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2話 異世界の空は青くてきれい

今ある分を投稿しようと思いました。これの三日か四日後に3話をあげます。


〜本日のお品書き〜

ウノ、死す。

落下って、こわい。

ワイバーンがかわいそう。


の3品でございます。


すみません!無茶苦茶な文章になってた部分がありました!

加筆&修正しましたので許してください!なんでもしますから!(何でもするとはいってない)

 意識がふっと浮き上がってくる。それと同時に感じる浮遊感…浮遊感というか、落下感?


  落下感…落下してる!?


「えっ……ぁぁぁぁぁああああああああ!!」


  雲からのダイブ、空へフライアウェイ。日本語に直すと他界他界。

  ってそんな事言ってる暇じゃない!?


  と慌てて何かしようとした瞬間、ふわっと緑色の淡い球体に包まれた。ふわふわと柔らかく、暑くも寒くもないちょうどいい適温にしてくれるオマケつき。


「これは…魔法?えっと、このエフェクトは…たしか属性が風の詠唱魔法、短時間空を飛べるフライ…じゃなくて落下速度減退の風のゆりかごかな?」


  そうあたりを付けると、ゆっくりとだが落下速度が遅くなっていった。


「これは神様の魔法かな?だとしたらありがとうございます」


  1分もすればだいぶ遅くなり、滑空してる状態となった。そこで脳内でゲームだった頃のマップと照らし合わせて、どこに落ちてるかを割り出そうとした。


「えー、あっちがオラン帝国、でその隣がイータ公国、山を越えた向こうがセイリア王国かな?だとすると落ちる先は地図の聖国リザイアか?んーでもリザイアからは離れてるっぽいんだよな…だったらエルフの国ユグトランドか?あ、そこまではいかないっぽい?」


  あーでもないこーでもないと悩んでいると、知らない都市の横の森を抜けた先、海へ繋がってる所に、目立つものがあった。


「あれは…俺の『移動手段』だ!『移動手段』!正式名称は、えーっとたしか…」


  大きな岩、いや島が浮いている。島の上には緑の草原、湖、そして宮殿が見える。そして、宮殿から島の端まで伸びている銀色のどでかい砲台が輝いていた。

  いわゆる浮島というものだ。それが俺のゲームの頃の移動手段であり、ゲーム内屈指の攻撃力を誇る兵器でもあった。あの浮島を持ってる連中と集まって、砲台から放たれるビームで神龍を一斉攻撃して沈めたのはいい思い出だ。

  ……まあ、あるユニークジョブを持ってるアイツ……ゲーム友達なら最高スキル1つで同じ火力を出すんだが。つくづくバケモンだと思う。

  その隣には視認するのは難しいが、オシャレな店といった感じのでっかいお屋敷みたいな家と、海に続いてる場所には大きな船か二艦浮かんでいた。


「思い出した!移動要祭アリュケイオンだ!えーっと破壊の呪文は、バン○クの正式名称!言えるわけがねぇ!」


  もうテンションマックスだった。だいぶおかしな言葉を発してニヤニヤが止まらない。

  浮島のインパクトが強いが、海側の方面には二隻の大きな船が見える。


「あー懐かしいなぁ。あっちの船がゼパル、こっち側のがユキハマだっけ。初期型ならともかく改造しまくって化け物艦になってるしなぁ」


  そして、船と浮島からそこまで離れていない陸地に懐かしの──というか死ぬ前まではあそこにいた──自分の家をみる。


「……変わってないな。名前はなかったけど、今度考えてやるかな。…あ、家には元から使用人みたいなの居たけど、今はどうなんだろ?居てくれたらちゃんと話したりしたいな。嫌われてないかな…」


  そんなことをそれを滑空しながら考えて、感傷に浸り、また考えてとしていたら、地上がもう目の前となった。


「っと…ゲームの頃からグラフィック凄かったけど、こうしてみるとやっぱり違いはあるな」


  ゲームの頃はニオイや味といった、嗅覚と味覚の再現が凄かった。だがそれはゲームとしてであり、やはり現実と同じとはいかなかった。例えば草の匂いはすれどそこから微かに感じる花の香りとかはない。といったように。


