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39話

「鍛錬をサボって女の子と遊びに行くなんて随分と余裕じゃない?」


 エリクさんの隣に居るリリアさんが、腕を組みながら言う。


「え? リリアさん?」

「お、俺っちはリリア様に頼まれて付いて来ただけだかんよ!?」


 と、自分は危害を加える気は無いとアピールを見せるコーズさん。


「はーっはっはっは、この世のリア充を成敗する為にカイル君の行動を監視させてもらったのだよ」


 メガネの中央を人差し指でクイッと持ち上げながら言うエリクさん。

 さっきから言っているリア充って何なんだ? いや、そんな事よりも、ここにエリクさん達がやって来るって事は今日ここに俺とルミィさんが遊びに来る事が知られていたことになる。

 俺は誰かにこの事を言った記憶は無いが、いや、ルミィさんが誰かに言ったのか、なら仕方ないか。


「えええええ!?!?!? ひどいよエリクさん!」


 自分の邪魔をされたルミィさんが頬を膨らませながらエリクさんに抗議をする。


「フン、私だって周りから邪魔されるのよ、カイルを狙う以上当然の事と思いなさい!」


 リリアさんが、ルミィさんにビシッっと指を差しながら言う。


「わ、私だって教会のみんなに邪魔されたばかりだもん」

「関係ないわね」


 リリアさんとルミィさんの間で物凄い睨み合いが始まる。

 俺としては二人に争って欲しいとは思わないけど、この空気の中で何か言える気がしない。


「ふはははは、そういう事ですカイルさん、お二人はこの私、エリク・ロードが頂いて……」


 エリクさんが得意げな決め台詞を言いながら、リリアさんとルミィさんの肩を手に取ろうとしたところで、


「アンタはルミィちゃんが居るでしょ」

「お姉ちゃんが居るでしょ!」


 リリアさんとルミィさんが、エリクさんを避ける為ほぼ同時にバックステップを踏んだ。

 その結果、二人に向け勢いよく飛び込んだエリクさんは、勢い余って地面に向ってダイブしし、見事なまでに顔から倒れこみ地面に突っ伏せたのだった。


「ははははは、このエリク・ロード、女の子に一度や二度振られた位で諦める程ヤワな男ではない!」


 地面に突っ伏したエリクさんが立ち上がり、拳を握り締め天に突き上げながら言う。

 絵面だけ見れば、地面に向け倒されても根性で立ち上がって尚も戦う意思を見せかっこいいのだけども、いかんせんエリクさんの言っている言葉を考えると何一つとして共感する事が出来ない。

 と思っていると、トコトコトコと可愛気な足音を立てながら1体のコボルドが此方に向っている事に気が付く。

 そのコボルドは何やら王冠を被っていて、ふれあい広場に居るコボルド達とは一風変わっている様にみえる。王冠を被っているところから何やら偉い立場のコボルドに見えるが……。


「わんわん、エリクさんお久しぶりだわん、素晴らしい熱弁だわん」

「ははははは、これはこれはコボルドキングさんお久しぶりですね、これから僕の有志を皆様にお見せするところでした!」


 エリクさんがコボルドキングに対して得意気に言うが。


「わんわん、楽しそうな事言うわん? 楽しそうなところ悪いわん」


 コボルドキングは、トコトコトコトコとエリクさんの足元まで歩くと右手の平をエリクさんの前に突き出すと、


「わんわん、エリクさん、転移魔法で入って来たわん。幾らエリクさんがハイ・ウィザードでも入場料はちゃんと払ってもらうわん。エリクさんの転移魔法で中に入って来た3人分の入場料を払ってもらうわん。入場料さえ支払ってもらえばエリクさんの雄姿はお好きにすると良いわん」


 エリクさんに入場料の請求をした。

 わざわざコボルドキングがここまでやって来たと言う事はつまり、エリクさんが発動した転移魔法の魔力を探知したことになり、キングの名は伊達でないと感じ取れる。


「ははははは、すみません、入場料お支払いしますね」


 エリクさんは、コボルドキングに対し4人分・・・の入場料を渡した。


「多いわん?」

「いえ、僕の作戦ですのでお支払いします」


 エリクさんが小声でコボルドキングに言う。


「そうかわん? 何か事情があると思って知らない事にしたわん」

「お気遣い感謝します」

「大した事じゃないわん。エリクさん、ここに来たついでだわん、コバルトは要らないかわん?」


 コボルドキングは、エリクさんから受け取った入場料を懐にしまいながら言う。


「そうですね、折角ですのでコバルトの錬成を10個分お願いします」


 エリクは、コボルドキングに必要な銀とお金を手渡した。

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