記入者14:櫟一子
・旧音楽室にて
夕子「今日はメンカラを決めます」
美百合「……メンヘラ?」
夕子「違うわよ、メ・ン・カ・ラ、メンバーカラーよ!!」
今日の合唱部兼まったり部のおやつは姫奈先輩が法事で貰った〝雪花の舞〟。
夕子ちゃんはお喋りしながら白い雪花の舞を食べてるけど、お饅頭の上に白砂糖がかかってるせいか全部制服に溢れちゃってる。
舞「夕子ちゃんこぼしてる〜」
お友達の舞ちゃんが払ってあげてこれ以上汚れないよう自分のタオルハンカチを夕子ちゃんの膝に乗せた。
夏服はシャツが半袖になっただけでネイビーのジャンパースカートは変わらないから、お砂糖で真っ白に汚れるのが目立つもんね。
姫奈「メンカラとかウケる!何にしにそんなの決めるん?」
姫奈先輩は綺麗な細い足を組んでアイスカフェラテを飲みながら笑っている。
夕子ちゃんはいつも元気で発想力豊かなのよね。
何が飛び出てくるか分からないおもちゃ箱みたいで可愛いなと眺めた。
夕子「それはもちろん!!被らないためです!!」
美百合「はぁ?何が」
夕子「だーかーらー。水着とか、何か色で選ぶ時に他の人と被らないためによ」
ドンと胸を拳で叩き自信満々の夕子ちゃんに美百合ちゃんは呆れ顔。
どうして被っちゃダメなのかはわからないけど、
夕子「ほら、夏休みまったり部も課外活動するじゃない?みんなでお揃いのお土産買う時とか色決めといたら楽でしょ?」
一子「……課外活動?」
姫奈「あー、という名の遊びね☆まあそんなに決めたいなら好きな色でも1人ずつ言ってく?ん、これ意外とうま!!」
雪花の舞のお饅頭を1口、姫奈先輩も食べてるけどやっぱりお砂糖がこぼれてる。
これを上手に食べるのは難しいのねと私も1口食べるけど、案の定ざらざらと零れてしまった。
志保ちゃんがそれを見てくすくす笑ってティッシュを取って渡してくれた。
恥ずかしいな、子供みたい……。
夕子「あ、夕子はもうプールデート♡のためにピンクの水着買っちゃったんで私のメンカラはピンク固定で!」
舞・美百合「「デート?」」
夕子ちゃん……プールデートってもしかして……!?
私がドキッとするより早く舞ちゃんと美百合ちゃんが怪訝そうな顔をしている。
___も、もしかして彼氏とかかな。
ドキドキしながら志保ちゃんの腕をつい掴んでしまうけど、志保ちゃんは夕子ちゃんを見て片眉を上げてふっと笑うだけだった。
夕子「何よ、夕子にもデートの1つや2つあるの。
さ、メンカラ決めましょ?ピンク以外ですよ!」
姫奈「えープールデートうらやま!えー…好きな色でいいんでしょ?ならオレンジかな」
一子「姫奈先輩、シュシュもオレンジですもんね!」
元気な姫奈先輩はオレンジがぴったりで、何となく全員が納得したように頷く。
夕子「姫奈先輩はオレンジで!ほら次!舞!!」
舞「ん〜……黄緑かな〜」
夕子「黄緑ね!舞お茶好きだもんね」
舞「ちょ〜っとちがうけど〜……」
夕子「ささ、みんな好きな色順番に言ってってください!!」
好きな色か……。
本当は私もピンク色が好きなんだけど、夕子ちゃんがピンク色だから使えないし。
他に好きな色はって考えてると、
志保「一子ピンク好きじゃん」
一子「えっ……で、でも」
夕子「ぴ、ピンクはダメです!!1番夕子が似合うので!!」
バツ、と人差し指でうさこちゃんみたいにバッテンにしてる
志保「そっか。じゃあ一子は……そうだな、赤でどう?」
一子「赤かぁ……赤も好きだしそうしようかな?」
薫子「…………」
姫奈「ん?あー、『それだと水着は真っ赤なビキニですか?名探偵ルコはわかります!』だって」
一子「か、薫子先輩〜……」
3年の先輩2人にからかわれて顔が赤くなるのがわかる。
たしかにこの前は赤い下着をつけてたけど、あれお気に入りなんだもん。
志保「へぇ、私も一子の赤いビキニ見たいな」
一子「もう!志保ちゃんも早く好きな色行ってよ」
志保「黒?」
夕子「黒はダメです!!地味なので!!」
すかさず夕子ちゃんがダメだしをした。
志保「私が好きな色なのに?」
姫奈「じゃあ青にしなよ、しっぽが青で一子が赤、
ぴったりじゃん」
確かに背の高い爽やかなイメージの志保ちゃんは青が似合うなと水着姿を想像した。




