛いとか言ってくれるけど、そんな

言葉じゃなくて本当は何を考えてるかが知りたいの。


私といれれば何でもいいじゃなくって、私じゃなくちゃダメだって言って欲しい。



……志保ちゃんは。



志保ちゃんは私といて本当に楽しいのかな。



一子「志保ちゃん、私___」



本当のことを聞きたくて話しかけた瞬間、



夕子「志保様ぁぁ!!!!!!」


美百合「声でっっかいって!!」



パシッと明らかにぶたれた音がプールサイドに響いた。



夕子「いったぁぁい!!どうしてあんたはすぐ手が出るのよ!!!」


美百合「プリンセスだって躾ける時はこうやって__」


夕子「だからそれは犬でしょ!?!?あんたの言う

プリンセスって!!」



流れるプールをちょうど1周したところで、スライダーを乗り終えた夕子ちゃんたちが戻ってきてた。


姫奈先輩たちも戻ってきて、美百合ちゃんにぶたれた

夕子ちゃんは大騒ぎしている。


みんなは流れるプールに入ってる人の注目の的で私たちはそのままプールから上がった。



夕子「志保様ー♡♡夕子とかき氷食べません?一夏の

思い出にあーんさせてくださーい!!♡♡」


志保「やだ」


夕子「あーん意地悪♡♡」


志保「…ふふっ」



___え!?



し、志保ちゃんが笑った。


そりゃ志保ちゃんだってもちろんたまに笑うんだけど、こんな風にあからさまに面白いって顔は見たことが無い。



志保「夕子ちゃん焼けた?」


夕子「え、う、嘘!?ちょ、ゆりあんた私の背中に日焼け止め適当に塗ったでしょ!!」


舞「だから私が塗るって言ったのに〜」



確かに夕子ちゃんの肩は少しだけ赤くなっていてお昼より焼けたように思えた。



夕子「じゃあ志保様、夕子の背中に日焼け止め塗り直してくださいー♡♡」


志保「やだ」


夕子「ぐ、ぐ、ぐやじーっ……でも夕子はめげませんからね!いつか身体中にベッタベタに塗ってもらいますから!!」


志保「……ふっ、夕子ちゃんってほんとバカね」



志保ちゃんの言葉に夕子ちゃんはヤダーって雄叫びを

上げてるけど私の方がヤダって言いたい。


だって私は志保ちゃんから否定されたことなんてない。


夕子ちゃんの方が志保ちゃんにとって特別に思えてイヤで仕方ない。


志保ちゃんが夕子ちゃんに笑いかける時、私はいつも胸の当たりがチクチクしてモヤモヤして。



……。



私、夕子ちゃんのこと___



姫奈「一子起きた?プール楽しみーって言ってたのに寝ちゃってビビったよ」


薫子「…………」


姫奈「あーね?体力温存できて良かったね、だって!まだまだ遊ばないとだし流れるプールどだった?しっぽと何話してたんだよ」



姫奈先輩が肘でつついてくるけど全然上手く笑えない。


とっても楽しいはずのみんなとのプールは何にも楽しくなくて、私は初めて自分の汚い感情に気がついた。






7/26(土) 一子


今日の部誌担当は2年生の櫟一子です。

みんなでプールに行きました。

……楽しいことがたくさんで、纏まらないので

纏まったら書きますね。


本日のスイーツ

・プールサイドで売っていたかき氷


前の質問

・左腕


次の人への質問

・ストレス発散方法はありますか

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