side:優希
ガラケー時代にほんの少しだけ書いていた恋愛モノ? みたいなやつです。ほんの少しです。
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今日も今日とてクラスで浮き雲のように浮いているのが俺である。
ギャグで滑ったわけではないのに、俺のまわりはいつも通り寒々しい。わかりやすく言えば避けられている。否、避けられてはいない。近づかないだけだ。あぁ、あまり変わらないか。
とまぁ、ぼっちな俺は片手で頬杖をしながら、もう片手で本を開き読むのでした。教室にいる他の方々の談笑を聞きながら。
その談笑の一つに、俺も好きな漫画の話をする少女の集団があった。人と関わるのが苦手な俺は目を閉じて考える。
仮に突然俺が、イエーイ俺もそれ知ってるよー、って行くだろ、ドン引かれる、はいおしまい。やれやれ、変な考えはしないものだ。勝手にまた傷ついた。
そんな自虐をしていると始業を告げるベルが鳴った。
後日、上司である図書室の司書殿下からご命令が来た。面白い漫画の案をください、と。
俺は教室に戻ると、この前の集団の一人である少女の席の前にたった。無論恐怖心約九割。期待九割ぐらいだ。計算大丈夫か。この期待は話せるかどうかではなく、漫画の知識についてだ。
目の前の少女は首を傾げる。さもありなん、俺は一分ぐらい突っ立ったままなのだ。話せよ俺、と、内心で叱る。
そしてやっと俺は口を開いた。漫画の参考を求める予定で。
「俺と…………友達になってください」
俺はそんなことを言っていた。
「え?」
少女は反対側に首を傾げる。唐突にぼっちにこんなことを言われたらそうなるだろう。当然だ。
「……え!?」
俺は自分が何を言ったのか理解すると同時に動揺の声をあげた。
「えーと、」
少女から声がかけられる。
「ごめん!」
だが、俺はその場から逃げ出した。
やばい絶対にドン引かれた、と考えながら。