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31食目 合わぬあじとかんけいと


 スーパーの袋を振りながら、ヨタヨタと覚束ない足取りで歩く。

 我ながらまるで酔っ払いのようだと思えるそんな歩き方で、俺は陽の落ちきった道を歩いていた。


 ぼうっとしながら歩く中、緩んだ思考の中によぎるのは後輩の顔。

 つい数日前、妹が酔いつぶれた横で後輩から聞いた言葉と表情が、何度となくフラッシュバックする。

 彼女の真剣で必死な様子が瞼の裏へ浮かぶ度、俺は何度目かとなる溜息を吐くのであった。


 とはいえこの溜息、別に苛立ちや強いストレスによるものではない。

 むしろ本来ならば小躍りすらしたくなる、後輩から向けられた強烈な好意の意思表示。



「まさかあいつが俺になんてな。今でもまだ信じられん」



 俺はいまだ起きた状況が信じられぬと、盛大に息を吐く。


 あの時後輩から向けられたのは、先輩として尊敬していますなどという、ただ笑顔で返せるような代物ではなかった。

 先輩後輩というモノを飛び越えた、いわば男女の関係に関わる部分の好意。つまりは我が世の春となる告白だ。

 もっともまさかとは言うものの、考えてもみれば今までにも、それらしい様子があったのは否定できないのだが。


 一介の男である以上、可愛い娘さんから面と向かって発せられるそれが嬉しくないはずはない。

 あの後輩は実のところ、器量良しスタイル良し内面良しと、なかなかの良物件なのだ。

 当然モテる。俺たちが居る部署は既婚者が多いためそうでもないが、他所の部署の人間などは昼休みの度に理由を付けて顔を出し、彼女にモーションをかける輩も居るくらいに。

 そんな彼女から向けられた好意が嬉しくないはずがない。俺自身も、かなり可愛がっているのは確かであるし。



「受け入れる……、訳にはいかないよな。普通に考えたら」



 しかし大人しく喜び勇んで首を縦にするのも憚られる。

 なにせつい先日上司からは釘を刺されたばかりであるのに加え、可愛がっているとは言えそれはあくまでも後輩としての話。

 別に彼女を狙っていたとか、深い仲になろうと目論んでいた訳ではないのだから。



 俺はそんなことを考えながらマンションに入り、自宅の玄関を開く。

 そこでもう一度嘆息しそうになったのだが、息を吐くことに待ったをかけるかのように、目の前には妹が立ち出迎えていた。



「おかえり。今日は随分と早いご帰宅で」


「お、おう。……そこまで早く帰ったつもりはないんだが」



 だがどういう訳か、出迎えた妹の表情は妙に険しい。

 攻撃的と言うか刺々しいと言うか、帰宅した俺を歓迎しようとするどころか、責め立てるような気配さえ感じさせる。



「なぜそう怒ってるんだ、お前は」


「心当たりがないと?」


「まるで皆無だ。少なくともお前の機嫌を損ねるような真似をした覚えは」



 いったいなにが不満なのか、妹は憮然とした表情で玄関に仁王立ちしている。

 不機嫌の心当たりがあるとすれば、半月ほど前にあいつの買ってきたアイスを勝手に食ってしまったくらいのもの。

 とはいえあれだって直後にひとしきり口論をし終えたし、後日代わりにちょっとばかり良いアイスを買ってご機嫌取りもした。

 今更その件を持ち出してくるとも思えず訝しむと、ヤツは玄関を上がり部屋に戻ろうとする俺の後ろを着いて来る。


 部屋で速攻着替えをするも、それを気にした様子もなくジッと凝視。

 流石におかしいと思い不機嫌の理由を問うてみると、妹は一瞬言い澱んだ後、そうなったであろう理由の一端を口にするのだった。



「兄貴、あの子からコクられたでしょ」


