表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自虐と許し  作者: カルトン
2/6

side:美紗

side:に分けてやっていく感じです。

side:美紗


しおりを挟む





わたしは彼を知っていた。知っていた、と言っても名前と存在とある場所における彼だけだが。

四条優希。それが彼の名前だった。

彼のことをクラスメイト誰も知らない。否、彼を知っていながら関わらない。彼と他のクラスメイトとの間にはマリアナマリアナ海溝より深い溝があるみたいだ。

クラスメイト皆、彼を静かで大人しくて何もしなくて面白くなくてつまらないやつだと思っているだろう。実際、教室にいる彼はその通りだ。だが、彼は図書室に行くと違ったのだ。彼の居場所はそこみたいで、そこの彼は生き生きしているように見えた。

彼を慕う後輩・同級生・先輩。そこにいるメンバーは全員個性的だった。図書室のいつもの指定席に座っている彼は、まわりから「委員長!」と呼ばれ楽しそうに笑っていた。

図書室にいる間、彼は持っている知識知恵を披露していた。たびたび事件が舞い込んでくる図書室で彼は動いているのだ。彼がしているのは案をだすだけ。実質的な動きはまわりのメンバーがしていた。指令をだせば動いてもらえる信頼があるのだろう。

漫画・小説、その他に関しても彼は知識があった。たしかテストでは毎回上位者だったはずだ。しっかり勉強しているのだろう。

わたしは彼を少しだけ凄いと思っていた。そして、彼と少し話してみたいとも思っていた。

二学期末試験も終わり、特別時間割りになりだした今日の昼。わたしの席の前に突然彼が立ちました。どうしたのだろう、と首を傾けます。

彼は力を振り絞るようにして国を開いて言いました。

「俺と…………友達になってください」

「え?」

わたしは驚いて傾ける首を反対にしました。

「……え!?」

彼が突然顔を赤くしてびっくりしたような声をあげました。

「えーと、」

こちらから声をかけてみます。ですが、

「ごめん!」

そう言って彼は逃げだしてしまいました。まわりの友達のなんだったんだろうね、という笑い声はわたしの耳には届きませんでした。かなり動揺していたからです。

いきなり謎の彼に声をかけられたことにも、いきなり謎の彼に逃げられたことにも。

わたしはとても不思議に思いました。だから、わたしは決心しました。






お疲れ様です。ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