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記入者7:櫟一子

・旧音楽室にて

夕子が一子に言いたいことがあると迫り……




一子「あ、あの……夕子ちゃん?」


夕子「さぁ、いちい先輩!白状してください!」



ドン、と机を叩いたのは最近合唱部兼まったり部?に入部した1年生の夕子ちゃん。


向かいあって座っているけどぷくっと頬を膨らまして拗ねたようなお顔がとっても可愛らしい。


夕子ちゃんはいつも元気で明るい笑顔がチャームポイントの女の子なんだけど……。


今日は志保ちゃんと3年生の先輩たちか掃除当番で遅れてくるって連絡貰ってたのもあり旧音楽室にいる先輩は私だけ。


初めてできた3人の可愛い後輩に食べてもらおうと、私は自宅で朝一番にミニカップケーキを焼いてきたの。


どうぞと言う間もなく部屋に入った途端に夕子ちゃんに後ろから肩を捕まれ強制的に椅子に座らせられた。



夕子「いちい先輩ってほんとはメイクしてますよね?」


美百合「どうでもいいじゃん、そんなの」


夕子「どうでもよくない!!いいですかいちい先輩?一応うちの学校ではメイク禁止なんです!!」



凄い迫力なので一応頷いてみるけど、もちろん私はメイクなんてしていない。



舞「夕子ちゃんは〜櫟先輩が何の化粧品使ってるのかが気になるんです〜」



な、なるほど……。


舞ちゃんが何が言いたいかを説明してくれて良かった。


確かにそれは可愛い夕子ちゃんの興味がありそうな内容ね。


山王女学園は一応メイクは禁止になっているんだけど、生徒指導がない日以外はこっそりメイクしてる子もいる。


その1人が姫奈先輩で、メイクもヘアアレンジも大好きと公言してるくらいだから姫奈先輩に聞くのが1番良さそうだけど……。



夕子「いちい先輩の化粧品を暴く!そして私は志保様に『可愛いね……夕子ちゃん……』って囁いて貰うのよ!」



夕子ちゃんは拳を握りしめて気合いを入れてるけど志保ちゃんのファンらしい。


志保ちゃんは同級生のファンクラブもあるくらいだから、後輩が出来ても人気者になるんだろうなって思ってた。


志保ちゃんは優しくて、可愛くて、お茶目なところもあって……。


私の大切なお友達がこんなに好かれて誇らしい。



美百合「化粧品ぐらいで顔なんて変わる?」


夕子「変わるわよ!さぁいちい先輩教えてください!!こっそり私だけに!!何の化粧品を使ってるのか!!さぁ!!」



夕子ちゃんはじっと私の目を見つめて答えを待ってるけど、



一子「あ、あのね、夕子ちゃん。申し訳ないんだけど私お化粧してないよ?」



その一言で1年生3人は固まった。



一子「恥ずかしいけど……お化粧したことないんだ」


舞「え〜本当にノーメイクですか〜?」


一子「う、うん……」


夕子「ふふふふふ」



これで解放してもらえたらカップケーキを出そうとしていたのに夕子ちゃんは少し不気味な笑い方をし始める。



夕子「ダメですよ?先輩ったら嘘ついちゃって♡その真っ赤な唇でリップ塗ってないは嘘バレバレです!さ、夕子に教えてください、それはどこのティントですか?」


一子「え、えっと……」



ずいと私の顔スレスレに夕子ちゃんが覗き込んできて、どうやったら伝わるかと悩んだ瞬間、



志保「一子、お待たせ」


一子「し、志保ちゃん……!?」



立て付けの悪い扉を開けで志保ちゃんは登場した。



夕子「し、志保様!!」



隣の椅子に座った志保ちゃんは長い人差し指でくいとの私の顎を掬う。



志保「私にも教えてよ一子、いつの間にティントなんて使ってたのか」



吸い込まれそうな大きな瞳にじっと見つめられて困ってしまう。


よく見れば少し笑っていて、志保ちゃんったら本当にいたずらっ子なところがあるからなぁと微笑んだ。



夕子「し、し、し、志保様!私も顎クイってしてくださぁい…!!」


志保「やだ」


夕子「そんなーっ!いちい先輩だけズルいーっ」


姫奈「おまたせー!いやー、掃除長いのなんの……って……何の話してたん?」



続々とみんな集まってきてくれて助かった。


どうやってお化粧してないって伝えたらいいかわからなかったんだもの。



美百合「櫟先輩の使ってる化粧品?リップはどこのだって夕子がうるさくて」



美百合ちゃんが姫奈先輩に説明してくれて、ふと一つだけなら夕子ちゃんに使って貰えるものを教えてあげられることに気がついた。



一子「あ、夕子ちゃん、私もリップは使ってるよ?ほらこれ」



ポケットからいつも持ち歩いている携帯用保湿ワセリンケースを取り出せば、夕子ちゃんを筆頭にまた1年生はピタッと固まる。


何かおかしなことを言っちゃったかなって心配してると、



夕子「じゃ、じゃあその真っ赤な唇は!?何なんですか!?」


姫奈「一子の唇がシンプル赤いんじゃね?」


夕子「そ、そ、そんな……ティッシュ!誰かティッシュありませんか!?いちい先輩のその赤く熟れた唇をティッシュオフしたら判明するはず」


薫子「…………」



薫子先輩がそっとティッシュを差し出せば、夕子ちゃんは2枚ほど取り出してそのまま私の口に当てようと近づいてくる。



志保「待って、……ほら?」


一子「んっ」



でもそれより先に志保ちゃんが私の唇を人差し指で拭って、何もつかないよと証明するように皆に見せた。



志保「一子は口紅なんか使わないもんね?」


美百合「……うわ」


舞「うわ〜」



満足気に笑みを浮かべる志保ちゃんに皆が呆れていて、私が何だか恥ずかしくなる。



姫奈「しっぽアンタさぁ……ん?何ルコ?あーね?それ令嬢?の王子とやってることが同じだってさ」



恥ずかしくて下を向くと、そのまま崩れ落ちた夕子ちゃんと目が合った。




櫟一子です。

部誌を書くのは初めてですが丁寧に書きます!

次のページに続きます。

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