「お前、なんでそれを知って……」


「当人から聞いたのよ、ついさっき。なんだかここ数日様子が変だったから」



 妹の口から、突然後輩との件が飛び出したことに、一瞬だけ心臓が跳ねる。

 ただ考えてもみれば、最近は度々家に来ては食事を一緒にしているのが、ここ数日は途端に音沙汰なしに。

 いくら上司から釘を刺された直後とは言え、あまりに急なそれに妹も怪訝に思ったようだ。


 そこで問い詰めた末に聞き出したのが、後輩が俺に告白をしたという話。

 自身が酔っ払い眠ってしまっていた間に起きたそれが、妹にとっては少々気にくわなかったようだ。



「あんな可愛い子から告白されて、さぞや舞い上がってるんでしょうね」


「……お前、もしかしてヤキモチとかを」


「いやいや。そんなことありえないし。ましてや相手が兄貴。なに戯言を言って」



 もしやこいつは後輩から向けられたアレに、ちょっとしたジェラシーを覚えてしまったのでは。

 そう考え追及してみると、ヤツは突如としてどもりながら必死に否定を返す。


 ここ最近になってようやく、薄々ながら気づいたことがある。

 どうやら目の前で急に顔を赤くするこの駄妹。実のところ何気にブラコンの類であるらしい。

 そう思って見ると明らかであるのだが、我ながらよくもまあ二十数年も気付かずにいたものだと思えてならない。



「まあ、前の彼女みたいに嫌な人と付き合うのを考えれば、あの子の方がずっとマシだけど……」



 ともあれそう言った理由で、こいつは今まで知らされていなかったことに憤慨しているようだ。

 それでも案外、こいつは後輩との件を許してくれようとしているように見える。

 視線を泳がせながら妹が呟くのは、変な女に引っかかるのを考えれば、自分とも仲が良く気心の知れた後輩の方が、ずっと安心できるといった考え。



「左様か。だがお前がそこを心配する必要はないぞ、たぶん付き合ったりという話にはならないからさ」



 部屋着に着替えた俺は、そう告げながら手にした袋を持って部屋を出る。

 普段であればPCの電源を点け、夕食前に浮かんだネタを軽くメモでもするのだが、今は正直それどころではなかったために。


 ただそんな俺の行動と発言に面食らったか、妹は後ろをついて歩きながら困惑の言葉を吐き出した。



「え、なんでよ!? あんな良い子、早々見つからないわよ? 兄貴のスペックで見つかる最大の優良物件でしょうに!」



 俺は妹へと心配は無用であると告げるのだが、妹の方はなにやら失礼な見解を漏らす。

 だが確かにこいつの言う通り、俺が見つけられる相手の中において、あの後輩はきっとこの上なく理想的な相手なのかもしれない。

 おそらくブラコンの類であろうこいつが、怒りながらも応援してくれようとしている相手でもあることだし。


 しかし妹のお墨付きを頂戴したとはいえ、俺はこれに対し手を取ってやることはできない。



「俺の立場を考えてもみろ。入ってまだ1年ちょっとの後輩に手を出したとあっちゃ、上から理性のない人間っていう評価を下されちまう」


「そいつはそうかもだけど……」


「厳重注意の上でどっちかが配置換え程度ならともかく、下手すりゃ俺まで転勤だ」



 なんとも身勝手な理由に思えるが、正直こいつは死活問題。俺だけではない、後輩にとってもだ。

 なにも完全に社内恋愛を否定した会社ではないが、それでも直接指導を担っている後輩とそういう関係になってしまえば、色々と不都合なことこの上なかった。

 そいつは俺だけではなく後輩も。1年目なんて必死に仕事を覚えるべく四苦八苦する時期、そんな大切な時期を、車内で色恋にうつつを抜かしていたと思われるのは非常によろしくない。