「んー…こうしてみるとデッカいよなぁ俺の家…まあギルドの方は城だったからそれよりはマシに見えるけど」


  またひとしきり感傷に浸る。


「さて、入るか。この場合はお邪魔しますか?いや、ただいま…?」


「ただいまでいいのですよ。お館様」


  ふと後ろから声をかけられる。振り向くと


「え、なん…なぁっ!?」


  振り向くと、丈の長い純正のメイド服を着た血濡れのメイドがワイバーンを背負っていた。満面の笑みで。


「?如何なされましたかお館様?」


  可愛らしくコテンと首を傾け笑みを崩さないメイド。正直言ってめっちゃ怖いです。


「あ、え、あ、っと…んんっ、き、君は、誰だったっけ?」


  その言葉を聞いたメイドは笑みを消し目を見開き崩れ落ちた。


「そ、そんな…!私、ずっとお館様のお帰りを今か今かとと心待ちにしておりましたのに…!やっとお帰りになられたと…!それを…それを…!忘れられていただなんて…」


  よよよとハンカチを取り出し涙を拭うメイド。涙の代わりに返り血が拭き取られていく。


「あ、えと、その、ごめん…」


「いえいえ、お館様は悪くございませんよ。そもそも私お館様にお仕えしているのに名乗っていませんもの」


  スクッと立ち上がり、ワイバーンをズシィン…と地面に置く。そしてこちらにくるりと向き直り。指パッチンで(多分魔法を行使し)血を落とした。

  血を落としたメイドは、栗色の髪に髪より明るい茶色の瞳で少しツリ目がち、さくらんぼのような唇の、昔は可愛らしい美少女だっただろう可愛い系の美人さんが立っていた。


「お館様、改めまして、お帰りなさいませ。お館様が当お屋敷を購入なされてからメイドとして仕えておりますアミラと申します。以前は良くお声かけ頂いていたにも関わらずメイド業に不慣れな時期でしたので返事もお返しできず申し訳ありません」


  綺麗な一礼をしてみせ、それから自己紹介、謝罪と三回腰を折られた。


「あ、いえ、こちらこそ。よろしく、アミラさん。俺はく…ウノだ。アミラさんは一人でここを守っててくれたのか?」


「はい。一人…とは言っても、半年前まではもう一人と留守を共にしていましたが。それと私の事はアミラと。若しくはアミラちゃんとお呼びください。…アミラたんでもたそでも」


  アミラは小さく頬を染め、アミラたん呼びを気持ち強く勧めた。


「いやいや!たんとかたそとか言わないから!アミラ!これでいい?それで、もう一人ってどんな人?俺の記憶が確かなら、メイドは君一人だった筈だよね?」


  話題を変えるべく、疑問に思ったことを問いかける。


「メイドは私一人です。もう一人は、お館様も良くご存知の方ですよ。一緒に冒険をなされていた方ですから」


  その言葉に俺はかつてのギルメンを思い出す。


「プー太か?ロンギオン?いちごマッチ?yuuさん?…いや、ここは普通にサポートキャラかな?」


  一人でブツブツ名前を挙げていると、


「ふー、た?様等は存じ上げませんが……」


  少し困った顔のアミラがこちらを見ていた。


「あ、ごめん。えっと、セイク?ユメハ?」


「お忘れでは無かったようですね。ユメハ様です。セイク様はお館様の屋敷をここに移した後、お館様を探すと仰られまして……」


「出ていった、かな?」


「……はい」


  少し寂しそうな、儚い笑みを浮かべた。


「…?移したって言ったけど、どういう事?」


「あ、それはですね…立ち話もなんですし、上がっていきます?」


「あ、これはどうもご丁寧にってここ俺の家!」


「ふふっでは、少々お待ちください。コレを片してからいきますから」


  花のようにふわっと笑うと、ワイバーンを持ち上げ裏に運んでいった。


「あ、お館様はどこで続きを聞きたいですか?食堂?娯楽談話室?そ・れ・と・も、お屋形様のベッドで熱く?きゃっ」


「食堂でいいぞー」


  なんだか慣れてきた自分がいた。



 ▼



  家の中自体はゲームと変わってなかった。部屋が…何部屋あったかな?ゲームの時は自室と工房と倉庫くらいしか使ってなかったからな。廊下を進んで一階右奥の部屋、たしか…そうそう、ここが食堂だ。

  長いテーブルに真っ白のテーブルクロスが引かれてる。その横にはふかふかしてそうな椅子がズラリ。扉に対してテーブルは横になっていて、左奥が多分俺の席かな?(椅子が一番豪華だったから)

