記入者5続:海棠美百合
・旧音楽室にて歓迎会続き
ウエハースばっか食べてるから児ポみたいにゆるっとした感じになるんじゃないの?
本当のことを言っただけなのに夕子に咎められて何だかな。
舞「ところで夕子ちゃんは何持ってきたの〜?」
夕子「わ、わ、わ、私!?私は……そのぉ……」
楠木、その感じで夕子の気を逸らしといてよと見れば、お茶会って死ぬほど張り切ってた本人が変に言い淀んでる。
美百合「何、あんたまさか持ってくるの忘れたの?」
夕子「忘れてない!忘れてないけど……」
わなわなと震える夕子が面倒くさくて、私は先に通学カバンから自分の持ってきたものを取り出した。
同時に楠木も自分の持ってきた夕子好みの甘そうな菓子を紙袋から出して机に置く。
夕子「ちょっと、ゆり何よこれ!?お菓子パーティーなんだよ!?」
美百合「甘いのばっか飽きない?」
私は自分で食べようと買っておいたミニカップ麺を7人分タワーみたいに積み上げてみせたが夕子は気に入らないみたい。
夕子「んもーっ、舞がケトル持ってきたことに感謝しなさいね!危うく食べれないとこだったわよ!」
美百合「あんたも食べるんじゃん……」
夕子「た、食べないわよ!それに比べて舞はお茶会の趣旨ってものをよく分かってるわねー♡」
夕子は大好き大好きと楠木に抱きつく。
ケッ、何よ。
楠木は宝石箱みたいに詰め込まれたマカロンを持ってきていて、多分昨日夕子がびーびーうるさかったから買ってきたんだろうな。
夕子の何がそんなにいいんだか。
ここまでくるとそもそも楠木がメイド気質とか?
わからないけど何でもかんでも従順に言うこときくなんて弱みでも握られてるのかしら。
一子「ティーセットとかケトルとか、これ誰が持ってきたの?」
舞「私です〜車で持ってこさせました〜」
着々と旧音楽室を侵略し始めるティーセットやらケトルやらを櫟先輩は不思議そうに眺めてるけど、夕子が望む限り楠木は何でも言う事を聞くからそのうちここは魔改造されるに違いない。
普段は鍵をかける事にしたって夕子が張り切ってたけど、先生にバレたら連帯責任になるのかな。
姫奈「にしてもノープランで甘いもんと塩っぱいののバランス取れすぎじゃん?てかこれピエール・エルメのマカロン!?アツすぎ!!」
さすがギャル、色々目ざとい。
そんな中で男女は1人足を組んで椅子に座ったままのんびりとこの様子を眺めている。
夕子「あのー、し、志保様は何を持っておいでで……?」
志保「ほんとにやるなんて思ってなかったから。私は何も持ってきてないよ」
一子「もう志保ちゃんたら」
夕子「へ、へぇー……」
男女の顔を見ながら器用に夕子が自分の持ってきたであろうタッパーを誤魔化すように隠そうとするのを見つけて、後ろからひょいとそれを奪った。
夕子「ああっ!!ちょ、ま、!!」
中身は何なのよと私がタッパーを開けると、
美百合「ハートのクッキー……にしては大きくない?」
舞「わ〜、夕子ちゃんいつものホットケーキミックスで焼いたんだね〜美味しそ〜」
楠木のバカは何でも夕子を絶賛でアホらしい。
でも確かにアメリカのクッキーみたいなソフト感で、
美百合「櫟先輩のクッキーと全然違う___」
夕子「ゆりの意地悪っ、バカにしないでよ!!もう食べさせてあげないんだから!!」
……。
全然違うけど美味しそうだね、って言おうと思ったのに人の話は最後まで聞きなさいよ。
もう言ってあげない。
姫奈「まーまー!手作りなんて夕子も充分女子力高いって!ねぇルコ?」