 それに最悪な展開となったとして、もう一つ気がかりなことが。

 もしも俺が適当な理由を付けて転勤などになってしまえば、この家に妹だけを残すハメになってしまう。


 こいつもいい大人なのだから、一人暮らしをさせるのも問題はないはずなのだが、どうにも心配でならない。

 というか基本的にズボラであるため、食事や掃除など放っておいたらどうなることか。

 それにもし最近節約をしている理由となっている、犬を飼うなんてことになっていたら、こいつだけで面倒を見きるなんてまず無理だ。



「上手く隠せばいいじゃないの」


「そいつが出来るかどうか。おそらくだが、彼女はそういうの苦手なタイプだと思うぞ」


「…………ひ、否定できない」



 ただこの件で最大の問題は、後輩は隠し事が苦手であろうという点。

 妹はそのことを肯定すると、もうそこそこ前から後輩が好意を寄せていたのには気づいていたと漏らした。


 ともあれ俺は受け入れるのが難しい理由を告げると、買い物袋を持って台所へ。

 今日は何となく、料理を作ろうという雰囲気ではない気がする。

 適当な肴と冷蔵庫に在る適当な酒で、胃を誤魔化して執筆に取り掛かって気を紛らわすとしよう。

 俺はそう考え、持っていた袋から買ってきた物を取り出した。



「なにそれ?」


「貝紐だよ。ちょっと良いヤツが安く売ってたから買ってみた」



 取り出したのは、真空パックをされた酒のツマミ。

 帆立貝の紐を干して味を凝縮させた代物で、その強い旨味によって、ひたすら酒が進んでしまうという危険な物体だ。


 とりあえず冷蔵庫を開くと、中には呑みかけのスパークリングワインが。

 これまた酒屋で安く売っていた物だが、開けたのが昨日であるためまだ炭酸は抜けきっていないはず。

 俺は冷蔵庫からそいつを取り出すと、グラス2つを棚から出し、リビングに行かず台所のテーブルで立ったまま呑み始める。


 妹も倣って酒に手を付け、次いで開いたパックから覗く貝紐へ。

 だが俺たちがその干し物を口にし、酒で流し込んだところで同時に手が止まる。

 硬直し、揃って顔を見合わせ、しばしの沈黙。

 そして俺と妹はほぼ同時に、険しい表情を浮かべ置かれていたペットボトルの水に手を伸ばし、一気に中身を煽るのだった。



「な、なによこれぇ!」


「……酷いな。なんていうか、ひたすら生臭い」



 まず間違いなく旨いと思われた酒と肴。

 しかし予想に反し口の中へ広がったのは、海産物の持つ生臭さを前面に押し出した、なんとも気持ちの悪くなる強烈な臭み。

 俺たちはそれに耐えかね、ついつい水に逃げてしまったのだ。


 試しに口をゆすぎつつそれぞれを口に入れてみると、こちらは別段問題ないというかむしろちゃんと美味い。

 なので酒が2日目にして劣化してしまったとか、貝紐が痛んでいたという訳ではないらしい。

 試しにもう一度この組み合わせで食べようとしてみるのだが、やはりさっきと同じく、強烈な生臭さに襲われた。

 どうやら単純に組み合わせの問題らしく、スパークリングワインの爽やかさは消し去り、ただひたすらに磯の臭みばかりが口に広がっていく。



「ねえ、本当にこれで呑むの?」


「流石にキツいな……。適当に作り直すか」


「ていうかやっぱお腹空いたんだけど。せめてもうちょっと食事らしいモノが欲しいっていうか」



 いくらなんでも、これを我慢して呑み続けるというのはある種の苦行。

 それにどうやら妹は腹が減っているらしく、この酷い肴だけで夜の食事を終えるというのは、少々我慢ならないものがあったようだ。


 そう言われれば反論する言葉を持つことはできない。

 俺は自身もちょっとばかり腹が減ってきたのを感じつつ、立ったままで何を作るか考え始める。



 少しばかり頭を捻り、ふと思い出して買い物袋の中身をあさる。

 そこにはさっきは取り出すのを忘れていたが、もう一つ買ってきたツマミがパック詰めされて残っていた。



「そういやこんなのも買ってたっけか」


「そら豆? いいじゃん、さっきの貝紐よりは合うと思う」


「だが今更これだけで食う気もないんだろ。こいつも使って、何か一品用意するとしようか」



 貝紐にそら豆。これだけ見れば十分美味そうな酒の肴。

 とはいえ炭酸モノの酒を開けてしまっている以上、ここから焼酎や日本酒に切り替えるというのも気が引ける。

 流石にこいつも3日目ともなれば、色々と物足りない感じになってしまうことであろうし。


 そこで俺はそら豆に続き、再度冷蔵庫をのぞき込む。

 これらの食材を見て浮かんだ物があったため、とりあえず確認をしたところ、なんとかなりそうではある。

 そこまで凝った物を作るでもなく、基本我が家で常備している食材を使うのだが。



 早速、俺はさっきの貝紐を取り出すと、まな板の上で刻んでいく。

 弾力あるそいつを切り終えると、鍋に移してから水と少量のワインを入れる。これは普段使っている、料理用の炭酸がない物だ。

 そいつを火にかけている間に、そら豆の皮をむき荒く刻んでおく。


 煮立ってアルコールが飛んだところで、少しだけすくって味見。

 ……よかった、こちらはさっき感じたような、エグさや生臭さを感じない。



「あ、美味しい。でもなんでだろ?」


「たぶん炭酸じゃないのか? あれで余計な部分まで際立った、……んだと思う」



 横から覗き込み、俺の使ったスプーンを奪い味見をする妹。

 意外そうな表情で、さっきと同じく貝紐とワインの組み合わせだというのに、まるで違う味に怪訝そうにしていた。


 妹に説明したように、両者の違いは炭酸の有無。あとは過熱したかどうか。

 けれど主な理由は、使ったワインが発砲しているかどうかであるように思える。

 前に化調と発泡ワインの相性があまり良くないという話を聞いたきがするが、案外その類であるのかもしれない。


 そこで俺は残りのスパークリングワインを手にすると、別の小鍋に入れてアルコールを飛ばし、鍋の中へと入れる。

 試しに再度味を見てみると、やはり問題はなさそうだ。

 そのことに安堵し、妹にトマト缶を一つ持ってこさせ、そいつを鍋に加えてトマトを潰していく。

 さらに固形ブイヨンを放り込み、塩でちょっとばかり濃いめに味付けをしてから、洗った冷ご飯と刻んだそら豆を加える。

 そいつを軽く煮立たせて、ガッツリ黒コショウを振って完成。



「酒は……、どうしたもんだか」


「さっきのは料理で使っちゃったしね。新しく開ける?」


「普通のやつをな。流石にもう同じ物を呑む気にはなれん」



 和寄りのツマミから、トマトやブイヨンを入れたことで一気に洋の側へと移す。

 そうして完成したのが、洋風の雑炊というかリゾットもどき。


 ただこいつに合わせる酒が問題だ。

 呑みかけであったスパークリングは料理に使って空。実はもう一本あるのだが、流石にさっきのが思い出させるため、新たにそれを開ける気にはなれなかった。冷えてもいないことだし。

