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記入者7続:櫟一子

・旧音楽室にて




夕子「わ、わ、私なんか……私なんか毎日20回は……リップ塗り直しても……色落ちするのに……いちい先輩は……ずっと真っ赤なままなの……?」


一子「えっ……えぇっと……」


夕子「神は不平等よ……私もいちい先輩も共に超超超可愛いのに……唇の色で差をつけて……」



打ちひしがれて泣く夕子ちゃんの後ろで美百合ちゃんは大きなため息をついてるけど、姫奈先輩が大口開けて笑い始める。



姫奈「韓国のやついいよ?Lakaのティントとかは割と色落ちしないし」


夕子「つやつやにもしたいから……ティントだと……」


姫奈「hinceは?艶感すごいし色展開多いし神だよ」


夕子「今日それ試しに行きます!」


メイク大好きな姫奈先輩のアドバイスにさっきまで泣き真似していた夕子ちゃんは顔を輝かせてヒシとその腕に強く抱きついてる。


良かった。


いつもの元気な夕子ちゃんに戻ったみたい。



舞「でも〜夕子ちゃんは〜デパコス欲しいって言ってなかった〜?」


夕子「それも買うけど姫奈先輩のオススメのも買いたいの」


美百合「結局櫟先輩はすっぴん美人で何にもしなくても綺麗ってことじゃん」



美百合ちゃんは私を見ながらそう言うけど私なんて全然美人とかじゃないからと慌てて手を振った。



夕子「わ、私だってこの通りすっぴんも可愛いわよ!ブスだからメイクするんじゃないからね!」


舞「夕子ちゃんは〜そのままで〜可愛いよ〜」


夕子「ありがとう。もちろん私は舞の言う通り何もしなくても可愛いの」


美百合「じゃあ何もしなくていいのに」


夕子「そーいうことじゃないの!メイクは魔法みたいなものなの!いつもと違う自分を楽しめて更に自分の気持ちも高まるハッピーなおまじないってこと」



だから私はメイクするのよ、と夕子ちゃんはキッと美百合ちゃんを睨む。



一子「おまじないかぁ……私もやってみたいな」



夕子ちゃんの力説を聞いてポロッと溢れた私の本音に全員の視線が集まる。



志保「一子はまだそういうのしなくていいんじゃ__」


薫子「……ワタシモシタイ」



志保ちゃんが何か言いかけたけどあまりにも久しぶりに聞いた薫子先輩の声に全員の視線が移動する。



姫奈「なになに!2人ともメイクしたいの?なら次のここでの集まりでアタシ家にあるありったけの化粧品持ってくるよ!」


夕子「いちい先輩もルコちゃん先輩もより可愛くなるなんて最高!!私も全部持ってきます!!」



急に夕子ちゃんに抱きつかれてビックリしてしまう。


目が合えば自信に満ち溢れた大きな目がキラキラと輝いてまつ毛が上向きでとっても可愛い。


……私もメイクしたら夕子ちゃんみたいに、自分に自信を持てるかな。



美百合「えー、意外。あんた櫟先輩がより可愛くなって悔しいとかないんだ」


夕子「ゆりってほんとバカね。そんな醜い嫉妬はねブスのやる事なの。〝この世の女の子は誰もが可愛く、そして私が1番可愛く〟が夕子のモットーなのよ!」



力強く胸をドンと叩く夕子ちゃんはますます輝いて見えた。



夕子「全然似合わなかったリップとかアイシャドウ2人なら似合うかもなぁ……皆顔の系統違うからいつもはしないメイクが試せるのも最高!」


舞「良かったね〜、夕子ちゃん〜」



楽しそうにワクワクしてる夕子ちゃんを見てると私まで明るい気持ちになってきた。


実は前から姫奈先輩の目の上がキラキラしてたり、まつ毛がパッチリ上がっているのが素敵だなってちょっとだけ興味があったんだ。



志保「…………」


一子「ね?志保ちゃんも一緒にお化粧しよう?」


志保「私はいいよ」


一子「どうして?志保ちゃんはとっても可愛いから、もっと可愛くなるよ」



気恥しいのかふいと視線を逸らす志保ちゃんはとっても可愛くて、そう言えば志保ちゃんと2年も同じクラスなのにこんな話題をしたこたがないことに気がついた。



一子「……」



ふと音楽室を見渡せば皆笑っていて、以前の合唱部とは全然違う。


こんな風に自然体で過ごせるのは久しぶりで私は何となく感動して動けなくなってしまった。



志保「……どうしたの?一子」



察しのいい志保ちゃんが私を見て怪訝そうな顔をしているので慌てて何でもないと微笑んだ。



姫奈「まじで妖怪百目玉くらいアイシャドウあるから覚悟して」


夕子「私も妖怪唇オバケくらいリップあるんで!え!それなら早速明日やりません?そしたら化粧したまま帰宅してそのまま遊びに行けちゃう!」


姫奈「いいね!天才!!」



2人の提案に全員が笑ってて私も自然と笑顔になれる。



……嬉しいな、楽しいな。



優しくて可愛い後輩が来てくれて。


どこか少しだけ不安だった私の気持ちは今日の夕子ちゃんの一言で綺麗に消えていった。



夕子「さ!今日のスイーツは___」


一子「あのね、今日は私も皆にミニカップケーキ作ってきたの!よかったら食べて!」



紙袋から取り出した色とりどりの7個のカップケーキを並べて、ここでまた何かが新しく始まる予感に胸がときめいた。




5/1(木) 一子


今日の部誌担当は2年生の櫟一子です。

自分では意識したことがなかったけど、私の唇は

真っ赤らしくてちょっと恥ずかしくなりました( ˊᵕˋ ;)

金曜日は皆でお化粧する約束をしたので、

これで私も大人への第1歩!

楽しいまったり部の様子をこれからもここに

纏められるよう頑張ります!


本日のスイーツ

・私が作ったミニカップケーキ

・舞ちゃんがいれてくれたセイロンティー

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