3話 いろいろと確認
〜本日のお品書き〜
あれ?作者のストックなくなってきてね?
伽とは。
ステータス!…あれ?
アイテムボックス!
の4品でございます。
コツコツとアミラの靴の音が廊下に響く。俺はその後を力なくトボトボ付いていく。
あの後何回かボロが出そうになったが、それはご愛嬌。怪訝な顔をしていたが、食事の用意もしてくれたし、今だって寝室まで案内してくれてる。
あ、因みに料理は絶品でした。ごちそうさまでした。
「それで、お館様。今宵の伽は私でも宜しいでしょうか?」
「ん?伽…?」
伽…とぎ……伽!?
「と、伽って……」
「?何かおかしなことがありましたでしょうか?昔はあんなに、激しく求めて下さったのに……」
よよよ、とハンカチを取り出し涙を拭うフリをする。ちくせう、何とかして…あ。
「ごめんな…覚えてないんだ…だから事細かに教えてくれるかな?」
逆転の発想だ。素直に聞くなんて思いつきもしないだろう。どうだ。
ほら、アミラだって虚を突かれた様な顔をして…
「は?…あ、はい。ではご説明させていただきますね。あれはまだ私が新人の頃、私がガチガチ緊張して動けないでいた時に抱きついてきて、それで止まらずメイド服の裾をたくし上げられて…それはそれはもう必死で抵抗をし───」
「ん?……って、あ、あぁああぁああああ!?ま、まって!待って!!わかった!思い出したから!ごめん!」
──彼女は、ゲーム時代の話を持ち出してきた。とは言っても、あの時はメイドは定位置から動かない人形の様な存在だった。そうして俺はイタズラ心、いわゆる魔が差したのだ。
その時動けなかったのをシステムのせいではなく、緊張によるものと言うのも興味深いが、今はそんなことではない。そんなことより
「いや、悪かった!魔が差しただけだ!!それに見えてないから!見えてなかったから!!」
そう、システム上、どんな角度、どんなにたくし上げても見れなかったのだ。と言うか途中でたくし上げられなくなる。
「──その後お館様は私に陵辱の限りを───はい。謝罪の言葉、確かに受け取りました。見られない様に抵抗したんですから見えてなくて良いんです。それに、生娘に魔が差しただけでその様なことをですね?大体お館様は───」
その後、説教が続いた。
閑話休題
「ふぅ……まあ、お館様も反省なされたことですし、許して差し上げます」
あれから小一時間ほど説教を受けた俺はすこしげんなりとしつつ返事を返す。
「ああ、ありがとう」
「いえいえ、それでは……あ、晩酌はなされますか?」
スススッと部屋から出て行こうとしたアミラが扉の前でくるりと向きを変え聞いてくる。
「晩酌……いや、いいよ。それじゃあおやすみ」
「はい、おやすみなさいませ。お館様」
綺麗な一例をすると、音も立てずに扉を閉め廊下を歩い……音的にステップしながら遠ざかっていった。
「……さて、明日から色々忙しくなりそうだな……確認できる事は今のうちにやっとくか」
そういってアイテムボックスと脳内で唱える。すると目の前に半透明のプレートが出てくる。
「うわぁズラッと……うん、ぱっと見全部ありそうだな」
そして次はステータス。これは気持ちを込めて……
「『ステータスオープン』!」
……
…………
「……ステータス出てこない!」
まさか。まさかまさか。そんな──
「……え、え、まさかステータスが見れない?『ステータスオープン』!『ステータスオン』!『ステータス開示』!」
うんともすんとも言わない。頭を抱えた。
「ま、まじか……ステータスが無いなんて……これじゃあ『ステータスプレート』もない……?」
コツンと微妙に重くて硬い物が頭に当たる。
「イッテ……なんだ?って……本当になんだこれ?」
落ちてきたのは四角い板。材質は多分金属……だと思う。表も裏も何も書いてない。
「んー?……流れからステータスプレートだと思うんだけど……あ、これを出した状態で『ステータスオープン』
とか?」
ウォンッとアイテムボックスに似た半透明の画面が板から出てくる。
「えー……出てきたし微妙に面倒くせぇ……」
そこでティンと思いつく。
「そういやYCOの持ち物欄って、意思1つで装備とか手持ちとかが変更できるショートカットキーみたいなのあったよな……」
すぐさまアイテムボックスを呼び出し確認してみる。
「んーあ、あったあった。ここにステータスプレートを入れてっと」
だがすぐに問題に気づく。
「これ、どうやっていれるんだ……?」
俺は唖然とs──
「いや、まあ神様が使い方同じっていったから物に触れつつ入れって思えば入るだろ」
シュンと音を立ててステータスプレートが消える。そしてアイテムボックスの中にはステータスプレートの名前があった。
「よしよし、これをショートカットに入れて……ついでにいつもの装備も入れといて……と、この状態で、『ステータスオープン』!」
アイテムボックスを一度閉じて、唱える。手を前にやって格好つけてるのはご愛嬌。
すると、ブォンと音を鳴らしながらアイテムボックスと似通った画面が出てきた。
───────────────────
名前:ウノ
性別:男
種族:神族(半神人:ヒューマニュート:エルダーエンペラー種)
年齢:354
基礎レベル:500
ジョブ
・オブジェクトマスター Lv.100
・オールドバトラー Lv.100
・仙人 Lv.100
・マスタースミス Lv.100
スキル
・アイテムボックス
あといっぱい
───────────────────
ツッコミたい所は何もないな、よし。名前も種族も年齢も、ジョブもゲームのままだ。
多少省略したが、死んでから与えられたスキル以外の変化はなく、ホッとした。次はジョブの付け替えを試してみる。ジョブのマスタースミスをタップすると変更するか否かという画面が出てきて、迷わず変更ボタンを押す。
ジョブ:マスタースミスとどのジョブを入れ替えますか?