 となると普段から呑んでいる、ワンコインの安いテーブルワインに頼るとしよう。


 ここ最近の暑さもあって、グラスに氷を入れボトルと料理を持ってリビングへ。

 氷入りのグラスにワインを注いで一口飲み、早速俺と妹はスプーンを手に料理へと伸ばした。



「うん、さっきと違ってしっかり洋風。それに出汁がよく効いてる」


「固形のブイヨンも入れてるがな。トマトの酸味が良いな、濃いめな味付けなのに軽く食べられる」



 トマトが加わったことで洋風となったそれは、風味良くしっかりとした味になっていた。

 魚介とトマトという、ド定番な組み合わせはやはり外さない。

 魚介部分が少量の貝紐であったのが不安だったが、こうして米を入れてもちゃんと自己主張はしてくる。

 それにかなり多めにワインを使ったことで、そちらの旨味も加わっている。


 そんな料理の味が口に残っている内に、氷でよく冷やされたワインを流し込む。

 ほんのちょっとだけ薄まってはいるが、むしろそれが夏の暑さが残る身体に心地よい。



 中途半端に最初の酒が中断されたせいか、俺たちはそこから流し込むようにリゾットを食べ進めていく。

 やはり酒と僅かなツマミだけでは、日ごろの消耗するカロリーを補うことはできないらしい。

 あっという間に米を平らげると、その少しばかり濃いめな味を洗うように、ワインを追加し喉へ流し込んでいく。


 落ち着いた腹をさすり、ソファーの縁へもたれかかる俺。

 ただそんな姿を眺める妹の方は、どことなく様子がおかしかった。



「どうした、まさか足りなかったのか?」


「違うっての。…………さっきの話だけれど」



 なんとなく、不機嫌さや困った表情が混ざったようにも見える妹。

 普段と異なる様子が気になり、少々冗談めかしながら問うてみると、妹は軽い反発を経て言葉を絞り出す。



「私はさ、本当に悪くないと思ってるんだよね。兄貴があの子と付き合うの」


「お前はまたそんなことを……。さっきも言っただろう、立場的にありえないって」


「でもたぶん彼女は本気な気がする。思い込んだら突っ走るタイプだろうし、もし兄貴が立場を盾に断るなら、退職してでも貫くんじゃない? もう迷うつもりはないって言ってたしさ」



 どことなく呆れすら感じる妹の言葉。


 まさかそんな。後輩がそこまで確固たる意志を持っているとは。

 ただ毎日のようにやり取りを交わし、かなり深い話すらするようになっている妹と後輩だ。

 密かにそういったことを打ち明けていてもおかしくは……。


 職を辞してまでというのは言い過ぎかと思いきや、妹の目は本気。なのできっと本人から、その通りの言葉を聞いたに違いない。

 ただあの後輩は何気に優秀な娘なので、もし仮にそうしたとしても、再就職そのものは上手くいくだろう。……いや、そういう問題ではない。



「立場がどうこうって兄貴は言うけどさ、案外大丈夫なんじゃない? このさっきのお酒とツマミと一緒。私っていう存在が間に入ることで、やりようによっては組み合わせちゃいけない存在も多少許されると思う」


「そいつはようするに、お前と仲良くしているフリをして付き合えと……?」



 上司にはすでに、後輩がコイツと仲良くなっているため、自然に俺と接する機会が増えているという話はした。

 一応納得はしてくれたようなので、建前のそこを崩さなければ多少は見逃してくれるのだろう。

 つまり妹は、自分自身を建前として使えと言っているのだ。



「今までやってきたことと変わらない。お試し期間のつもりで付き合えばいいじゃん」



 つい数秒前とはうって変わり、今度は軽く言い放つ妹。

 とはいえその表情は少し不満げであり、やはり本心は別にあるのではと思えてならない。

 そこで俺は意を決し、妹にそこを確認しようとする。


 しかしタイミングが良いのか悪いのか、リビングのテーブル上に置いてあった妹のスマホが鳴り響く。

 逆を向いている俺からでも、その画面に表示された名前がハッキリと読める。

 そこに映っていたのは、今まさに話をしていた後輩の名であった。


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