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3.アカネ権現!

「アカネだったのか、全然気づかなかったぞ。」


「暇を持て余してたわけじゃないけど言い忘れたことがあったのよー。

 ってかひどいじゃない!」


「襲撃されたと思ったからな。悪かった。

 それよりも受肉までして来るなんて何か用があったのか?」


「言い忘れてたことがあったから伝えに来たのよ。

 寝てるみたいだしせっかくだから好みの肉体に抱きつこうと思ったのに…」


寝てるから気を使って声をかけなかったというのだろうか?

突然抱きつかれる方がよほど無神経だと思うのだが…


「すまなかった。でもわざわざ降りてくる必要はなかったんじゃ?」


「それはそうだけど、たまに権現してるからせっかくだしと思って。」


たまにとは言え、自らが創った世界に降り立っているのか…


「なるほどな…それで言い忘れてたことって何だ?」


「そうそう、ここにはあなたの他にも暇潰ししてる神がいるよーってね。」


確かに重要な情報だ。地球の管理者からなるべく神同士の争いは

しないでくれと言われているし、気付かずに対立したら面倒だし。


「え、そうなのか。挨拶とかした方がいいのかな?」


「気にしなくていいんじゃない?ってかむしろ追い出してほしいくらい。」


アカネは心底嫌そうな表情を浮かべている。


「そんなに気に食わない相手なのか。」


「何か理由があってってわけじゃないんだけど…

 何となく嫌いとか苦手な相手っているじゃない?

 ああいうのを生理的に受け付けないって言うのかしら。」


「確かにそういう相手っているな。俺がそうじゃなくてよかったが。」


「おっさんの造形がうまい人に悪い人はいないって言うからね!」


「初耳だ…」


「で、どう?この世界は?楽しめてる?」


まだ降り立って初日の夜だから感想を言える段階ではない。


「今のところは。多少の手抜き感はあったけど満喫してるよ。」


「何よその言い方ー!でもよかった。

 つまんないから帰るって言われたらヘコんじゃうもの。」


「アカネでもヘコむことがあるんだな。」


「そりゃ元人間だもん。

 頑張って創った世界をつまらないなんて言われたらヘコむよー。

 神っぽくはないかもしれないけどこれがアタイ。」


「色々な神がいてもいいんじゃないか?新参の俺が言うのもなんだけど。」


「…ありがと!せっかくだから一ハグしてっていい?」


「どうぞどうぞ。」


「んー。堪能した。やっぱヒゲオジはいいわね!」


「そりゃよかった。こんな体でよければいつでも貸すよ。」


「そうね。権現の頻度が増えちゃうかも。あ!忘れてた!

 13桁の温度を持つ火(ツェットン)は使用禁止ね。あせったわよ。」


「あー、あれは悪ノリというか…

 どっちにしろもう使う気はなかった。ごめんごめん。」


「そう、なら大目に見ましょう。それじゃーまたね!」


「また。」


アカネが肉体ごと消え、辺りは再び静寂に包まれた。

しかし半端な時間に起きてしまったな…

日の出までは時間がありそうだしもう一眠りするか。



目を覚ますと空が白み始めた頃だった。寝転がりながら太陽が顔を出すのを待つ。

地平線からの日の出は初めて見るな。

昨日は狩るのに夢中になりすぎて日没を見逃したからなおのこと感慨深い。

辺りも明るくなってきたし、動物を狩りながら町に向かうとしよう。


昨日は発見できなかった動物もいたので殴ったり蹴ったりして倒していく。

遠距離で倒しても結局ドロップ品を拾いに行くので対して効率は上がらなかった。

もちろん置換(リプレイス)で手元に移動させることはできるが、

個人的には無粋だと感じるのでやらない。


ゾウ:B

カリファ大陸南部に生息する大型の草食動物。鼻による攻撃や踏み付けが強力。

 ドロップ

 ・ゾウの耳

 ・ゾウの皮

 ・ゾウの鼻


ゾウの耳:B

 文字通りゾウの耳。薄さの割に強度がある。


ゾウの皮:B

 文字通りゾウの皮。かなりの強度を持っている。


ゾウの鼻:B

 ゾウの鼻を模して作られた鞭。見た目とは裏腹に攻撃力は高い。



サイ:C

カリファ大陸南部に生息する大型の草食動物。突進がとにかく強力。

 ドロップ

 ・サイの角


サイの角:C

 文字通りサイの角。薬や武具の材料になる。



ヌー:D

カリファ大陸南部に生息する草食動物。突進や角による突き上げが強力。

 ドロップ

 ・ヌーの肉

 ・ヌーの角


ヌーの肉:D

 文字通りヌーの肉。鹿牛の肉と違い、脂身もある。


ヌーの角:D

 文字通りヌーの角。装飾品等の材料になる。



ダチョウ:D

カリファ大陸南部に生息する草食動物。蹴りが強力。

手懐ければ乗って移動することも可能。

 ドロップ

 ・ダチョウの卵

 ・ダチョウの羽根


ダチョウの卵:D

 文字通りダチョウの卵。殻が厚いため、賞味期限などはない。


ダチョウの羽根:D

 文字通りダチョウの羽根。身に着けるとほんの少し体が軽くなるため、

 冒険者はもちろん体重を気にする女性にも人気がある。



ダチョウに乗れるのか!次見たら試してみよう。

…それにしても肉食動物はいないのだろうか?

今まで遭ったのは地竜含めて全て草食だったな。


そういえばここに来てから人にも全然会ってない。女剣士くらいのものだ。

もっと町に近づけばいると願いたい。



ダチョウを見かけたのでジャンプして騎乗体勢をとる。

いい高さになったら自分をダチョウの背の位置に置換(リプレイス)

ははは、びっくりしてるな。ダチョウはあらぬ方向に走り出した。

二足歩行の割には上下の揺れが少なく、確かに騎乗に向いている。


しかし町から離れていってる以上はずっと乗ってもいられないので飛び降りる。

ダチョウはそのまま走り去って行った。攻撃してこないこともあるんだな。



結構走ってきたつもりだったが町は見えてこない。

アフリカの広さをなめていたようだ。このままではまた夜になるかもしれない。

周りへの影響も考慮して音速手前くらいにスピードを上げた。

少しすると街道らしきものが見えたのでそちらに移動して走り続ける。


もう少し経つと遠くに町らしき影が見えたので歩くことにした。

この距離なら日のある内に着くだろう。


しばらく歩いていると動物相手に戦っている人がちらほら見えてきた。

武器で戦う者、魔法らしき攻撃を繰り出す者、一息ついている者…

訝しげにこちらをジッと見ている者もいたが気にせず歩き続ける。


太陽が高度を下げ始めた頃、ようやく町についた。

町の入り口には門番と入場待ちをする行列がいる。無事に入れるといいが。

2020/03/23

文章の細部を修正&追加しました

話の流れは大きく変わっていません。

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