  だから俺は長テーブルの豪華な席ではなく、料理が見えるようのカウンターの隅に置いてある質素なテーブルの前に座った。それでも結構いいもので、柔らかい弾力が心地よかった。


「お館様、遅れて申し訳ありませ…ありません。話をさせて頂くので私も座ってよろしいでしょうか?」


  俺はニヤニヤ顔でアミラの反応を楽しむと、「いいよ。どこでも座って」と言った。


「失礼します」


  アミラは一番豪華な席に座った。


「ってお前がそこ座るんかい!」


「あら?これは失礼しました」


  白々しくそう言ってスッと立ち上がり、こちらへ歩いてくる。まさか…


「ッ!あ、あら、お館様?私の腰を掴んで、如何されたんですか?もしや、私に──」


「いやぁ形のいいお尻と細い腰がこっちを向いていてね、まさかとは思ったけど、やっぱり膝に座ろうとしたね!」


「いやですわお館様。褒めるのならもっと別の所をお褒め下さいまし?お尻だなんて、恥ずかしいですわ」


  こちらに背を向けぐいぐい押してくるアミラ。しかも同時に頬を染めると言った小ネタをやってのける。


「…ぐぐ…はぁ、失礼致しました」


  かなり拮抗した戦いだったが、アミラは諦め正面に座る。


「アミラ、なんか段々馴れ馴れしくなってないか?いや、俺はそっちの方が嬉しいんだが」


「…正直、舞い上がってました。お館様とお話しできて。お帰りになられて。ですから少し羽目を外してしまいました。昔はお話しできていなかった分、少々距離も測りかねていまして…ですがこれでいいと仰って下さるなら、有り難く思います」


  友人のようにふざけたり、急に従者の様に振舞ったりしてたのはそれか。


「勿論、さっきみたいにふざけ合ったり、そういう従者としての関係じゃなく、もっと友人的な関係がいいな」


「それはもっとディープな関係になりたい、という事ですか?」


「おい言い方言い方」


  軽く挨拶代わりのジャブを仕掛けてきた。そっちがその気なら……


「でも、アミラは可愛いし、綺麗だし。話してても楽しい。ディープな関係になれるなら、嬉しいかな?」


  よし、返してこい!


「な、なななな、なにをおっしゃっていりゅのですか!?おお、お館しゃまと、でぃーぷな、あ、あの、そう言うのは、もっとお互いを知ってからの方がいいと思います!」


  顔を真っ赤にして狼狽えるメイドがいた。意外とウブなのか。可愛いな。


「なあ!?しょ、そんな、そんな、しょんな…」


  あ、声に出てた。あうあうしてる。


  おーい戻ってこーい!



  閑話休題



  あの後、冗談だって言ったら脛を蹴られた。取り敢えず拗ねてたアミラの機嫌を取り、話を聞く。


「そう、でしたね。移動させた話をするはずでしたのに…」


  少々ジト目でこちらを見る。


「だからごめんって、次はああ言う冗談言わないから」


  そう言うとアミラは口を尖らせて


「それはそれで、女としての…とか?そう言うものへの配慮が足りないと言うか………ですのに」


  いじると可愛いけど、同時にめんどくさくもあるアミラであった。


「んー!ごめん!だからなんで移動したか、教えて?」


  両手を合わせ、前傾姿勢になりながら謝る。するとアミラは盛大に溜息を吐きながら教えてくれた。


「はぁ…わかりました。それでは、何故移動したのか、理由からご説明させて頂きますね───」



 ▼



  その日、私たちは何かが変わりました。何が、と言われてもわかりません。けれど何かが変わったのです。

  最初その違和感はお館様が帰ってこない故の違和感だと思いました。数ヶ月たってまだお帰りにならないお館様に不安を覚えつつ、私たちはお館様が帰ってくるまでここを動かず、家や移動要祭を守ると決めました。

 ですがお館様がお帰りにならなくなってから一年後の事です。

 どこかの国の貴族のご子息の方が、ここに来てお館様の移動要祭を見られて「貰ってやる」と言い出したのです。当然お館様の物ですから勝手に差し上げることは出来ませんと丁寧に断りました。……そこで私が出て行ったのが間違いだったのでしょう。目をつけられてしまいました。その方が言うには、妾にしてやるだの、お前とこれ(移動要祭)は俺のものだだの喚き散らしていました。その傍若無人な物言いを聞いていたユメハ様が飛び出して来て、転移魔法を発動し帰らせました。

