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5話 プレゼントと戦闘〜アッサリめ〜

〜本日のお品書き〜


プレゼントフォーユー

ネタ過多

くまー


の3品です。

 ───カァーン……カァーン……


 今日の夕飯はなんだろうかと考えながら振り下ろす。


  ──カァーン……カン…カカン……カァーン……


 大きく振りかぶり、振り下ろす。小さく打ち、形を整える。また大きく振りかぶり……ブリか、いいな。カマや、いや、シマアジの寿司なんかも悪くない。


 ──カァーン……カァーン……キィィィンッ


 こんな導入前にもあったなぁとか思いつつ最後の一振りを終える。


「──お見事です。お館様」


 いつのまに入ってきたのか、長テーブルの向こう側になっているアミラがいた。


「ありがとう」


 そっと差し出してくれるタオルで汗を拭き、水分を取る。


「何を作られていたんですか?」


「ふー。ん、ああコレな」


 出来上がった2つの長盾を見る。

 2つとも逆アーモンド型に似た形をしており、受けるよりはそらす、といった使い方になる。そして2つとも、先になる程縁が鋭くなっていってる。で、盾の中心には直径1センチ程度の穴が開いている。これは、装備した時親指が来る場所にあるボタンを押す事で魔力の針を飛ばす穴だ。

 魔力の針を飛ばす仕組みとか針を作る構造は、内蔵された魔道具で処理してる。


 まあ、性能は良いが誰がこんなもん使うんだって武器。防具?

 そして、あのゲームではこういった武器か防具かわからないものは外見で判断される。つまりこれは防具扱いだ。だが盾は2つも装備でき……ない事も無いが、武器として使うことはできなかった。武器として扱えないと言うことは……。

 剣とか槍とか、そういった武技スキル、つまり技とか、そういうものが使えない。火力不足になる訳だ。


 だがこの世界では。

 判断するもの──運営──がなくなって、自分で判断するしか無いのでは?と思った。



 ……と、考察ともしかしたら使えるかもしれないネタ武器は置いといて。


「アミラ」


「?はい。なんでしょうか?」


  ほいっと包装された箱を投げる。難なく受け取るアミラ。


「それ、やる」


 ……気恥ずかしさもあって片言になったのは許して。


「……?なんですか藪からスティックに」


「や、やぶ……懐かしいってかなんで知ってんだ……まあいい、開けてみろ」


 渋々?といった感じで包装を丁寧に剥がしていくアミラ。こういうのって、性格出るよね。綺麗に剥かれるとなんだか包装して良かったって感じがする。破っても良いんだけどね。


「……」


 中の箱を開けて固まるアミラ。


「ど、どうした?」


「……」


「フリーズ!?だ、誰か!うちのパソコンと、誰でも簡単に写真やムービーを楽しめるんだ。そう、iM◯cならね。と交換してくれませんか!」


「私のOSはそんな昔のじゃありませんよ」


「おわっ!?」


 割と本当に焦ってきていた所に声をかけられてびっくりした。

 ……というか昔って…言うほどでも無いような……。


「それより、これは……その、なんで……違いますね。うーん」


 ?何を悩んでるんだ?


「どうして……これでは同じ……う、うーん……あ!…これは、何ですか?」


「?ブローチだが?」


「そうですよね!ブローチですね!これは……えっと」


「……?」


 3、2、1、ポカン!アミラはブローチを忘れていた!


「ぅ……えー…コホン。お館様、何故この、ブローチを私に?」


「……お礼というか、なんというか……まあ、プレゼントだよ」


「………お館様」


「な、なんだ?」


「……いえ、なんでもありません。それより、ありがとうございます」


 ぺこりと頭を下げた後、花のような笑顔を見せた。


「それでは、夕食を作って参りますね」


 鼻歌を歌いスキップしながら工房から出て行った。

 ……なんて言おうとしたんだろう。ありがとうとか?貰えませんとか?うーむ……。


「ま、いっか」


 ステータスからジョブを変更。ジョブは『オブジェクトマスター』『オールドバトラー』『仙人』『魔導師』。オールレベル200だ。

 疲れた体をほぐしつつ盾(武器)を性能を試しに外に出た。



 ▼



 家を出て森の方へあるけば、案外すぐ敵が見つかった。家には結界が張ってあるがその一歩先は割とレベルが高いモンスターがうじゃうじゃと。ワイバーンが空を飛んで、あればマッドスライムか?がプルプルじゅるじゅると骨までとかしている。


