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13話 街へ

とても遅くなってすいません……。

こっちが書きづらすぎて、もう一つ始めた小説の方が進む……。


 結局二人とも連れていく事になった。

 ……うん、なんというか、うん。


 女性というものは、総じて時間がかかる生き物である。

 それは仕方がないと割り切ってはいるが、直前でバタバタされるとこう、苦言の一つも言いたくなる。まあ二人はもう準備を済ませてるからバタバタしてるのはユメハだけなんだが……。


 そもそも直前まで付いていく事を突っぱねてたあいつらの方が支度が早くて、行くことが確定していたユメハが遅れてるのは何故だ。

 事前に用意とか、確認とか済ませておけよ……出るって時にあれがないコレを忘れたと……いや、もうよそう。



 閑話休題



 準備ができた俺たちは早く行くために空を飛ぶ事にした。


「お館様、何で空を行くのですか?」


「んーどうしようかな」


「決めてなかったのかよ……」


 うるさいな。お前らとか世間の目とかを気にしてんだよ。移動手段で行ったら一発でアウトだろ。残ってる手段で全員運べるとしたら、使役してる飛竜か『フライ』の魔法、魔道具。あースカイヨットもあったな。でもあれは小さいか。

 あ、聞けばいいのか。


「今から言うもののどれで行きたい?1、飛竜」


「は?」


「ひ、飛竜」


「んーゴツゴツしてるからなー」


「私は構いません」


「同じく」


 芳しくないな。次。


「2、魔法」


「魔法……?」


「ちなみに、どんな魔法だ?」


「え、フライでしょ?」


「おう」


「俺たち使えねーぞ?」


「その辺は大丈夫。俺が全員にかけるから」


「そ、そうか」


「フライ……しかも全員に……」


「相棒、こういう奴だってもうわかってただろ」


「ああ……」


 んーまあまあ?

 じゃあ最後。


「3、魔道具」


「無理」


「え?なんで?」


「途中で俺らの魔力がもたなくなる」


「あー」


 じゃあ無しで。まあ魔法か。

『フライ』の魔法は慣れるまでまともに飛べないけど支えればいいか。


「じゃあ魔法な。アミラとユメハ……は使えなかったな。じゃあ使えるのは俺とアミラ、リアンはどうだったっけ?」


「私は使えません。申し訳ありません」


「ああ、いいよ。それじゃあ俺がユメハと男二人にかけるからアミラはリアンにかけてやってくれ」


「わかりました」


 ジョブ変更、えーどうしようかな。双盾刃使いは必要、落ちてるモノ使い……ほんとこの名前どうにかしてほしいな。これもつけておく。糸使いは外して魔導師と魔技師にしておく。魔導師は前にも出したな。

