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わたし、異世界でも女子高生やってます  作者: 小織 舞(こおり まい)
ルート:オールィド
164/280

これまでのおはなし

 はぁい、わたし、久坂 明日菜!

 お菓子作りが好きで運動は苦手な高校ニ年生。登校途中にいきなり異世界に飛ばされちゃったの。


 そこはまるで乙女ゲームの世界みたいに不思議なところで、魔法と機械が融合したマギテックっていう文化があるの。レンガの街に馬車が走ってるのに、お家の中には洗濯機があるみたいな。


 その国に暮らすひとたちも、髪の毛が水色だったり緑だったり、こっちの世界とは全然違う!


 そんな世界にいきなり落っことされて、「魔力が枯渇してるから、キスして分けてもらわないと死んじゃう」って言われちゃったの。信じらんないでしょ! わたしのファーストキス、こんなとこで失うのはヤダ!


 死ぬかもしれないときにそんなワガママを言うわたしのために、出会ったばかりのひとたちが、色々知恵を絞って助けてくれた。よかった、ファーストキスなくさなくて!


 わたしがやってきたのはジルヴェストっていう島国で、王様はなんと俺様ナルシストな同い年の男の子だった。名前は長いから、あだ名で呼んじゃう。赤い髪だしベタベタしてくるからジャムね。


 「オレの妃になれ」とか冗談じゃない、わたしは帰る!


 でも、どうやって?

 悩むわたしにジャムは交換条件を出してきた。この国にある唯一の女の子のための学校、花嫁修業専門のマリエ・プティ学園に通うなら、衣食住、それにお小遣いもくれるって。学園で生活しながら、帰る方法を探せばいいって。なに、その好条件、とおもったら……その代わり、三年たって卒業したら、結婚しろって!


 そんなわけで元の世界に帰る方法を探すため、わたし、異世界でも女子高生やってます。





 剣も魔法も使えないわたしにできること、それはハリセンでのつっこみとお菓子作り。それに、この世界に来てなぜか見えるようになったステータスを活用すること。


 って言っても、ステータスは全員に見えるわけじゃない。


 セクハラ俺様ナルシスト王のジャム


 わたしをここに落っことした張本人の陰険酢飯野郎の宰相シャリさん


 こっちの常識を教えてくれたりするエクレア頭の先生


 無口すぎる先生のボディガード、ゼリーさん


 わたしの護衛を命じられて女装中の腹黒暗殺者、蜂蜜くん


 ジャムの従妹で婚約者で女の子が好きな悪役令嬢、キャンディ


 結界の外の国から来た謎の少年、アイスくん



 それから……、見ず知らずの女の子のために一生懸命になれちゃう騎士のお兄さん、ドーナツさん







 お世話になっているジルヴェストだけど、実は色々厄介な問題を抱えてた。海を隔てた大陸にあるお隣さんに、豊富な魔力を狙われてるんだって。だから、攻め込まれないように宰相のシャリさんが結界を張った。それがなんと千年前の話!


 シャリさんはただの人間じゃない。その時代から生きてるの。だからジルヴェストはずっと鎖国状態ってことなのね。


 でも、それには問題があった。国を守る結界は、人々から魔力を吸い取ってたの。しかも無許可で! そのせいで、こっちでのわたしのクラスメートのチョコは魔力切れで苦しんでた。それだけじゃなく、ジルヴェストのひとの寿命が短い原因のひとつでもあった。



 戦争を避けるためだからって、国民の命を削ってもいいの?


 この国は、歪んでる……。




 王さまのハズのジャムは結界のことを何も知らなかった。きっと国民のほとんども知らないハズ。


 結界を張ったシャリさんはジャムと話をさせてほしいって言ったの。だからわたしは任せた。……なのに、ジャムは消えちゃった! シャリさんも一緒に。


 いったい、どこへ行っちゃったの?


 それと同時に結界も消えちゃって、ジルヴェストの王宮は大混乱になってた。隣の国が攻めてきちゃうって。それは、代わりになるものを風の精霊、ソーダさんに作ってもらうことができたんだけど……。


 ジャムが消えたことで、ジャムの騎士であるドーナツさんは、かなり責任を感じてしまっているみたいで、すごく疲弊していた。馬を無理やり走らせて、朝になるまでジャムを探してた。


 このままじゃ、ドーナツさんがどうにかなっちゃうんじゃないかって、わたしはすごく心配してる。わたしがこっちの世界に連れてこられたとき、理不尽な仕組みからわたしを守るために走り回ってくれたドーナツさん。


 ジャムを大切に思っているのに、わたしが本当に嫌だったら、「一緒に逃げてやる」って言ってくれたドーナツさん。


 わたし、ドーナツさんの役に立ちたい。

 ジャムの居場所のヒントを探すためにわたしは結界の外にあるっていう村に一緒に行くことにした。確証はないけど、そこにはもしかしたら、行方不明になったままのドーナツさんのお父さんもいるかもしれないの。


 ドーナツさんは今、無理して笑ってる。

 わたしはそれを、本物の笑顔に変えたいの。





◎ドーナツさん

挿絵(By みてみん)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

【名前】オールィド・ドゥーンナッツ

【性別】男

【年齢】20

【所属】ジルヴェスト国

【職業】宮廷騎士(若枝)

【適性】狂戦士

【技能】馬術・剣術・◆この項目は隠蔽シールされています◆

【属性】犬

【備考】ジャムの味方・精霊を呼び寄せる剣?


 ☆ ★ ★


☆『五年前に父親が先王と共に旅先で消息を絶った』

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


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