 と、視線をあっちこっちに向けていると、マップ(これもスキル)に写るモンスターを示す赤い点(これもs)が俺に向かって一直線に来てる。


「おーなんだろ。物理が効くやつがいいな。そんで結構タフなやつ」


 土ほこりを煙幕のように出しながら爆走してくる物が、だんだんとはっきりしてきた。


「んあ?グロアリーベア(耐性高いクマさん)Lv.120か。確か自己治癒も出来たよな。打って付け……でもないな。魔法耐性高すぎて魔力の針が効かないかもな」


 試しに魔力を流し、針を形成して発射。爆走するクマさんの額に当たる。


「グアッッゴゥアアアア!!グゥグアアアア!」


 大した効果もなく砕け、その破片が目にあたった。クマさんは『いてっ何すんじゃボケェェ!んなもん効かんわアホ!』とお怒りのご様子。


「ふむ。目には効きそうか?じゃあ後は切れ味と防御性能だな」


「ガアアアアッッ」


 振り上げられる太い腕。盾を見つめる青年に向かいその幹のような腕が振り下ろされた。


 ──ズガァァアアン!


「……グル?」


 まるで大岩を殴った様な感触。衝撃で浮かんだ土埃が落ち着き腕を見やる。


「ふーむ。素材が良かったか。直接受け止めても案外曲がらないもんだな、よしよし」


  自分の腕を片手につけた盾で受け止めている青年がブツブツと呟いている姿が。

 まさに恐怖!この森でも決して弱くないほどの筋力を持つ自分の攻撃を、片手で受け止める化け物!しかも今度は切れ味のテストだとか言ってらっしゃる!


「それ」


 防御された方とは逆の盾を振った。とたん落ちるクマさんの右腕。すっぱりと肘から先が、それもご丁寧に骨を避けて切られている。

 流した血は盾でちゃんとガードされた。


「グ、グゥグアアアアッッ!?ガァガアアアア!」


 混乱、痛み、そして怒り。ごちゃごちゃになった黒い感情は、怒りの火を灯されやり場を探す。そうだ、目の前にいるではないか。この怒りを、目の前の敵に。


「ガ──ァァァアアアアアア!!」


 放たれる光線。


 しってるか、このせかいでは、くまが、ビームを、くちからだすんだ。


「うおっそうだった!グロウリーベアは光線吐くんだった!」


 クマのエセ視点をやめすぐ腕を引き戻し盾を構える。さっきみたいに真正面に構えず、半身になって角度をつける。


「おぉ!重てえ!」


 衝撃はくるが光線は面白い様に曲がる。やがて盾は赤くなり──


「やっべ!?これ魔法ダメと熱ダメか!?『マジックシールド』!『フレイムエンチャント』! もういい!戻れ!【オブジェクトリターン】!」


 マジックシールドで盾の表面を保護する。そして本来の使い方とは違うが、フレイムエンチャントで火炎耐性を付与する。最後にオブジェクトマスターのスキル、【オブジェクトリターン】で三十秒前の状態へ20秒間戻す。


「あっぶねぇ……作った早々壊すところだった」


 冷や汗を流しながらようやく光線を吐き終わった熊の傷口に向かい魔力の針を飛ばす。


「グゥァァァアア!?」


 傷口をえぐられた痛みで暴れる熊の腕をかいくぐり首に向かい一閃。ブシュッと血が出る前に数歩引いて避難もしておく。ビュービュー血を流してた熊は、やがてドサリと自分の血溜まりに沈んだ。


「あちゃー…やっぱり切っ先がダメになったか。骨に当たったか?」


 首を掻き切った刃をみてしまったなと思う。

 そして【オブジェクトリターン】の効果が切れ、赤く熱くなる盾。


「はあ、【リペア】」


【リペア】──消耗した武器や防具に対し、リペアツールと素材を消費することで耐久力や小さな刃こぼれを回復させる一般スキル(どんな色でも使えるスキル)だ──で盾を直しつつ加熱された方を冷ましていく。


「でも、熊の一撃を受けてもなんともなかったのに、骨で欠けるか?……あー、盾の部分と刃の部分じゃ判定が違うのかもな」


 運営……いや、神のみぞしる不思議設定だ。と、突然ファンファーレが鳴った。


 ──パーパパパパッパパー♪


「あ?え?」


 ──おめでとうございます。ユニークジョブ『双盾刃(そうじゅんじん)使い』が発現しました!

