表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたし、異世界でも女子高生やってます  作者: 小織 舞(こおり まい)
ルート:アイスシューク
105/280

これまでのおはなし

 はぁい、わたし、久坂 明日菜!

 お菓子作りが好きで運動は苦手な高校ニ年生。登校途中にいきなり異世界に飛ばされちゃったの。


 そこはまるで乙女ゲームの世界みたいに不思議なところで、魔法と機械が融合したマギテックっていう文化があるの。レンガの街に馬車が走ってるのに、お家の中には洗濯機があるみたいな。


 その国に暮らすひとたちも、髪の毛が水色だったり緑だったり、こっちの世界とは全然違う!


 そんな世界にいきなり落っことされて、「魔力が枯渇してるから、キスして分けてもらわないと死んじゃう」って言われちゃったの。信じらんないでしょ! わたしのファーストキス、こんなとこで失うのはヤダ!


 死ぬかもしれないときにそんなワガママを言うわたしのために、出会ったばかりのひとたちが、色々知恵を絞って助けてくれた。よかった、ファーストキスなくさなくて!


 わたしがやってきたのはジルヴェストっていう島国で、王様はなんと俺様ナルシストな同い年の男の子だった。名前は長いから、あだ名で呼んじゃう。赤い髪だしベタベタしてくるからジャムね。


 「オレの妃になれ」とか冗談じゃない、わたしは帰る!


 でも、どうやって?

 悩むわたしにジャムは交換条件を出してきた。この国にある唯一の女の子のための学校、花嫁修業専門のマリエ・プティ学園に通うなら、衣食住、それにお小遣いもくれるって。学園で生活しながら、帰る方法を探せばいいって。なに、その好条件、とおもったら……その代わり、三年たって卒業したら、結婚しろって!


 そんなわけで元の世界に帰る方法を探すため、わたし、異世界でも女子高生やってます。





 剣も魔法も使えないわたしにできること、それはハリセンでのつっこみとお菓子作り。それに、この世界に来てなぜか見えるようになったステータスを活用すること。


 って言っても、ステータスは全員に見えるわけじゃない。


 セクハラ俺様ナルシスト王のジャム


 わたしをここに落っことした張本人の陰険酢飯野郎の宰相シャリさん


 ファーストキスを守ってくれた明るい騎士のお兄さん、ドーナツさん


 こっちの常識を教えてくれたりするエクレア頭の先生


 無口すぎる先生のボディガード、ゼリーさん


 わたしの護衛を命じられて女装中の腹黒暗殺者、蜂蜜くん


 ジャムの従妹で婚約者で女の子が好きな悪役令嬢、キャンディ



 それから……結界の外の国から来た奴隷のアイスくん







 わたしはこの国のことを調べているうちに、この国を守っているはずの結界が、実は皆の魔力を吸い取っているっていう真実にたどり着いた。


 結界を張ったシャリアディースは、それを「他国から守るために必要だ」と言った。それはそうかもしれない……けど、そのせいで魔力欠乏症に苦しんでる友だちを見て見ぬふりはできないよ!


 でも、それは国の問題だから、わたしはシャリアディースに結界のことは任せることにした。国王であるジャムと話し合わなくちゃいけない問題だもの。


 そんな折、結界をこえてアイスくんがやってきた。わたしに「助けてほしい」って。結界の外に行けば、もしかしたら帰る方法を見つけられるかもしれないと思ったわたしは、アイスくんと一緒に結界を抜けることにした。


 アイスくんを奴隷にしているのは、海の向こうの大陸の国、ギースレイヴンの王子さま。彼はわたしの血と心臓を使って、魔力が枯渇したギースレイヴンの土地を回復させたいみたい!


 絶対、絶〜〜ッ対にヤダ!


 わたしを助けたい気持ちと、王子さまの命令との間で板挟みになっちゃったアイスくんは、同じ立場の奴隷さんたちに協力してくれるよう頼んだんだけど……裏切られちゃった。


 アイスくんとは別々に助け出されたわたしは、アイスくんに会えないまま、学園まで戻ってきた。


 ジルヴェストに帰ってきたと思ったら、すぐに大きな問題発生!

 なんと、シャリアディースのヤツがジャムと一緒に消えちゃったの! しかも結界は壊れちゃった!


 わたしは急いで、風の精霊ソーダさんに結界の代わりになるものを用意してもらった。これでギースレイヴンに攻め込まれることはないはず……。


 ジルヴェストはマギテックの国で、魔力で魔工機械を動かせないと死んじゃうひとたちがいる。そんなパニック寸前のジルヴェストを何とか宥めつつ、ジャムも探しつつ……ようやく希望が見えてきたとき、アイスくんが現れたの。


 夜、わたしがひとりで寝ているときに現れたアイスくんは、もう奴隷の首輪はしていなかった。その代わり、心も身体も傷だらけ……。


 わたしは、震えるアイスくんを放っておけなかった。

 アイスくんのために、何かしてあげたい。そう思ったの。





◎アイス君

挿絵(By みてみん)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

【名前】アイスシューク

【性別】男

【年齢】15

【所属】ギースレイヴン国

【職業】

【適性】魔法使い

【技能】◆この項目は隠蔽(シール)されています◆

【属性】不憫


 ☆ ★ ★


☆『結界を越えて行き来する方法を知っている』

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