 魔技師は本来は魔力を纏う近接戦闘系のジョブだが今回はMP上げのために入れてる。

『フライ』は持続魔法だからな。使ってる間はMPが減っていく。


 俺とアミラは少し離れて『フライ』を使う。

『フライ』自体は魔法使いで覚えるから魔導師になろうが魔術師になろうが使える。

 ジョブが変わった事で増えた分のMPをポーションで回復してから、魔導師の【刻印魔法】の刻印を刻んでフライを全体化する。


「うお」


「浮いてる……な」


「おっと、あんまり動くなよ。慣れるまで難しいからな」


「あ、ああ」


「ありがとう」


「ユメハ、どうだ?」


「大丈夫です〜」


 ぽわぽわ系で何もないところで転けそうなキャラしてるのに運動神経いいんだよなコイツ。そう設定してたから……。


「アミラ、そっちはどうだ」


「かけ終わりました」


 向こうもふわふわ浮いてるのを確認した。


「お前魔術師だろ?レベル差があるとはいえそっちの方が速度早いと思うから、こっちに合わせてくれ」


「かしこまりました」


 と言うわけでフライトだ。

 大男とローブの肩を持ち、ゆっくりと空に昇っていく。


「お、おおぉ……」


「……ゴクッ」


 あ、高いとこ大丈夫か聞くの忘れてた。



 ▼



「も、もう空の旅はごめんだぜ」


「……」


「あ、相棒!しっかりしろ!あいぼぉぉお!!」


「……愉快な人達ですね」


「だな」


 空を飛ぶ事一時間。何もない優雅なフライトを……まあ途中ワイバーンに襲われたけど問題なく狩った。

 在庫が多すぎて余りまくっていたポーション達でMP回復させながら移動したから早い早い。

 というか畑から採って自分たちで消費する事って……なんだっけ、自給自足だったか?をしてるのはいいんだけど、需要より供給が過多になり過ぎててなぁ。捨てるのももったいないし、あるのに作らないって言うのも、な。

 っとと、話が逸れたな。


 流石に飛んだまま乗り上げるわけにはいかないので浅い森に着地して休憩してからいくことになったんだ。

 そして休憩が終わった、んだけど。


「こいつらがなぁ」


「まあまあ〜。あ、ヒールいります?」


「お、おう、お願いするぜ……相棒にな」


「は〜い。『エクストラヒール』〜」


 エクストラヒール。

 全ての異常状態を治し全快させる回復魔法。疲れた体によく効く。腰痛が治る。痔も癌も治る素晴らしい魔法。MPを気にしなければ割とバンバン打てる。聖水に込めることも出来る。


「……ありがとう、ございます」


「たすかるぜ」




「止まれ」


 門まできたら若い男に槍を突きつけられた。


 いや普通に門番してるだけか。でも突きつけるのはやり過ぎじゃないか?


「おう、久しぶりだな」


「バファロウス!それにスワー!生きてたか!」


「勝手に殺すんじゃねぇよ」


 ジョークか本当かわからない事を言う門番。あ、でもあの森って凄い危ない場所って言われてるんだっけ。


「そうか、お前らでも諦めて帰ってきたか……だが恥じる事はないぞ!それよりも無事に帰ってきてくれた事を祝おう!」


「あ、いや」


「……俺たちのことは、内緒にな」


 魔女を連れて帰ってきたってなったら厄介ごとになりそうだからな。厄介ごとが回避できるならしたほうがいい。


「お、おう」


「……おい、早く通してくれ」


「ああ、すまない。……と、すまないがギルドカードを見せてくれ。確認な。それと、君たちもだ」


「わかりました」



 ▼



 特に問題もなく門を通してもらった俺たちは、ローブの家に行く事にした。


 街並みはゲーム時代の他の街と同じヨーロッパ風。赤い屋根やレンガ造りの建物と煙突と言った感じだ。

 ただガス灯っていうガスを燃やして明るくする街灯があるし裏路地はわからないが大通りを歩いてる分には糞尿は見られない。中世ヨーロッパは酷かったらしいからな。

 お、あれは点消方(てんしょうかた)か。ゲーム内で点消方のイベントがあって名前を覚えたんだよな。夕方にガス灯に火を付けて、早朝に消して回るんだとか、点消方になるには結婚してなきゃいけないとか。

 イベント武器の『点消方の火つけ棒』が今で言う聖剣並みの付与が最初からされてるのは、なんか納得できない。


「お?馬の尻にぶら下がってるのは……?」


「?あれか?あれは……何だったけか、何代か昔の賢者が、こうすれば馬の糞を撒き散らさなくて済むって考案したものだ。糞や尿が疫病の元になるって言われてるからな。それの対策だそうだ」


「へぇ〜」


「……ついたぞ。ここが俺の家だ」


 ローブがそういうと、一軒の家の前で止まった。

 その家は少しの庭と壁、レンガ造りの家で他と遜色ない建物だったがよく見ると花壇の花が枯れていたり庭の手入れをしていなかったりと、すこし廃れてていた。


「ユメハ、準備しとけ」


「はい」


 真面目モードだな、口調も伸びてない。


「……お願い、する」


 ドアを開きズンズンと奥へと向かっていく。


「……ぁ、お父さん……おかえり」


 痩せ細り土気色の肌をした14〜6歳の少女が掠れた声で話しかけてきた。

 ……おい、ここリビングじゃないのか?ベッドに入るんじゃ?そもそも母親はどうした?