 ──おめでとうございます。ユニークスキル『ガーディザッパー』を覚えました!


「……はぁ」


 ため息を漏らす。びっくりはしたけど、目新しいことをしたらユニークジョブが生える。それはゲームの時から変わらなかった。だからろくに育ててないユニークジョブも多い……というかクソみたいな奴が多い。


 にしてもネットにはなかったジョブだな。発現したら発現方法が分かるはずなんだが……なになに?


「2つの刃付きの盾を装備して敵からの攻撃を()()として防御し、刃を()()として敵を倒す?こんな条件だったら誰でもクリアでき、る……あ」


 さっき自分が言ったじゃないか。

 あのゲームでは盾は武器として扱えない。たしかに、防具で殴ればダメージは出るし、【シールドバッシュ】系のスキルを使えばより高いダメージを期待できる。……だが、それは判定的には『防具で殴ってダメージを与える』だ。スキルもそう。

 それは刃が付いていても同じだ。例え相手を刃の部分で切っても、刃が付いてる分ボーナスのようにダメージは大きくなるが盾で殴ったと同じ判定になる。刃という武器部分で攻撃したのではなく、盾の装飾部分で攻撃したになる。


「だから誰も発現しなかったのか。盾を武器のような形に変えても外見で判断されるから、防御しても盾で受けた判定にならない……うーむ」


 まあ運営も思ったんだろうね。盾と剣を合体させるバカは必ず出る。出たら盾と剣を律儀に装備している人が少なくなるかもって。ならない可能性の方が高いけどなる可能性があるから禁止?したのかね。


「まあ、中盤になって盾や防具にスパイクや刃を付けてダメージ伸ばすのが流行ったから運営の懸念は間違ってなかったか」


 まあこのジョブは使うか微妙だな。補正も刃のついた盾やらそれに近い盾にしか働かないみたいだし。オブジェクトマスターと相性が良くない。


 ま、ここら辺で切り上げるか。元々試し切りと実験だったし。

 一応手に入れたジョブを付けて、あとは弱いジョブも一緒につける。レベルダウンした事で体が重く感じるがこうした方がレベルアップしやすくなる。例えば落ち葉操って、葉っぱについてる小さい芋虫の魔物を盾刃で切りつけたりとか……お、レベル上がった。


 思ったより、あんまり忌避感とかなかったな。というか全くない……。これは後で考えるか。

 解体は…しなくてもいいか。アイテムボックスに入れとけば。



 ▼



「おかえりなさいませ。お館様、お食事になさいますか?」


 扉をくくるとアミラの顔が。

 ペコリと頭を下げると濡れたタオルと冷たいコップを渡してきた。

 ありがとうといってコップの中の水を飲み干しタオルで額や手を拭く。


 あ、そうだ。確認したいことがあった事忘れてた。


「なあアミラ。変なことを聞くかもしれないがいいか?」


「はい?はいいいですよ。スリーサイズは「ストップ」上……はい」


「どうしてそう性に直結するんだ……まあいい、えっと、今から言う人物に心当たりはないか?長身のエルフの男で、ドラゴン使いのツヴァって奴と、猫獣人の軽装の、ユキって女だ」


