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異世界転生かと思ったら普通に死んでた

作者: 戯画葉異図

 トラックに轢かれて死にました。僕はてっきり、「ああ、これで異世界に異世界に行けるんだな」と思ったわけなんだけれど、そんなにこの世は甘くなかった。この世というか、あの世。

 僕はトラックに轢かれて、そして普通に死んだ。転生なんてしなかった。転生なんて望むべくもなかった。こんなことならばもう少し人生を大事にすればよかったかなと思ったのだけれど、それだって今となっては後悔でしかない。

 今、轢死した僕は閻魔大王の前にいる。閻魔大王というものは普通の人間に比べて大きいと勝手に信じていた僕だったのだが、それは間違いだった。見た目は普通の人間だった。変な机の前の変な椅子に座って、変な帽子をかぶっている他は、まったくの普通であった。

 その閻魔大王が、僕に天国か地獄を告げる。僕の生前の行いなんて大して良くもなかったから、どうせ地獄だろうなと予想していたら、案の定、地獄行きだった。

 天国行きの門は閉じられたまま、地獄行きの門が開かれる。赤鬼にせかされて、僕はその門をくぐる。目の前には地獄が広がっている。

 本物の地獄なのだから、「まるで地獄のような」という表現は正しくないのだろうが、それでも、「ああ、これが地獄なのか」ということだけは感じた。

 異世界などではなく、地獄。

 「どうせなら天国に行きたかったな」とは、どうしてか感じなかった。

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