・エネミーテイマー Lv.100
・神薬師 Lv.100
・ブラッディ・バーサーカー Lv.100
・ゴッドパラディン Lv.91
・侍大将 Lv.100
・大党領 Lv.98
・枢機卿 Lv.86
・魔技師 Lv.100
・コック・ファーザー Lv.100
・落葉使い Lv.32
・錬金術師 Lv.100
etc…
「お、おぉ……」
問題なく使える。元々生産と戦闘両方やる(どちらかというと生産よりだった)人間だったからレベル100になってないものもチラホラとあるけど、基本的に100レベルになってる。
ぼーっとジョブを見てると死ぬ直前のことを思い出した。
そう、俺がこの家の工房で作っていた、最高傑作の存在を。
「……あれ、完成してたよな……アイテムボックスに入ってる、筈だよな?……消えてたら……」
少しの高揚感と不安がないまぜになりつつアイテムボックスを開き条件を絞って画面をスクロールさせていく。
絞り込み:武器:ソード系:片手/両手剣
・炎龍の突牙
・ねずみのけん
・エロフホイホイ
・草加工短剣
・双頭熊のバスターソード
・ろんぐそーど
……
「こうしてみると鍛治師の経験値上げにネタ系結構作ってるな……」
割と使える剣から完全にネタ剣まである。最初の炎龍の剣はレイピアで、突き刺すとそこから小規模の爆発が起こるというもの。作ってから暫くはお世話になったが、使わなくなってからは魔力の伴わないライターとしての役割を担ってくれてる。かわいそう。
次のねずみのけんは、うん、名前がネタなだけ。名前からしてちっちゃい剣かと思われるが、実際は真逆。確か4メートルだったかくらいの長剣だ。性能もガチで、これ一本で炎龍の巣に突貫して帰ってこれるほど。攻防共に長けた武器だ。
エロフホイホイは、その……あるクエストでエルフを見つけよって奴のためだけに作った。性能はイマイチ。木系の装飾過多。
名前の通り草加工剣。いつもお世話になってます。
他にもいろいろあるが、それらはほとんどの場合もう日の目を見ることはないだろう。いらんよ。周りに効果音と集中線、花を幻視させる槍とか。殴るたびに微妙な音と半端な顔をする顔つきグローブとか……。
そんな事を考え遠い目をしていたら、空白の欄があった。それをタップしてみると、
※このアイテムには名前がつけられていません。命名しますか?
「……あった」
早く見たい気持ちが焦るが、ぐっと堪えて職人として最後の仕上げをする。
「命名……『ニヴェルソード』。宇宙、という意味のウニヴェルソのウをとってソードと掛け合わせた安直な名前だけど」
そう言ってニヴェルソードを出す。うん、表示名もニヴェルソードになってる。
出てきた剣は、淡い光を放つすこし細身の長剣。剣自体が光ってるわけではなく、剣のいたるところを走っている線から漏れている。その線をたどっていくと、鍔の中心に行き着く。そこで線は幾何学的な模様へと変わり光を強めていた。
剣自体は過多にならない程の装飾がなされている。木細工を思わせるようなものや宝石があしらってある。色は鈍い銀色をして、時折光が当たると銀の中に七色が見えるという不思議な金属。
ほぅ、と息が漏れる。自分で言うのもなんだが素晴らしい。最新の技術と昔の良いところを集めた製法で作り上げられたこの剣は、美しさと実践的な機能を合わせ持つ。そしてこれは実験作でもある……が、まあ、それはおいおい説明って事で。
ニヴェルソードをアイテムボックスにしまい、息を吐く。
「ふぅ……取り敢えずいろいろ確認できたし、寝るかぁ」
ふわぁとあくびをしながら横になる。するとすとん、と意識が落ちて行った。
はい。ストックがなくなってきました。
「え?はやくない?」
書きます。
「はやく完成させないよ」
はい。
次は20日更新です。
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