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99.欲深なソーセージ

先に見ておいてよかった。

出たらいきなり目の前に老人がいたらびっくりするだろうしな。

向こうからはこちらが見えていないだろうが…


「この老人は何か俺に用事があると思うか?」


「ソウ考エルノガ自然ナ気ガスルナ。」


「ウィリスに似ている…ということはここの冒険者組合長かもしれないな。」


「ソレハ少シ早計デハナイカ?息子カ孫ノ冒険者ガ心配デ…

 ナドトイウコトモアルカモシレナイ。」


「そうかもしれないな。とりあえず出てみるか。」


「ソウダナ。」


出口から町に戻ると先程見た通り、目の前には老人がいる。


「儂はこの町の冒険者組合長をやっとるブルースというものじゃ。

 お主がポノで間違いないか?」


予想通り組合長だったようだ。


「そうだが…何か用か?」


「詳しい話は冒険者組合の中でしたいのじゃが同行してくれるかのう?」


ダンジョンから戻ってきたところにそれか…せめてもう少し早ければな。


「それなら断りたい。何せもう日が暮れるからな。

 アビンザに帰って食事にしたいところだ。」


「では後日改めて…と言いたいところじゃが

 明日もこのダンジョンに来るとは限らんからのう。」


「そうだな。依頼を受けでもしないとここには当分来ないだろう。」


「では食事をしながらではどうじゃ?」


この町の食事に興味はあるが何となく嫌な雰囲気だ。


「キリン肉が俺を待ってるんだ。そんなに込み入った話なのか?」


「ぬう…では単刀直入に言うが

 ダンジョンでのドロップを買い取らせてほしいんじゃ。」


「ここの組合は経済的に厳しいのか?」


「そういうわけではないんじゃが…ウィリスの話を聞いてしまうとのう。」


「ウィリスとはどういう関係だ?組合長仲間というだけではなさそうだが…」


「ウィリスは儂の双子の弟じゃよ。」


「なるほど、それで見た目が似てるんだな。

 それでウィリスから何の話を聞いたんだ?」


「ポノという冒険者が現れてからというもの、

 難しい依頼を次々に達成してくれて助かっていると言うておったぞ。」


ウィリスの中では好印象だったようだ。こっちが目を瞑ってる部分もあるしな。


「概ねその通りだが…それで何でドロップの買取りの話になるんだ?」


「難しい依頼を達成してもらったということは

 それだけ組合が潤ったということになるじゃろう?」


それをやる下地があったということは理解していないようだな。


「依頼をやった結果そうなっただけだ。

 ウィリス他アビンザの組合員には世話になってるからな。」


「それだけの力があるならドロップを売るくらい何でもないじゃろ?」


ダメだなこりゃ…さっさと切り上げよう。


「労力の問題じゃないな。

 世話になっているわけでもない町の組合にそこまでしてやる義理はない。」


「じゃが…」


「だいたい帰ろうとしているタイミングで声をかけてくるのもどうかと思うぞ。

 連絡が入ったのが遅かったとしても次の機会を待つべきだったな。」


「しかし…」


「冒険者は自由意志で活動するものだと聞いた。

 俺は囲うような真似が嫌いだとウィリスから聞かなかったのか?」


「わかった…先程の話は白紙じゃ。

 この町に来て気が向いたら組合に何かしら買い取らせてくれい。」


それは白紙になってない気がするが…諦めてくれたようでよかった。


「気が向いたらそうさせてもらおう。」


そう言ってブルースの前から移動し始める。

話の途中で他の冒険者が帰って来なくてよかった。

せめて少し移動してから話を聞くべきだったな。


それにしてもうまい話を聞きつけて便乗しようとして失敗するとは…

まるで【小太りじいさん】のような話だな。


カリファミナミの町を出るべく歩いているとヨルムから声がかかった。


『少シクライ買イ取ラセテモヨカッタノデハナイカ?』


『それはそうなんだがタイミングが悪すぎたな。

 あとは儲けたい感じが出すぎてて売ってやろうという気になれなかった。』


『ソレハワカル気ガスルナ。』


『それに買い取らせると不足分を取りに来なければいけないからな。

 巾着は結構需要がある気がするから売らないで取っておいた方が便利そうだ。』


『コテカモカ?』


『コテカを贈る機会は一度あるかないかだろう。

 自分用と合わせて4つでちょうどいいと思う。』


『コテカヲ着用シタポノヲ想像シテシマッタデハナイカ。』


『何でそうなるんだよ…俺の言い方が悪かったんだろうけど。』


『我ノ想像デハ似合ッテイタゾ。』


『ヨルムがそう言ってくれても全然嬉しくないぞ…』


『ソウカ…残念ダ。』


残念が何にかかっているかは追求しなかった。

褒めたらそれに乗って着けるかと思ったが着けそうにないから残念なのか、

ヨルムが褒めたのに喜ばなかったから残念なのか…どっちでもいいか。

今のところコテカを着用する気などない。…必要に迫られたらわからないが。


カリファミナミの町を出て転移装置でアビンザの町に戻った。

今日はよく動いたと思うがブルースの一件でビールの味は並みになりそうだな…

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