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5/14(水) 木下夕子の見た日常

・放送室にて

放送委員の夕子と美百合は昼放課に流す放送準備をしているが……




夕子「スイッチ……オフ、よし!」


美百合「できた?」


夕子「できたできた!完璧よ!」



私たち2人は1Aの放送委員。


私のキュートな声を全校生徒に聞いて貰った方がいいと思って張り切って立候補したけど、皆恥ずかしがり屋さんな子ばかりなせいかもう1人が全然決まんなくて……。


放送委員は2人1組なのに困ったな……って時に舞とゆりが同時に手を挙げてくれたの。


ゆりはじゃあ辞めるって舞に譲ろうとしたけど、担任がそれは公平じゃないからダメってジャンケンさせられてゆりの勝ち。



美百合「……何で放送委員なんか……」


夕子「何言ってんのよー、やりたかったんでしょ?ほら、ゆりはここ読んでね『お昼の放送の時間です』これだけよ。後はぜーんぶ私が読むから!」


美百合「はいはい、そんで読み終わったら…このボタンオンにしてリクエストの曲を流せばいいのね」


夕子「そゆこと!2曲かけたらすぐ戻ろうね!舞が1人でお弁当食べてて寂しいと思うから」


美百合「1人で弁当食べるだけで?」



ゆりは怪訝そうな目をしてみるけど、この子ホント顔に見合わず繊細さがないのよね。


黙ってれば次世代のいちい先輩になれるのに……。



夕子「寂しいに決まってんでしょ!! それに皆で食べた方が美味しいの!!」



ゆりは全然わかんないって呆れていて、実際やってみたら1人の食事のつまんなさが分かるのにってため息ついちゃった。


食事はおいしいねってみんなで気持ちを共有して食べるから美味しいのに。


それにしても……



夕子「ねぇ、志保様ってどんなお弁当食べるのかしら」


美百合「ウィダーインゼリーみたいなやつじゃない?あんなガリガリなんだから。それか檪先輩の手作り弁当つまむとか」



衝撃的すぎて私は目も口もめいっぱい開けてしまった。



夕子「な、な、な、何ですって!?!?……いちい先輩って美人で料理も上手くて……正直……」


美百合「正直?」


夕子「最高よね!!私も料理覚えて志保様にあーん♡とかしようかな」


美百合「邪、てか正直の流れだと大体悪口になるのにアンタってほんとポジティブね」



放送室の椅子に座ってゆりはごきごき首を鳴らしてるけど、足は開いておっさんくさいったらありゃしない。


向かいに座る私はその膝を両手でパンッと挟んで足を閉じさせた。



夕子「悪口なんてのはね、ブスのすることよ。大体堂々と本人に言えばいいのよ!アンタが綺麗すぎるせいで私の彼氏が一目惚れしちゃったでしょ!?悔しいからいじめてやる!!ってね」


美百合「堂々といじめる宣言するバカいる?」


夕子「実際いじめてたんだからハッキリ言ってからの方がいいわよ」


美百合「そういう問題?」



何回思い出しても私は合唱部が廃部になりかけた話が納得いかなかった。


だっていちい先輩は何も悪くないんだもの。


美人って心まで優しいから……気に病んでしまって……。



夕子「嫉妬なんて醜いわよ」


美百合「アンタまだそれ言う?」


夕子「言うわよ、いちい先輩は絶対悪くないの。元はと言えばその彼氏が悪いのにいちい先輩に言いがかりつけるなんて愚かよ!最初からいちい先輩が美人で嫉妬してたのね……彼氏うんぬんはいちい先輩をハブるちょうどいい理由でしかないのよ」


美百合「まぁ…それはそうかもね。ていうか今のこれも悪口なんじゃないの?」


夕子「これは悪口じゃないわよ。ただの事実。2年のブスがいちい先輩の綺麗さに嫉妬したのは事実だもの……ん?」



___あれ?


マイクのオンオフって赤ボタンだっけ?緑ボタンだっけ?


どっちが点滅してたらオンオフだっけ?


静かになった私の異変に気づいたゆりは私の視線を辿ると、



美百合「ねぇ、あんたこれマイクオンになってない?」


夕子「……赤がオフじゃないの?」


美百合「バッッッカ!!赤がオンだって最初の説明で再三言われたじゃない!!」


夕子「いったー!!!」



ゆりに盛大に頭をぶん殴られるけど、大体赤がオフってもんでしょ!?


紛らわしい方が悪いのよ!!



美百合「全部筒抜け___」


夕子「まぁいいわ!本当のことだもの!いちい先輩ー!!いちい先輩はやっぱりなんにも悪くないでーす!!さ、お昼の放送の時間です♡今日の放送は有栖川美々杏(ありすがわびびあん)とゆりりんのコンビでお送りしまーす♡」


美百合「ビビアンって誰よ!!あんたは木下夕子でしょ!?もう訳わかんないこと…うわヤバ!!」



早速曲を流そうとした瞬間、凄い剣幕の放送担当の先生が放送室の扉を鬼のようにノックする姿がガラス越しに見える。


絶対怒られると思うけど、私は何も間違ったことはしていないわ。


言いたいことがあるなら言いなさいと扉を開けて出迎えた。






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