 その1〜2ヶ月後でしょうか。次にやって来た時は三千の兵を引き連れてきました。


  彼の方の言い分は酷いモノでした。当時お館様が家を建てられたセイリア王国も、その方を止められず、苦い顔をされていました。

 ああ、三千の兵ですか?それは、その物言いを聞いたセイク様が無力化。あ、殺人は行ってません。従者や仲間の罪は主人の罪にもなり得ますから。無力化した兵の傷と疲労をユメハ様が魔法を行使し回復し、喚き散らす方と一緒にまた転移で返しました。


  そして、ここからが面倒だったのです。その兵たちの祖国、名は『ローウェン王国』でしたか。その王国の使者の方がいらっしゃいまして、国に泥を塗ったとか何とかで賠償を。との事でした。あ、使者の方は変な方ではなくとても温厚で、良い方でしたよ。正式な場以外では頭を下げることが多い方でした。


  当然私達はこれを突っぱね、逆にそちらの国の方がなされた事を懇切丁寧に説明してさしあげ、──勝手に使っては良くないとは思いましたがお屋形様の十七魔道具〈ネタ道具〉の一つである、『誰でも簡単に写真やムービーを楽しめるし撮ることだってできるんだ。そう、iMocならね。』を使わせていただきました。事後報告になってしまい申し訳ありません──さらに彼らの行った行為を撮っていたので、それを現像し使者と一緒に送り返しました。──はい、転移魔法で。

  すると、王国の偉いお貴族の方がやってきてヘコヘコ媚びへつらいながらお金や色々持ってきました。


  それから、何度か王国の方がこちらへやってきては移動要祭等を売ってくれないか、士官してくれないか等ぐちぐちグチグチ……すみません、取り乱しました。ともあれそんなことがあり、ちょうどどこの国にも属していない海の面したこの場所があったので、其処を領土とし、認めさせてここに越してきたと言う訳でございます。その後、セイク様がお館様を探しに行かれたのです。


  ああ、ユメハ様が半年前に出て行ってしまわれたことですか?それは、エルフの国ユグトランドの方がこの館に来られたからですね。なんでも、ここは『魔境にある、なんでも願いを叶えてくれる館』と噂されている様でして……あぁ、脱線してしまいましたね。そのユグトランドの方が、疫病が蔓延し始めているから助けて欲しいと、ここに最後を希望として来られたのです。それを聞いたユメハ様は、聖女精神でユグトランドに赴かれました。お館様がいつお帰りになられてもいい様に、御二方とも通信用の魔道具を持ってお出かけになられましたので連絡を入れれば直ぐにお帰りになられるかと思いますよ。

  え?あ、当然もう連絡しましたよ。



  ▼



「え?あ、もう連絡しましたよ」


  いたずらっ子のような笑みを浮かべるアミラ。


「へー…って、俺って何年前に居なくなったんだ?」


  不意にそんな事を聞くと変な顔をされた。


「…もしや記憶が?ご自分がいつ帰られた記憶がない…と」


「ん?あ、いや!俺って時間の概念が薄い所にずっと居てさ。あはは」


  顔を引きつらせながら無理に笑って見ても無駄だった。


「時間の概念が薄い?もしかしてダンジョンにずっと篭ってたんですか?これまでずっと?二十四年と少しも?」


「あはは〜…そうそう俺ってば二十四年と少し…って二十四年!?え、十二年じゃなくて!?」


「十二年…?何を言ってるんですかお館様。…いえ、ですが上級の冒険者ともなると、これだけの時間篭ってたと思ったら倍以上は篭ってたと言う、ダンジョンあるあるの笑い話や笑えない話ではよくある話ですが……流石に年単位で間違えるものなのですか?」


「あは、ははは…まあ、今は言えないから、そう言うことにしといてくれ……」


  最終的に俺が折れた。

「そーいえばさ。なんで作中ではウノくん時点でたまに三人称になってるの?」


それはひとえに私の不足にございます。


「じゃあ、君はウノくんの心の声や状況を説明するナレーターってこと?」


はい。


次は18日更新です

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