ヘクセンナハトの廃棄物
『せいれい』です。
「なんだこの光景…何人が死んだんだよ…。」
「気を付けろ!尖った石が物凄い速さで飛んでくるんだ!」
「『奴』に気を付けろ!」
「この生物はなんだ!?」
「その生物が『奴』だよ…そいつの仲間がみんな殺したんだ…」
「殺した…!?な…なんで…!?あいつらが!?」
「俺の子供が居ないんだ!」
「痛い!痛いよぉおおお!」
「殻が硬い…あいつら鎧虫かよ!外皮が硬いんだ!」
」
「待て、透視した…こいつら中に骨がある。外郭が張り付いてる訳じゃない!」
「大きい虫って訳じゃない…むしろ俺たちに似ているぞ?」
「外皮…というより、鎧か?」
「一体何で出来ているんだ!」
パァン!
「うわっ…」
「いやぁああ!!」
「急に石が飛んできて、体を貫いたぞ!」
「魔法を使え!!持ってるものを奪うんだ!」
「追い込め!拉致しろ!」
「???????」
「言葉わかんねぇぞ!攻撃やめろ!」
「????????????」
「なんだこいつ!石板を触ってやがる」
「この石板!光ってるぞ!」
「あ?なんか音が鳴ってる?」
「何か言っているぞ?この世の言葉じゃない!?」
「お前ら!どこからやって来たんだ!」
『??????????』
「言葉が通じねぇみたいだな?」
「うあ!痛い!なんだ?」
「うわぁああ!変な煙が!」
「なんだこの煙!意識が…」
「…」
───────────────────────…
「ミモザも成霊期かぁ…」
「うん!どんな事が出来るようになるのか楽しみ!」
「うふふ…明日は『クェドナ』にしましょうね!」
「ママ!『クェドナ』ってどんな味がするんだろう!」
「うーん…そうねぇ…凄く渋くて辛くて…全身がビリビリする味よ。」
「うへぇ!聞いてもいまいちピンと来ないんだよなぁ…『クェドナ』ってまずそう!私『クェドナ』食べれるかなぁ…」
「そりゃ、マナを促進させる薬みたいなものだからなぁ…でも元気になれるんだぞぉ!ママとエ◯チする時だって『クェドナ』使ってるんだからな」
「ミモザの前でそんな話やめなさい!」
「パパさいてー!」
そこは精霊の世界。
精霊は体内のマナを代謝して、それぞれの概念を支配することができる。司るものは精霊によってそれぞれ、異なっており、生まれ持ったその信条に応じた効果が発現する。
世界には『限り』が存在しており、宇宙のサイズは有限であることが確認されていた。それ故に、限りある資源を共有するため、概念を協力しあって共和していた。
「成霊式を始める前に…一言…クォジヲラ建国785年…限りあるこの星で…我々、精霊は力を合わせ、生き永らえてきました…我々のこの世界は…聖霊クォジヲラの産み出した、『ヘクセンナハト』の廃棄物である…。
民よ…ああ…クォジヲラの民よ…よく生き永らえて来た…。
この、聖王クォジヲラ・バアル…君たち新成霊の信念を占い、導いてみせましょう…。」
胸に手を当て、涙を流し…王に伏していた…。
とてもクェドナが美味しいです。