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愛悠奮闘記  作者: 蛮族
2/3

仕事場へ

「ご馳走様でした」

両手を合わせあいは言った。

「ほらゆう、食べた後横にならない!」

朝食を終えて満足げにゴロゴロしている弟に言った。ゆうは聴こえてませんというように耳に手を当ててまだゴロゴロとしている

もう。と頬を膨らまして食器を持って流し台へと持って言った



洗い物を済ましもう一度茶の間を見るが、まだゆうは寝転がっている

こういう時にゆうを起こさせる方法をあいは持っている

「そのまま寝てていいけど、あたしは先にギマの所に行くわよ」

それを聞くや否やゆうはスッと起き上がり

「一緒に行く!」

と元気に返事をした


身支度を整え神社の家の裏にある深い森へと入って行く

あい達が住んでいる神社は人々が住み商売をしている商売街からは見えはするもののかなりの距離があるので歩くことしかできない人は祭り以外では来ることはない

なのであい達は人でありながら人との交友関係はあまり広くない

しかし代わりに森に住む妖怪たちとは良く合っている

「あらこんにちは」

あい達が森に入ると青い着物を着た狐が話しかけてきた

「こんにちはきつねーさん」

ゆうが元気に挨拶をすると

コンコンと笑いながら

「今度は狐とおねえさんを合わせた呼び方ね。愉快愉快。最初に会った時は狐おばさんだったかしらぁ?」

狐は意地悪そうに言った

「えっと、その、歳上だとおもったもので…」

ばつが悪そうにゆうが言い淀むと

「いいのいいの、悪気は無かったんだし、あんた達人の子と比べたらあたしなんてうん百年もおばあさんさ」

そう言った後ゆうに顔を近づけて口をにぃと広げ

「でもねぇ、あたしも怒ることがあるって事は覚えておきなよぉ」

青い着物が赤く見えるほどの狐火をボッボッボッと自分の周りに出して狐は言った

びくびくと怯えながらゆうは頷いた

それを見て狐は「可愛らしいねぇ」と呟き

「じゃあこれを持っておいき」

そう言って狐は、ふうと息をふく

するとあい達の周りに綺麗な青い狐火が3つ4つ浮き2人を照らした

「あら、青い狐火なんてえらく気前が良いじゃない。今日はお土産は無いわよ」

あいがはっきり言うと

「ギマさんの所に行くんだろぉ?今日は機嫌が良いからサービスさ」

そう言って狐は森の暗がりに消えていった

「何か良いことあったのかな?」

ゆうが聞くと

「狐も女なのよ」

と言った

ゆうはわかってない様子であったが構わずあいは歩き始め、ゆうも後に続いた



森はほとんど日の光がささず、日中でも夜が味わえる程である

忙しそうに木の実を運ぶ小人や木の陰からこちらを見ている牛女を横目に歩き慣れた道なき道を数十分ほど歩いて行く2人

すると、暗い森の中から灯りが見えてきた。

煙突のあるレンガの家、その窓から綺麗な灯りが漏れている

2人の目的地はここだ

木のドアをコンコンと叩くとひとりでにドアが開いた。

どうぞと言う意味だ

家に入るとまず、目の前にジャックオランタンが目に入ってくる。壁にはランタンが飾られており部屋を見渡すと隅の方に女が座っていた

腰まである銀色の髪と黒いドレスで強調された大きな胸が目立つ

赤い唇からキセルを放し、ふうと煙を吐き

「ようこそギマの依頼所へ」



続く

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