記入者2:楠木舞
・旧音楽室にて
昨日と同じ場所でお喋り
夕子「ちょっとゆり!!何で部誌に文句書くのよ!!」
美百合「文句?」
夕子「まったり部に入りたくないなんて聞いてない」
夕子ちゃんはノート兼部誌を海棠に見せつけてる。
怒ってても可愛いな。
夕子「名駅の高島屋の本屋さんまで行って買ったノートなんだよ?綺麗で高かったんだから、ちゃんと書いてよ!!」
美百合「書いたじゃん出席番号も名前も、天気まで完璧だって」
夕子「内容のこと言ってんのよ!!それにあのショートケーキの美味しさが分かんないだなんて……」
美百合「あー、あのやけに甘ったるい苺ね」
夕子「あまおうだから甘くて当たり前でしょ!?」
〝プラス オ ソレイユ〟のショートケーキ。
本山にオープンしたばかりの時に2人で買いに行ってからずっと夕子ちゃんのお気に入りのケーキ屋さん。
ずっと通ってるなんて可愛いな。
美百合「ショートケーキなんてどれも大差ないよ」
夕子「あ、あんたには二度と、二度と食べさせないから……」
美百合「食べたいなんて言ってないし。てか何?毎日ケーキ買ってくるつもり?」
夕子「ケーキだけじゃないわよ。シュークリームとかマカロンとか…ちなみに今日は〝モロゾフ〟のプリンよ!」
美百合「あっそ、小遣い大丈夫なの?」
夕子「ま、まだ今月は大丈夫だもん。私ね、綺麗なものが大好きなの。昨日のショートケーキもこのノートも……このプリンの容器も見て!」
美百合「へー、小遣い足りないから全部1個しか買えないのか。なら私___」
夕子「もういい……舞ぃ……」
せっかく夕子ちゃんが写メのフォルダを開いて見せてあげてるのにどういうつもりあの女。
その一言で夕子ちゃんはぐるんと私の方を振り返り、口をへの字に眉毛を八の字にして抱きついてきた。
いい匂い、可愛いな。
舞「夕子ちゃんは月1万円のお小遣いから頑張って厳選して買ってるんだよね〜?何個も買えないよね〜」
夕子「そうだよ、山王女学園はバイトも禁止だし……ていうかゆり、もし食べたいなら自分で買ってきてもいいのよ?まったり部の一員なんだから!」
美百合「私甘いのそこまで好きじゃないんだよね」
夕子「人生損してる、もう大損、大借金人生よそれ」
美百合「食べてばっかだと顔に肉つくよ」
夕子「あ、あんたもう絶対にこのプリン1口だってあげないから」
美百合「だからいらないって」
夕子ちゃんが入学に式目をつけたのは同じクラスの海棠美百合。
夕子ちゃんに意地悪ばっかり言うし、早くどっか行ってくんないかな。
私と夕子ちゃんの世界を邪魔するこの女が早く消えますようにと願いながら、
舞「夕子ちゃん私とプリン食べようね〜」
私は可愛い夕子ちゃんの柔らかな髪を撫でた。
4/23(水)
夕子ちゃんがMorozoffのプリンを買ってきて
くれました〜。
相変わらずカラメルの部分は好きじゃないからって
私に全部くれました〜。とっても優しいです〜。
明日から部員を勧誘すると張り切る夕子ちゃんの
お手伝いを頑張ろうと思います〜。
まい