「はい。存じてますよ『ドラゴンライダー』のツヴァ様と、『探求者』ユキ様ですね」


「お、知っているのか雷電」


「らいでん?ライデ◯ンの親戚ですか?その方は存じませんね」


「すまん」


「でもどうして?」


 なぜ急に?とこてんと首を傾ける。


「いや、あいつらどこに居るんだろうなと思って」


「……ああ、そういえばセイク様とユメハ様のお二方に出会う前は一緒に冒険していたんでしたね」


 ん?あれ?そんなこと言ってないよな?と言うかサブキャラとは冒険できないし……あ、そうか。神様が言ってた、『設定通り』なら……。


「……ああ、そうだ。だからどこに居るのかなと思って」


「大体の居場所なら把握していますよ。えー…お館様、地図……マップを出していただけませんか?」


 ほら、とマップを発動し、大陸地図にしてから他の人にも可視化可能にする。


「ツヴァ様は確か今は……ここから見ると北西にあるオラン帝国のS級冒険者として、そして名誉騎士爵の貴族になっていた筈です」


「あのツヴァが?」


 設定上、ツヴァ、つまりツヴァイ──2という意味──はエルフの癖に肉を好み、魔法も使うが本職はテイマーという、珍しいエルフだ。だけどその珍しさのせいでエルフたちの村から追い出されたという設定だった。

 最初はテイマーとして、普通の魔物もテイムしていたが、ドラゴンをテイムしてからはドラゴンを集めるようになった。初期テイムメンバーは……弱かったので旅の途中で死んでしまっていた。

 性格は高慢な者が多いのがエルフ族だが、ツヴァはなんというか、普通?アットホーム?な奴だ。話して見ると友達同士のように絡んできたりする。友人になれば凄い良いヤツって感想になるな。馴れ馴れしいのが嫌いな奴にはそれ用の絡み方もあって、世渡りが上手い。

 エルフだからイケメンで性格もいい。当然モテる。俺たちのパーティでの役割は後衛の支援と攻撃。



「ユキ様は、この前『白碧の聖森(びゃくへきのせいしん)』へ単身赴き無事帰還なされたとか噂で聞きましたので、恐らくセイリア王国にいらっしゃるのではないかと」


 ユキは名前の通り雪の様に真っ白な髪を持つ猫獣人だ。スリムな体型に出るところは出ている。ムチって感じよりもスラリって感じの女の子。

 性格は、結構世話焼きで天然。男も女も関係なく仲良くなる子。って感じの設定だった。

 得物はダガーとかショートソードとか。短く手数が多いものを二刀流にしてる。あと魔導拳銃二丁とか。俺たちのパーティでの役割は斥候と遊撃。


 二人──セイクとユメハも入れて四人──とも、種族が俺みたいに神族でごちゃごちゃしてるから外見だけ、エルフと猫獣人だから寿命は長い……はず(だから24年経ってもあんまり姿変わってないはず)。


「へぇ、あそこをソロか。じゃあ苦手な魔法も練習したのかな?」


「さあ?」


 ニコニコとアミラが微笑む。天然…ん?なーんか、なあ?アミラさん?


「アミラ?」


「はい、なんでしょうか?」


「……なにか、隠し事はないか?」


「はい?」


 あ、外したか。


「いや、じゃあ何か良いことでもあったか?」


「ふ、ふふ。よくぞお聞き下さいました!なんとですねお館様……」


「な、なんだ?」


「ダララララララララ……」


「いやドラムロール口でやらなくて良いから」


「……なんと」


「セイクかユメハが帰ってきた?」


 ズコッと綺麗にコケるアミラ。あたりか。


「も、も〜〜!なんで当ててしまうのですか!」


「いやだってな。前振りが長いんだもん」


「もんじゃありません!もんじゃ!はぁ……ユメハ様の方です。セイク様はきかんは延期、ゴタゴタが片付いたら行くと連絡がありました」


「すまんすまん。そっか……んで、ユメハはいつ帰ってくるんだ?」


「それは……今です!」


「ふぁっ!?」


 後ろのドアが勢いよく空いて俺の後頭部を強かに打ち付けた。


「ただいま帰りましたー……あら?」


 最後に聞いたのは、少し間延びした女の声だった。


「そろそろよねぇ」


?何がですか?


「いや、登場人物紹介よ」


あー。あれって章ごとにやったりしますよね。でも多いと読み飛ばしてしまうし、なかなかないと誰?どんな人?ってわからなくなっちゃいますからね。


「そう。キャラ紹介とかは頻度とタイミングが重要なのよ。そのキャラを覚えてもらいつつ、読み飛ばされない様に工夫をするの」


結局いい評価っていうのは理解されて始めてされるモノですしね。


「だから早く書きあげろ」


はい。


あ、次は25.26日に登場人物紹介と少し説明を入れます

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