児ポ先輩はコクコクと頷いてるけど、確かにわざわざ作ってくるのは櫟先輩同様夕子も女子力高いなと泣いたふりをして楠木に慰められる夕子を眺める。
姫奈「えーこのティーセットで乾杯の音頭は変だけど……えっと?合唱部withまったり部の歓迎会はじめまーす!かんぱーい!!」
ギャル先輩がティーカップでアールグレイを煽るとすぐに美味しいと騒ぎ始める。
楠木に変に睨まれたりってよくあるから毒でも入ってないか疑ってたけど1口飲めば香り高く美味しかった。
一子「夕子ちゃん、クッキー1枚貰ってもいい?私のと交換しよ?」
夕子「……いちい先輩のとは違って雑な味ですよ。あっ、志保様?1番大きいハートのクッキー志保様に食べて欲しくて!はい♡あーんしてくださ…」
志保「いらない」
ガーンと打ちひしがれる夕子をなんかもうここ数日で何百回も見た気がする。
一子「志保ちゃん!……夕子ちゃんいただくね。ん!美味しい!ホロホロで食べやすい」
志保「……ねぇ、一子。舌火傷した」
一子「え!?志保ちゃんたら猫舌なのにすぐ飲んだの?」
……とっくに茶なんか冷めてますよ櫟先輩。
男女は櫟先輩が夕子と話すのが気に入らないのか気を引こうと舌を出して見せてるけど……。
大丈夫?と心配してる櫟先輩と変に優越感丸出しの男女を見て夕子はまたショックを受けてるけど、その隙に夕子の手のクッキーは楠木がパクリと食べた。
姫奈「ゆりー?このカップ麺1個貰っていい?」
美百合「はい、どうぞ」
姫奈「サンキュー!チリにしよかな、これに温玉かけると美味しくてさ___」
ギャル先輩はそのまま楠木にも同じように話しかけに行ってて男女のキモさから私も気が程よく逸れる。
ギャルってどこでも誰にでもコミュ力高いってほんとなんだ。
それにしてもここが合唱部だったなんて思いもしなかったわ。
よくよく考えたら夕子のバカが申請なんてしてるはずがないんだけど、普通あんなに堂々と設立とか言われたら手順踏んでると思うじゃない。
薫子「……」
美百合「……」
…………児ポ、こっちガン見しすぎじゃない?
私の口に何か付いてるのかと口元を拭いてみるけど違うのか首を横に振っている。
姫奈「ん?ルコどした……あー!ウエハースね?開けて欲しいんだ、皆ウエハース開けてー」
志保「……白樫さんいい加減諦めてくださいよ」
男女の呆れたような言い分的に多分児ポ先輩の目当てのおまけは一生出なくて、更には後輩であるこの2年生2人が付き合わされてるのね。
夕子「ルコちゃん先輩、お待ちくださいね!私が超レアを引きますから!」
一子「先輩のそれ中々出ないんだよね……2月くらいから引いてるんだけど……」
舞「パチより確率低いんですね〜」
このアニメ?の話になると楠木はやけにパチンコの話をし始めるけど一体何なの?
とりあえず目の前のウエハースを適当に手に取り開けると、
美百合「……あ」
夕子「何よ……え!!!ヤバいキラキラしてる!!!」
舞「海棠、人生の運全部使ったんじゃない〜?」
私の手には制服姿の銀髪の男の子が描かれたキラキラと光るシルバーのカードかあった。
4月28日(金) 曇りのち晴れ
歓迎会をしました。
よく考えたら初日も歓迎会をしたので、お茶会が
正しい気もします。
皆ほとんど初対面なのに、全然普通に話せてて
馴染んでるなと思いました。
白樫先輩のウエハースを皆で開けた結果、私が目当てのレアカードを引きました。
私は興味がないのでそのまま白樫先輩に譲ったら
嬉しそうにくるくる回ってました。
話によると、私はそのアニメに出てくるキャラクターに似てるそうですがあんまり嬉しくなかったです。
1年A組6番 海棠美百合