「……ただいま、ミア。長い間開けてすまんな……」


「……ぁやまらないで。でも、次は出て行かないで欲しいな。もう長くない事、自分でもわかるの。だから、お母さんの所に行く前に、お父さんとたくさん一緒に居たいな」


「ミア……!」


 ……ローブ?まさかこの少女一人で留守番させてたのか?娘を助ける為とは言え……あ、ユメハさん後でお説教するのね。何となくわかるよ。でもあんまり責めないでやってくれるか、ローブの気持ちもわかるからさ。


「はい、じゃあ治しちゃいますね。ミアちゃんこれ飲んで」


「……あの、貴女は?」


「グス……喜べミア。お前は、お前の病気は治る……!この人たちが治してくれるんだ……!」


「……貴方達、お父さんに何を言ったんですか……この病は不治の病です。治りません。お父さん目を覚まして。きっと、きっと詐欺だから……」


 あ、詐欺師扱いされた。まあぽっと出のやつが不治の病治すからこれ飲めって言ってきたら信じないわなぁ。

 ん?大男、どうした?あ、バラしてもいいか?うん、そうしないと信じてくれなさそうだからいいよ。


「ミアちゃん、こいつらはホンモノだ。信じてくれ。俺と相棒は魔女の館まで行って魔女を連れてきたんだ!だから!」


「……信じ、難いです」


「お願いだ……!父さんの言うことを聞いてくれ。飲んでくれ……!」


 飲んでくれなかったら無理やり飲ませるしかないかな。そんなことを思ってると、


「…………お父さんが、そこまで言うなら。飲み、ます。でも、貴女達を信じた訳じゃありません、から」


 瓶を危なっかしく受け取ると、栓を抜こうとする。……抜けないようだからユメハ抜いてあげて。

 栓を抜いてもらった少女はやるせない顔をしながら受け取り恐る恐る口に含んだ。


「これ、は?え?え……バナナ?」


 全て飲みきった後の一言がそれだった。あ、バナナ味の方をあげたのね。そら治るとか言われた薬だから苦いと思って、蓋を開けてみればバナナ味の甘い味ってちょっとギャップで不味く感じるよね。コレジャナイ感。


「【スキャン】……はい!病気は治りましたよ〜」


「……!」


「ありがとう。ありがとう」


「……ッ……ッ」


 少女は自分でも治った事が分かり唖然とし、ローブはありがとうと言い続ける機械と化し、大男は泣いている。


「まだ安静に、ね?筋力が衰えてるのは純粋に運動してなかったからですね〜。だからリハビリをする事。魔力は一夜明けたら元に戻りますよ〜。

 そもそもの魔力の総量が多くないのが幸いした見たい。エーテル病は魔力がなくなったら最大魔力値の10分の1のダメージを与える病気だから、少なすぎて1しか与えられてなかったみたいですね。それもダメージが出るのが1時間に一回の割合だし、回復してはダメージを負ってってループだったみたい。

 では何故この病気で亡くなるのか。それはこの病気の副作用のせいですね〜。魔力がなくなると怠くなる。それも気絶しそうなくらい。だから体の筋力が段々と弱っていって、最終的に衰弱死をしてしまうの〜」


 ……ながい。ほんと病気のことに関しては博識だな。


 でも、これにて一件落着、だな。


 ……このセリフ言ってみたかったんだ。

もしかしたらこっち書くのをやめてしまうかもしれません。

もしくは設定や色々ちゃんと練ってからになります。

申し訳ない。

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